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15.魔の目覚め/死の律動
三百四話 骨・骨・霊・骨・骨?
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304話 ギミックも過ぎれば嫌になる
視線の先には散らばっていた骨片が潰されて粉々になっており、さっき落とされた
骨片は轢かれても砕けず2つに割れていた、どれも同じ骨片だと思っていたが耐久性
が違うと言う事は別物なのか?見た目は同じでも落とす魔物のランク次第で質が違
うと考えるべきか、まぁかと言って別に質が良い訳じゃ無いしこの骨片程度なら特
に使い道が無さそうだし、思いつかなくて回収する気も無かったからいいんだが・・・
出てくる魔物のランクやレベルが低いようだから、恐らく最下位クラスの物しか落
とさないのだと思われる、ダンジョン自体もギミック型で魔物が弱いなんて事も珍
しくないようだし、そもそもスケルトンが落とすとなると基本あんな骨片で良くて
骨1本って所か?もっとランクが高いスケルトンなら違うのを落とすのだろうが・・・
とは言え骨を回収してどうするかと言えば、手作りの雑な防具にするしかないのに
扱いにくいから必要性は低い、必要性が高いのは扱いやすくそれだけで機能する皮
の方だ・・・このダンジョンで出てくる皮となるとアンデッド種が居るならその皮か?
思考も一段落したし他の罠が起動する様子もないし進むとしよう、勝手に起動する
条件の判らない罠に気を付け、直ぐに対処出来るように警戒して一直線に走り出す
これなら罠が起動しても大体は回避出来るだろうからだ、広範囲の物はどうしよう
もないが・・・走り抜けた側面の通路から僅かに間を置いてシュボっと音を発てて槍
らしき棒状の物が飛んで過ぎ去っていった、そこから止まらず走り続けて左右への
道が続く行き止まりで一旦停止し振り向く、床から先端が尖った檻の様な格子壁が
突き出てきたり、天井から大きな刃が落ちてきたり、側面通路から矢が飛んで来た
り炎を噴き出して来たりと罠の種類が豊富だ・・・ただ落とし穴系の罠は無かったのを
考えると下にも階層があるのだろうか?それとも階層で罠の種類が違うとかかな?
左右の道はこの正面の道の奥へ続くように曲がっている、どっちも繋がっていそう
だし取り敢えず右を行く事にした、4~5M程の曲がり道を進めば目の前に反対側の
道が見えた、やはり繋がっていたようだ・・・そして右を向けば同じ地下墓地の様では
あるもののこっちは床から壁に天井と全面灰色がかった白い石で綺麗に整えられて
いる、見た目的には石造りの教会の様になっている・・・装飾やそれっぽい物等は無い
が言ってみれば教会の地下墓地だろうか?壁の3段ある石棚にはきっちりと石の棺が
並べられているし棺には白い布が掛けられている・・・これが教会式なのかは知らない
が埋葬の準備中みたいなイメージなのだろうか?しかしここが最奥っぽい感じなの
にこのダンジョンの主とされる魔物が居ない、まだ奥があるとでもいうのか?だが
ここから先へと続く道は無いし階段も見当たらない、戻る道はあるが・・・まさかまた
ギミックなのか?道を隠してあるから自力で見つけろと?それとも棺のどれかを動
かせば転移するからそれで移動しろと言う事か?そうなるとどれかが当たりどれか
は外れなんて事もある・・・とは言えこの階層?には帰り道が無い以上進まなければ
戻れないし外にも出れない、流石に壁や床を壊して進めるようなダンジョンじゃな
いしギミックが多すぎて破壊がトリガーになっている罠がどこかに仕込まれている
可能性も高い・・・あらためてなんて面倒なダンジョンなんだ、とため息と共にこの
ダンジョンの煩わしく思う嘆きを吐き出し思考を切り替える、こんな情報は情報誌
には記載されていなかった、罠の事は書かれていたが転移らしきギミックに関して
は無かった筈だ、発見されなかったのか意図的に書かなかったのか・・・いやそれは
無いか、発見されているなら情報を共有している・・・となると発見者が居ない事に
なるがそんな事はあるまい、なら発見者が帰還出来なかったと言う事になるが・・・
今思えば人気も無いダンジョンだが情報すらも少なかったな、ふむ?何か近付いて
来ている?魔物の気配は今まで無かったがここで出てくるか?方向は・・・正面中央
の壁だ、距離を取って見ているとその壁から霊体が歩いて出て来た
「ゲナック・パーレイシ」
人名か?右手に片手鎚左手には小盾を持っている、となると死んだ冒険者の霊だろ
うか、しかし目は白目で口は半開きになり体の力が抜けた様に肩が下がって膝も曲
がり首は傾いている・・・あの姿からすると自我の無い亡霊になっているのか、死んで
からそこまで時間が経っている訳でもないだろうが、ダンジョンの影響なのか生前
か死後に精神が崩壊したか辺りが理由だと思われる、それに既にこちらを認識して
いるだろうに襲ってくる様子が無い、霊体ではあるが魔物化しているし物質に影響
を与えられるはずだが・・・もしかしてこの階層のスケルトンを倒していたのは彼か?
打撃武器はスケルトン系に有効だし、自分を殺したスケルトンに報復しているとか
そう言った線はありそうだ、敵対しなさそうだし軽い警戒をする位にして壁を調べ
るとしよう・・・ふむ、触った感じただの石の壁だし他の壁と変わった様子は無いが
叩いてみると音が軽かった、と言う事はこの奥が空洞になっている訳だ、壁をどう
にか動かすような仕掛けは見当たら無い、この部屋の何処かにはあるかもしれない
が罠もあったら面倒なので探すのは止めておく、壁を強めに叩いてみると思ったよ
り脆そうで何度か叩いていると穴が開いた、その穴の周りを剥ぎ取って広げると壁
が崩れて道見えた、隠し通路を意識したのだろう石造りの少し細い道になっている
通路の先には光が見える・・・罠に気を付けながら進んだが何事も無く20M程進んだ
ところで部屋に出た、どうやらここは2階の様で外壁に沿う様にある通路の手すり
から内部を覗くと、天井から太陽光の様な光が差しこみ中央付近が照らされている
成程そう言う事か・・・帰還者が少なければ情報も少ないのは当たり前だな、そこに
は冒険者達の姿らしき武器や防具を身に着けた亡骸が転がっている、彼らはここで
死んだのかそれともダンジョン内で死亡したのを集められただけなのかは知らない
が、ここがダンジョンの主の部屋ってところか?それにしても脱出口はどこに有る
んだ?ここも実質行き止まりとなっている、奥に通路は無さそうだし2階にも通路
はここにしかない、反対側は見えにくいが僅かに見える分には壁しかない
視線の先には散らばっていた骨片が潰されて粉々になっており、さっき落とされた
骨片は轢かれても砕けず2つに割れていた、どれも同じ骨片だと思っていたが耐久性
が違うと言う事は別物なのか?見た目は同じでも落とす魔物のランク次第で質が違
うと考えるべきか、まぁかと言って別に質が良い訳じゃ無いしこの骨片程度なら特
に使い道が無さそうだし、思いつかなくて回収する気も無かったからいいんだが・・・
出てくる魔物のランクやレベルが低いようだから、恐らく最下位クラスの物しか落
とさないのだと思われる、ダンジョン自体もギミック型で魔物が弱いなんて事も珍
しくないようだし、そもそもスケルトンが落とすとなると基本あんな骨片で良くて
骨1本って所か?もっとランクが高いスケルトンなら違うのを落とすのだろうが・・・
とは言え骨を回収してどうするかと言えば、手作りの雑な防具にするしかないのに
扱いにくいから必要性は低い、必要性が高いのは扱いやすくそれだけで機能する皮
の方だ・・・このダンジョンで出てくる皮となるとアンデッド種が居るならその皮か?
思考も一段落したし他の罠が起動する様子もないし進むとしよう、勝手に起動する
条件の判らない罠に気を付け、直ぐに対処出来るように警戒して一直線に走り出す
これなら罠が起動しても大体は回避出来るだろうからだ、広範囲の物はどうしよう
もないが・・・走り抜けた側面の通路から僅かに間を置いてシュボっと音を発てて槍
らしき棒状の物が飛んで過ぎ去っていった、そこから止まらず走り続けて左右への
道が続く行き止まりで一旦停止し振り向く、床から先端が尖った檻の様な格子壁が
突き出てきたり、天井から大きな刃が落ちてきたり、側面通路から矢が飛んで来た
り炎を噴き出して来たりと罠の種類が豊富だ・・・ただ落とし穴系の罠は無かったのを
考えると下にも階層があるのだろうか?それとも階層で罠の種類が違うとかかな?
左右の道はこの正面の道の奥へ続くように曲がっている、どっちも繋がっていそう
だし取り敢えず右を行く事にした、4~5M程の曲がり道を進めば目の前に反対側の
道が見えた、やはり繋がっていたようだ・・・そして右を向けば同じ地下墓地の様では
あるもののこっちは床から壁に天井と全面灰色がかった白い石で綺麗に整えられて
いる、見た目的には石造りの教会の様になっている・・・装飾やそれっぽい物等は無い
が言ってみれば教会の地下墓地だろうか?壁の3段ある石棚にはきっちりと石の棺が
並べられているし棺には白い布が掛けられている・・・これが教会式なのかは知らない
が埋葬の準備中みたいなイメージなのだろうか?しかしここが最奥っぽい感じなの
にこのダンジョンの主とされる魔物が居ない、まだ奥があるとでもいうのか?だが
ここから先へと続く道は無いし階段も見当たらない、戻る道はあるが・・・まさかまた
ギミックなのか?道を隠してあるから自力で見つけろと?それとも棺のどれかを動
かせば転移するからそれで移動しろと言う事か?そうなるとどれかが当たりどれか
は外れなんて事もある・・・とは言えこの階層?には帰り道が無い以上進まなければ
戻れないし外にも出れない、流石に壁や床を壊して進めるようなダンジョンじゃな
いしギミックが多すぎて破壊がトリガーになっている罠がどこかに仕込まれている
可能性も高い・・・あらためてなんて面倒なダンジョンなんだ、とため息と共にこの
ダンジョンの煩わしく思う嘆きを吐き出し思考を切り替える、こんな情報は情報誌
には記載されていなかった、罠の事は書かれていたが転移らしきギミックに関して
は無かった筈だ、発見されなかったのか意図的に書かなかったのか・・・いやそれは
無いか、発見されているなら情報を共有している・・・となると発見者が居ない事に
なるがそんな事はあるまい、なら発見者が帰還出来なかったと言う事になるが・・・
今思えば人気も無いダンジョンだが情報すらも少なかったな、ふむ?何か近付いて
来ている?魔物の気配は今まで無かったがここで出てくるか?方向は・・・正面中央
の壁だ、距離を取って見ているとその壁から霊体が歩いて出て来た
「ゲナック・パーレイシ」
人名か?右手に片手鎚左手には小盾を持っている、となると死んだ冒険者の霊だろ
うか、しかし目は白目で口は半開きになり体の力が抜けた様に肩が下がって膝も曲
がり首は傾いている・・・あの姿からすると自我の無い亡霊になっているのか、死んで
からそこまで時間が経っている訳でもないだろうが、ダンジョンの影響なのか生前
か死後に精神が崩壊したか辺りが理由だと思われる、それに既にこちらを認識して
いるだろうに襲ってくる様子が無い、霊体ではあるが魔物化しているし物質に影響
を与えられるはずだが・・・もしかしてこの階層のスケルトンを倒していたのは彼か?
打撃武器はスケルトン系に有効だし、自分を殺したスケルトンに報復しているとか
そう言った線はありそうだ、敵対しなさそうだし軽い警戒をする位にして壁を調べ
るとしよう・・・ふむ、触った感じただの石の壁だし他の壁と変わった様子は無いが
叩いてみると音が軽かった、と言う事はこの奥が空洞になっている訳だ、壁をどう
にか動かすような仕掛けは見当たら無い、この部屋の何処かにはあるかもしれない
が罠もあったら面倒なので探すのは止めておく、壁を強めに叩いてみると思ったよ
り脆そうで何度か叩いていると穴が開いた、その穴の周りを剥ぎ取って広げると壁
が崩れて道見えた、隠し通路を意識したのだろう石造りの少し細い道になっている
通路の先には光が見える・・・罠に気を付けながら進んだが何事も無く20M程進んだ
ところで部屋に出た、どうやらここは2階の様で外壁に沿う様にある通路の手すり
から内部を覗くと、天井から太陽光の様な光が差しこみ中央付近が照らされている
成程そう言う事か・・・帰還者が少なければ情報も少ないのは当たり前だな、そこに
は冒険者達の姿らしき武器や防具を身に着けた亡骸が転がっている、彼らはここで
死んだのかそれともダンジョン内で死亡したのを集められただけなのかは知らない
が、ここがダンジョンの主の部屋ってところか?それにしても脱出口はどこに有る
んだ?ここも実質行き止まりとなっている、奥に通路は無さそうだし2階にも通路
はここにしかない、反対側は見えにくいが僅かに見える分には壁しかない
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