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犯人捜し
騙された時用のアイテムの材料
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騙されたフリをして渡すアイテムやら防具。あ、あと持ち金を避難をさせておこう。私はセナさんみたいに現実世界のお金をこの世界の通貨に変換はしてないから、あくまでこちらで手に入れたお金しかない。
だから、そんな大した金額は貯まってないけど、一応文無しになるのは困る。となると。私は、ペアリング相手との共有アイテム収納部屋に、自分の有り金とアイテムを詰め込む。この収納部屋に入れておけば、アイテムを引き出すのは私とシュウさんしか、できない。
あ、この夢幻手帳と夢幻羽ペン、トランクも収納しとかないと。今このゲームの中で一番私にとって大事なものは、羽ペンと手帳、トランクとお金だもん。
すると、シュウさんからチャットが飛んでくる。
『まさかとは思うが、ワザと騙されて尻尾を掴もうとしてるんじゃないだろうな』
げ、さすがシュウさん。すぐ私の行動に気づいたみたい。
『とりあえず、盗まれたらまずいものだけ、こちらに避難させてください』
シュウさんにアイテムとられるのは構わないけど、見ず知らずの、しかも恩もない人にこんな大事なアイテムを盗まれたら、凹むもん。
『別にここへ収納するのは構わないが。……何か手伝えることはあるか』
そう言われて、私は1つお願いしたいことがあることに気づく。でも、これを頼んでも、いいのかな。あくまでシュウさんはこのゲームで知り合ったばかりの人だし、迷惑なんじゃ……。
私が悩んでいると、シュウさんからまたチャットメッセージが飛んでくる。
『もちろん、詐欺師らしき人間が接近してきたら知らせろ。別に、勘違いだったとしても構わない。何かあってからでは、俺の夢見が悪くなる』
あ、先手を打たれた。私が頼むかどうか悩んでいたのは、『万が一詐欺師らしき人が私に接触してきた場合、何かあった時のために近くに待機してほしい』ってこと。
しかも、勘違いだったとしても構わない、という文言までつけてくれてる。理由が『何かあったら夢見が悪くなるから』。
こう言ってくれると、すごく安心する。あ、この人に頼っていいんだなって感じられる。
『すみません。その時はよろしくお願いします』
私がそう返信すると、シュウさんからアイテムが届く。武器と防具だ。
『初期にもらえる武器と防具だ。初期装備だから盗まれても問題ない代物だから役立ててくれ。どうせ、スキルを使ってアイテムに細工をするつもりなんだろう?』
ああ、至れり尽くせりって、こういうことを言うんだなぁ。私は、一人で頷く。そして、シュウさんには何でもお見通しなんだな。
『ありがとうございます。お礼は何か考えておきますね』
私はそうメッセージを送ると、早速防具と武器を見る。他のRPGでよく見る装備。武器が木の剣で、防具が布でできた服。
さらに、別のアイテムがシュウさんから届く。こっちは、銀の盾に銀の剣、銀の胸当てに足装備。いわゆる、銀装備ってやつかな。
『それは、重ね着対応装備だ。それを装備したうえで、見た目装備として別の装備を設定できる。パラメーターは、銀装備の内容が反映されるから、何かあった時の保険で身に着けておくといい』
ほうほう。これをそのまま着てると高レベルプレイヤーまたはそういったバックグラウンドのある人間だとバレるから、見た目装備は今のままで、中にこれを着こむイメージだね。
私は、装備メニューを開くと、銀装備を身に着ける。すると、ダイアログボックスが表示される。
『この装備は、重ね着対応装備です。見た目装備を重ね着しますか』
私は、はいのボタンに指を合わせ、今の見た目装備を重ねる。これでよしっと。そこまでしてから、私は、はっとなる。銀装備って、結構な値段するだろうし、高レア装備なんじゃないの。
『こんな高価な装備、頂いてしまって申し訳ないです。またスキル付与してほしいアイテムあったら、いつでも言ってくださいね』
とりあえず、お礼だけ言って、私は詐欺師さんを騙すためのアイテム作りに取り掛かる。使うのは、もちろんシュウさんからもらった初期装備。はりきって頑張るぞー。
だから、そんな大した金額は貯まってないけど、一応文無しになるのは困る。となると。私は、ペアリング相手との共有アイテム収納部屋に、自分の有り金とアイテムを詰め込む。この収納部屋に入れておけば、アイテムを引き出すのは私とシュウさんしか、できない。
あ、この夢幻手帳と夢幻羽ペン、トランクも収納しとかないと。今このゲームの中で一番私にとって大事なものは、羽ペンと手帳、トランクとお金だもん。
すると、シュウさんからチャットが飛んでくる。
『まさかとは思うが、ワザと騙されて尻尾を掴もうとしてるんじゃないだろうな』
げ、さすがシュウさん。すぐ私の行動に気づいたみたい。
『とりあえず、盗まれたらまずいものだけ、こちらに避難させてください』
シュウさんにアイテムとられるのは構わないけど、見ず知らずの、しかも恩もない人にこんな大事なアイテムを盗まれたら、凹むもん。
『別にここへ収納するのは構わないが。……何か手伝えることはあるか』
そう言われて、私は1つお願いしたいことがあることに気づく。でも、これを頼んでも、いいのかな。あくまでシュウさんはこのゲームで知り合ったばかりの人だし、迷惑なんじゃ……。
私が悩んでいると、シュウさんからまたチャットメッセージが飛んでくる。
『もちろん、詐欺師らしき人間が接近してきたら知らせろ。別に、勘違いだったとしても構わない。何かあってからでは、俺の夢見が悪くなる』
あ、先手を打たれた。私が頼むかどうか悩んでいたのは、『万が一詐欺師らしき人が私に接触してきた場合、何かあった時のために近くに待機してほしい』ってこと。
しかも、勘違いだったとしても構わない、という文言までつけてくれてる。理由が『何かあったら夢見が悪くなるから』。
こう言ってくれると、すごく安心する。あ、この人に頼っていいんだなって感じられる。
『すみません。その時はよろしくお願いします』
私がそう返信すると、シュウさんからアイテムが届く。武器と防具だ。
『初期にもらえる武器と防具だ。初期装備だから盗まれても問題ない代物だから役立ててくれ。どうせ、スキルを使ってアイテムに細工をするつもりなんだろう?』
ああ、至れり尽くせりって、こういうことを言うんだなぁ。私は、一人で頷く。そして、シュウさんには何でもお見通しなんだな。
『ありがとうございます。お礼は何か考えておきますね』
私はそうメッセージを送ると、早速防具と武器を見る。他のRPGでよく見る装備。武器が木の剣で、防具が布でできた服。
さらに、別のアイテムがシュウさんから届く。こっちは、銀の盾に銀の剣、銀の胸当てに足装備。いわゆる、銀装備ってやつかな。
『それは、重ね着対応装備だ。それを装備したうえで、見た目装備として別の装備を設定できる。パラメーターは、銀装備の内容が反映されるから、何かあった時の保険で身に着けておくといい』
ほうほう。これをそのまま着てると高レベルプレイヤーまたはそういったバックグラウンドのある人間だとバレるから、見た目装備は今のままで、中にこれを着こむイメージだね。
私は、装備メニューを開くと、銀装備を身に着ける。すると、ダイアログボックスが表示される。
『この装備は、重ね着対応装備です。見た目装備を重ね着しますか』
私は、はいのボタンに指を合わせ、今の見た目装備を重ねる。これでよしっと。そこまでしてから、私は、はっとなる。銀装備って、結構な値段するだろうし、高レア装備なんじゃないの。
『こんな高価な装備、頂いてしまって申し訳ないです。またスキル付与してほしいアイテムあったら、いつでも言ってくださいね』
とりあえず、お礼だけ言って、私は詐欺師さんを騙すためのアイテム作りに取り掛かる。使うのは、もちろんシュウさんからもらった初期装備。はりきって頑張るぞー。
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