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特別スキルレベルアップ編その1
ダンジョン攻略に向けて
しおりを挟むゲームからログアウトしてすぐ、ゲーム内にメールが届いたことを通知するメールが届いた。送り主は、フリントさん。
前に、初心者向けのダンジョンや最近増えたダンジョンを調べてもらえるよう頼んだんだった。その報告かな。
ゲーム内に届いたメール内容も、ゲームからログアウトしてもチェックできるから便利だよね。
『サランさんへ。僕なりに始まりの街付近のダンジョンについて調べてみました。お時間あります時に、またゲーム内で待ち合わせできますでしょうか』
私は、早速フリントさんに連絡を取る。
『フリントさんへ。迅速な対応、ありがとうございます。助かります。ダンジョン攻略に同行してもらう予定の他のメンバーにも確認しまして、全員の都合を合わせて集合して攻略ダンジョンも決めていきたいと思うのですが、よろしいでしょうか』
具体的には、フリントさん、シュウさん、フジヤさん。そして私。この4人の都合が合う時ってことになるけれど。私がそう返信すると、すぐにフリントさんからも連絡が返ってくる。
『僕は、毎日22時以降であれば大丈夫です。他のメンバーの都合に合わせて設定頂ければと思います。よろしくお願いします』
私はそのメールを確認すると、次のメール作成に取り掛かる。宛先は、フジヤさんとシュウさん。普通のメールと同じく一斉送信ができるから、BCCで送信。
内容として、初心者向けのダンジョンを探してくれていた知人がだいたいの情報をまとめてくれているということ、ダンジョン攻略に向けて意見交換などの場にしたいので、一度集まりたいこと、そのための日時を設定したいことを書いた。
シュウさんとフジヤさんからは、すぐに返信がきた。どちらも明日もゲームにはログインする予定のようだ。ついでに、フジヤさんは明後日が休みのようで遅くても構わないと書いてあった。
シュウさんに関しても、どうせログインはするから、何時でも構わないとのこと。あとは、私の時間帯か。仕事が終わって寝る準備を整えてからの方が助かるな。
今度は3人にまとめて、明日の24時にカンナさんのお店に集合するよう伝えた。みんな、一度はカンナさんのお店に来たことがあるから、場所としては一番分かりやすいだろうし。まあ、考えるのが面倒なんだろと言われたら、それまでなんだけどね。
ほんと、楽しくなってきた。今まである意味で社会人になってからは、生きるしかばねみたいな感じで生きてきた。でも、最近は違う。
ゲーム内に居場所ができたって感じ。本当に、ゲームが抽選で当たってくれて、そして過去の私がゲームの抽選に応募してくれて、感謝感激雨あられ。あたしはベッドにダイブして抱き枕を思いっきり抱きしめた。
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アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
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