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自分探しの旅その1
今回の収穫
しおりを挟むそれから私は、クエスト受注所から引き受けたクエストやデイリークエストの達成のために必要な素材を回収した。素材の場所は、シュウさんが記憶してくれていたので効率よく回れた。
お昼ぐらいの時間になった時、シュウさんが言った。
「収穫はあったか」
「もちろんです」
今回の小さな冒険。これだけでたくさんの素材に出会って、色々なアイテムのアイデアを思いつくことができた。やっぱり、旅や冒険は大事だ。
「そろそろ街に戻って、アイデアを形にする準備にかかりたいんじゃないか」
シュウさんに言われて、私は大きく頷く。平原もだいたい歩きつくした感じがしたけど、今日はダンジョン攻略とかはしない予定だからそろそろ街に戻ってもいいかなと思っていたところだったんだ。
「そうですね。今日使えるスキルはあと1回ですけど、明日作るアイテムの候補などを考えておきたいと思っていたところです」
それに、アイデアを考えるのであれば街の中の方がいい。シュウさんがいるとはいえ、アイデアの案を練っている最中にモンスターに襲われてたら、せっかく思いついたアイデアを忘れてしまう。思いついたアイデアを忘れてしまったときほど、辛いことはない。
しかも、忘れてしまった内容がどうであれ、そのアイデアがきっとすごい名案で逃してしまったことを後々すごく後悔するから、もっと悲しい。
そんなわけで、私とシュウさんは街の中へと戻ったのだった。クエスト受注所でクエストの達成報告をして報酬をもらってカンナさんのお店へと戻った。
カンナさんのお店の奥のテーブルで、私は黙々と手帳にアイデアを書き綴っていく。ついでに、持って帰ってきた素材の確認。あとは、今日思いついたバクダン関連のこと。
バクハツの実で作れそうなバクダンの派生作品。これを作っていくのに毎回平原に出るのは骨が折れる。なにしろ、私はソロでモンスターを倒せるだけの力を現状持っていない。つまりは、誰か仲間の力を毎回借りる必要性が出てくる。それは、私としては嬉しくない。
だとすると、バクハツの実が街の中のお店で安く仕入れられないか調べる必要がある。もし安くで仕入れられるなら、それを加工してバクダンを作ればいい。そうすればお店に並べるバクダンの値段も抑えられて、売れ行きもきっといい感じになると思う。でも、安くで手に入らなければ当たり前だけどお店に並べるバクダンの値段も上がる。そうなると、売れ行きも下がると思う。これは、よろしくない。
そうなれば、次にやるべきは街の探索をかねて、道具屋巡りだね。
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