言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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特別スキルレベルアップ後その1

SNSを教える

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「私も、使っているSNSは限られてますけど、大丈夫ですかね」

 私が聞くと、月島部長は一言。

「あれ、あれがいい」
「どれでしょう」
「赤い鳥が飛んでるマークのアプリだ」
「……ああ、ポイッターですね」

 私が言うと、月島部長が小さく頷く。ポイッター。自分の思うこと、考えること。様々なことを独り言のように発信できるアプリ。

「それでは、まずアプリインストールから」

 私は、向かい側から体を伸ばして月島部長にアプリインストール、そしてアカウント作成を手伝った。

「……これで、アカウント自体はできました。あとは、ポイートを見たいと思う人のアカウントを仲良しに登録するのです」
「仲良し……?」
「はい、その人がポイートすると、随時見ることができるようになるんです」
「なるほど」
「ちなみに、自分が見たポイートを好き、することができます」
「好き……?」
「はい。好きをしたポイートのみをまとめて見直すこともできるし、相手の人には好きという反応がどれだけの人数から得られたか分かるというわけです」
「……えすえぬえすは、難しいな」

 月島部長が腕組みをする。

「でもどうして急に、SNSをやろうと思ったんですか」
「……仕事だからな。これからそちらと仕事をするうえで、そちらにSNSの監視を全て、任せるわけにもいかないだろう?」
「ああなるほど、手伝って下さるんですね」

 月島部長は、今まで私が出会った仕事上のどの人よりも、優しい人なんだろう。今まで私の職場の人たち、特に上司は一緒に仕事をするといっても、ただ中身を確認するのみだった。手伝ってなんか、くれなかった。

 でも月島部長は違う。自分と一緒に仕事をしてくれようとしてる。ただチェックのみを行っている上司とはわけが違う。一緒に行動してくれれば、防げたミス。それを相手のせいにしたりもしないだろう。

「ありがとうございます」

 私の言葉に、月島部長が首をかしげた。

「……いや、当たり前のことだが。……それに、こういった機会でもなければ、えすえぬえすに詳しくなろうともしなかっただろうからな。その点だけなら、あの男に感謝すべきかもしれない」

 月島部長の言葉に、私は頷く。

「ええ、そうですね。おかげさまで、いい上司に巡り合えました」

 自然と、そんな言葉がこぼれ出た。
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