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自分探しの旅その2(やりたいこと探し)
強力な助っ人
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(読者のみなさまへお知らせ)
8月6日21時10分から8月7日3時半まで上がっておりました最新話が、過去投稿しました話になっておりました。3時半以降に修正しておりますので、該当時間帯に上がっておりました最新話をご覧いただいておりました
読者の方は、一つ前のお話からご確認お願いいたします。ご迷惑をおかけし申し訳ないです。
――(以下、物語本文)――
私は走った。これは追いつかれるとまずいって、本能が叫んでる。私は野原を駆け降りる。けれど、どうやらこのエリア、結構狭いマップだったみたいで。
私はすぐにエリアの端っこに到達してしまう。迫ってきた相手をうまく避けて、また私は反対側へと逃げ始める。
走ってる私のメニュー画面の端に、新着メールを告げるポップアップ画面が立ち上がった。
うわ、こんなときに確認できないよ! 私はそう思ったけれど、差出人を見て、読まないといけない気がした。
メールを開封し、内容を確認しながら走り続ける。内容を読み終わったあと、私はゆっくりと速度を落とした。
それを確認して相手もまた、速度を落として私の背中に声をかけてくる。
「もうあきらめたのかい。それも大事なことだね」
私は完全に立ち止まると、相手の方を振り返った。鬼ごっこを続けようと思えばいつまででも続けられると思う。でも、それでは根本的な解決にはならない。
「あきらめたというよりは、話し合いでも始めようかと思いまして」
私はそう言うと、男性の方をしっかりと見据えた。
「話し合いも何も、状況はこっちの方が上なんじゃないかな。君はぼくの許可なしにこのエリアから脱出することはできない」
「つまり、このエリアはあなたが独自に借り切ってるとか、そういう類のものなんですね」
「そう考えてもらって構わない。ぼくの能力はすごいからね」
私は、ふっと笑って言った。
「でしたら、あなたを倒せば、このエリアから脱出できるってことですよね?」
「そりゃあ、そういうことになるね。でも、君に戦闘能力がないことは確認済みだ。ぼくに勝つことは、絶対にありえない」
私はその言葉を聞いて、思わず笑いがこぼれる。
「何がおかしい」
「あ、すみません。確かに、私は戦闘能力はないです」
私がそう答えた瞬間、私と男性の間の地面に一本の矢がつきささる。そのとたん、男性の動きが止まり、彼の額から冷や汗が流れ落ちるのが分かった。
「お前、何を……」
「私、一人で来たとは一言も言ってませんよね」
私が言うと、男性はたじろぐ。強力な助っ人は、このエリアに唯一存在する建物の屋上にいる。彼は、私が送った転送メールにより私と同じくここへ召喚された。
そして彼は男性に悟られないよう建物へ侵入すると、攻撃チャンスを狙っていてくれたんだ。私にさっき届いたメール。あれは、シュウさんからだった。
『そちらと、男性の二名を視認した。すまないが、こちらのジョブはアーチャーなんだ。向こうの動きをできるだけ抑える立ち回りはできるだろうか』
私はそれを確認して、走るのを辞めたんだ。シュウさんが男性を狙いやすいように。
「……アーチャーか」
男性が舌を鳴らす。私たちの、戦いが始まった。
8月6日21時10分から8月7日3時半まで上がっておりました最新話が、過去投稿しました話になっておりました。3時半以降に修正しておりますので、該当時間帯に上がっておりました最新話をご覧いただいておりました
読者の方は、一つ前のお話からご確認お願いいたします。ご迷惑をおかけし申し訳ないです。
――(以下、物語本文)――
私は走った。これは追いつかれるとまずいって、本能が叫んでる。私は野原を駆け降りる。けれど、どうやらこのエリア、結構狭いマップだったみたいで。
私はすぐにエリアの端っこに到達してしまう。迫ってきた相手をうまく避けて、また私は反対側へと逃げ始める。
走ってる私のメニュー画面の端に、新着メールを告げるポップアップ画面が立ち上がった。
うわ、こんなときに確認できないよ! 私はそう思ったけれど、差出人を見て、読まないといけない気がした。
メールを開封し、内容を確認しながら走り続ける。内容を読み終わったあと、私はゆっくりと速度を落とした。
それを確認して相手もまた、速度を落として私の背中に声をかけてくる。
「もうあきらめたのかい。それも大事なことだね」
私は完全に立ち止まると、相手の方を振り返った。鬼ごっこを続けようと思えばいつまででも続けられると思う。でも、それでは根本的な解決にはならない。
「あきらめたというよりは、話し合いでも始めようかと思いまして」
私はそう言うと、男性の方をしっかりと見据えた。
「話し合いも何も、状況はこっちの方が上なんじゃないかな。君はぼくの許可なしにこのエリアから脱出することはできない」
「つまり、このエリアはあなたが独自に借り切ってるとか、そういう類のものなんですね」
「そう考えてもらって構わない。ぼくの能力はすごいからね」
私は、ふっと笑って言った。
「でしたら、あなたを倒せば、このエリアから脱出できるってことですよね?」
「そりゃあ、そういうことになるね。でも、君に戦闘能力がないことは確認済みだ。ぼくに勝つことは、絶対にありえない」
私はその言葉を聞いて、思わず笑いがこぼれる。
「何がおかしい」
「あ、すみません。確かに、私は戦闘能力はないです」
私がそう答えた瞬間、私と男性の間の地面に一本の矢がつきささる。そのとたん、男性の動きが止まり、彼の額から冷や汗が流れ落ちるのが分かった。
「お前、何を……」
「私、一人で来たとは一言も言ってませんよね」
私が言うと、男性はたじろぐ。強力な助っ人は、このエリアに唯一存在する建物の屋上にいる。彼は、私が送った転送メールにより私と同じくここへ召喚された。
そして彼は男性に悟られないよう建物へ侵入すると、攻撃チャンスを狙っていてくれたんだ。私にさっき届いたメール。あれは、シュウさんからだった。
『そちらと、男性の二名を視認した。すまないが、こちらのジョブはアーチャーなんだ。向こうの動きをできるだけ抑える立ち回りはできるだろうか』
私はそれを確認して、走るのを辞めたんだ。シュウさんが男性を狙いやすいように。
「……アーチャーか」
男性が舌を鳴らす。私たちの、戦いが始まった。
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