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ギルド招集
シュウさんとの待ち合わせ
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ああ、仕事行きたくないよ。今、何連勤目だったっけ。窓から差し込む朝日を見て、私は絶望のため息を1つ。
でも、今日が終わればたしか、1日休みがあったのではないか。私は、自分の部屋の壁に貼っているカレンダーを見る。
出勤日にはバツ印、休みの日にはマル印をつけてある。そもそも今日って、何月何日何曜日だっけか。
毎日のように出勤して、毎日同じ業務を繰り返していると、日付感覚がなくなるのはよくあることだよね。だって基本的に同じことの繰り返しなんだもん。
私は仕方なく仕事へ行く準備を始める。明日の休みは何しようかと考えながら。なんだかんだで休みの日は、寝て過ごすことが多くなっていたし、久々に外にショッピングに出るのもいいかもしれない。
休日を寝て過ごすのがもったいないとは思いつつも、結局体力回復に時間をかけたくて、起きたら昼間、運が悪ければ夕方ということも少なくない。
そうなってから後悔するんだけど、でも次の休みには同じことをやらかしてしまう、それが私。
ああ、そんなことを考えている暇なんてない。最低限の準備をできる時間しか、用意してない。早めに起きすぎると仕事行きたくない病が始まってしまうから。
出勤準備が間に合って出勤できるギリギリの時間に目覚まし時計をセットしているから、急がないと。
私は慌てて出勤準備を整えると、急いで家を出た。
自分の車に乗り込みながら、ふと思う。ああ、せめて満員電車に揺られて向かう仕事でなくてよかったと思うべきだろうか、と。
都心に遊びに出て帰る時、満員電車に乗り込むことがあるけれど、あれは私にとってはなかなかキツいものがある。毎日あの満員電車に揺られて仕事に行く人たちは、それだけで私の中では尊敬する存在だ。
車のエンジンをかけて、出勤。さあ、今日も給料分は仕事をするぞ……。
――
仕事終わりに、私は仕事の鞄を放り出して、テーブルの上にヘッドセットを準備する。時刻は、23時前。ゲームにログインする前に先に寝る準備を済ませてしまう。
それからゲームにログインする。さあ、今日はシュウさんと会う日だ。そういえば、シュウさんとまともに顔を合わせたことって、ないよね。前にカフェで一度ちらっと顔を見たことはあるけど、ちゃんと顔を見てお話をしたことはないよね。少しだけ、緊張する。
ゲームにログインしてから、私はカンナさんに声をかけた。
「あのう、カンナさん。今から、知人が会いに来ますのでもしかしたら、お店に出られないかもしれません」
そう言うと、カンナさんは豪快に笑った。
「構わないよ。アンタの知り合いなら大歓迎さ。相手さえよければ、中に入ってもらいなよ。お茶くらい出してやるからさ」
ああ、カンナさん優しい。私の仕事の上司がみんな、カンナさんみたいな人ならいいのにな。
私はそんなことを考えながら、カンナさんにお礼を言う。そして、シュウさんにメールを出した。
『お疲れ様です。今、ログインしました。いつでも大丈夫です。必要ならこちらから出向きますが、どういたしましょう』
すると、返事がすぐ返ってくる。
『こちらも今からログインしてそちらに向かう。そこで待っていてくれ。ありがとう』
うん、じゃあここで待っていればいいね。私はお店の入り口に座って待つ。すると、すぐに以前カフェで出会った男性がゆったりとした足取りで歩いてくるのが見えた。なんだか、立ち居振る舞いがすごく綺麗だ。何がと言われたら困るんだけど、なんだか、こっちまで背筋が伸びちゃうような、そんな感じ。
男の人は私の前で立ち止まると、静かな声で私に問いかけた。
「……すまない、キミがサランさんで間違いないだろうか」
でも、今日が終わればたしか、1日休みがあったのではないか。私は、自分の部屋の壁に貼っているカレンダーを見る。
出勤日にはバツ印、休みの日にはマル印をつけてある。そもそも今日って、何月何日何曜日だっけか。
毎日のように出勤して、毎日同じ業務を繰り返していると、日付感覚がなくなるのはよくあることだよね。だって基本的に同じことの繰り返しなんだもん。
私は仕方なく仕事へ行く準備を始める。明日の休みは何しようかと考えながら。なんだかんだで休みの日は、寝て過ごすことが多くなっていたし、久々に外にショッピングに出るのもいいかもしれない。
休日を寝て過ごすのがもったいないとは思いつつも、結局体力回復に時間をかけたくて、起きたら昼間、運が悪ければ夕方ということも少なくない。
そうなってから後悔するんだけど、でも次の休みには同じことをやらかしてしまう、それが私。
ああ、そんなことを考えている暇なんてない。最低限の準備をできる時間しか、用意してない。早めに起きすぎると仕事行きたくない病が始まってしまうから。
出勤準備が間に合って出勤できるギリギリの時間に目覚まし時計をセットしているから、急がないと。
私は慌てて出勤準備を整えると、急いで家を出た。
自分の車に乗り込みながら、ふと思う。ああ、せめて満員電車に揺られて向かう仕事でなくてよかったと思うべきだろうか、と。
都心に遊びに出て帰る時、満員電車に乗り込むことがあるけれど、あれは私にとってはなかなかキツいものがある。毎日あの満員電車に揺られて仕事に行く人たちは、それだけで私の中では尊敬する存在だ。
車のエンジンをかけて、出勤。さあ、今日も給料分は仕事をするぞ……。
――
仕事終わりに、私は仕事の鞄を放り出して、テーブルの上にヘッドセットを準備する。時刻は、23時前。ゲームにログインする前に先に寝る準備を済ませてしまう。
それからゲームにログインする。さあ、今日はシュウさんと会う日だ。そういえば、シュウさんとまともに顔を合わせたことって、ないよね。前にカフェで一度ちらっと顔を見たことはあるけど、ちゃんと顔を見てお話をしたことはないよね。少しだけ、緊張する。
ゲームにログインしてから、私はカンナさんに声をかけた。
「あのう、カンナさん。今から、知人が会いに来ますのでもしかしたら、お店に出られないかもしれません」
そう言うと、カンナさんは豪快に笑った。
「構わないよ。アンタの知り合いなら大歓迎さ。相手さえよければ、中に入ってもらいなよ。お茶くらい出してやるからさ」
ああ、カンナさん優しい。私の仕事の上司がみんな、カンナさんみたいな人ならいいのにな。
私はそんなことを考えながら、カンナさんにお礼を言う。そして、シュウさんにメールを出した。
『お疲れ様です。今、ログインしました。いつでも大丈夫です。必要ならこちらから出向きますが、どういたしましょう』
すると、返事がすぐ返ってくる。
『こちらも今からログインしてそちらに向かう。そこで待っていてくれ。ありがとう』
うん、じゃあここで待っていればいいね。私はお店の入り口に座って待つ。すると、すぐに以前カフェで出会った男性がゆったりとした足取りで歩いてくるのが見えた。なんだか、立ち居振る舞いがすごく綺麗だ。何がと言われたら困るんだけど、なんだか、こっちまで背筋が伸びちゃうような、そんな感じ。
男の人は私の前で立ち止まると、静かな声で私に問いかけた。
「……すまない、キミがサランさんで間違いないだろうか」
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