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犯人捜し
騙された時用のアイテムを作ろう
しおりを挟むさて材料も集まったことだし、早速作ってみようかな。こんなことなら、最初からちゃんとアイテムを用意しておくべきだったね。
相手に盗ませることで、こちらにメリットがあるアイテムを作る。1日3回しかスキルは使えないから、剣と盾と防具にスキル付与。だから、今日はこの詐欺師釣り用のアイテムしかスキルが付与できない。何かほかにスキルを使いたい場面が出てきても、スキル付与は明日以降しか使えなくなるね。仕方ない。
まずは木の剣。これは、何にしようかな。売ったら売られたお店が分かるとか、どうだろう。あ、思いついた。
「言霊・物語付与のスキルを使用。『木の剣』を『木の剣(呪)』へ変更。効果として、このアイテムを売ったら、売った場所を作り手に知らせ、次の日にはまた売った相手の元へ戻る。この効果は、作り手が許可するまで続く」
木の剣が変化し、木の剣(呪)になった。なかなか怖い。ストーカー仕様。だから、ちゃんと解除できる方法も作っておいた。こういうのって、悪用されたら大変だからね。この件が解決したら、普通の木の剣に戻ってもらわないと。
次に、木の盾。これは前に、一度だけ全ての攻撃を防ぐアイテムに変えたことがあったけど、今回はそんないいアイテムにする必要ないよね。
「言霊・物語付与のスキルを使用。『木の盾』を『木の盾(呪)』に変更。ステータス画面では、高レア度、防御力が高いようにみせかけて、実は装備した人の攻撃力と防御力、そして武器防具を全部回収してしまう。作り手が許可したら、回収したものを作り手が回収でき、また指示を出せばこの効果は消える」
考えるだけで恐ろしい盾が完成した。この盾、きっと悪魔が住んでるんだよ。私は身震いしながら、次のアイテム作成にとりかかる。
「言霊・物語付与のスキルを使用。『布でできた服』を『布でできた服(呪)』へ変更。この装備は、自分が望む姿かたちになれるという説明文がついていて、着たものから離れない。また、作り手には、その人が今どこにいるかが分かる。勝手に分裂し、装備者は仲間にこの服の着用を薦めて配り始めるようになる。作り手の指示で、効果を無効にすることが可能」
我ながら、おそろしいアイテム3種類の完成だ。これ、本当にこの1件が終わったら処分しないと。私は苦笑いしいながら、今作ったアイテムを装備する。重ね着装備の銀装備があるから、本当の防御力は、ガチ勢のゲーマー並みにあるけどね。見た目は完全に、初心者プレイヤーの完成だ。
よーし、こいこい。詐欺師さん、こっちは準備万端だよっ!
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