Re:ゼロ 魔人が行く異世界伝説(伝説では無い)

15．魔の目覚め/死の律動

三百三話 骨・骨・骨？

303話　鳴り響く骨・転がる骨

飛ばされたがダンジョン内であることに変わりは無い筈、それで骨片が散らばって
いると言う事はここで戦闘があったのだろう、恐らくこの骨片はスケルトン種の落
とす物で、まだ残っていると言う事はそこまで時間が経ってないと言う事･･･3日位
だったか？ダンジョン内で魔物が落とした物が消えるまでの期間は、あまり重要そ
うではなかったらそこら辺はあやふやだ、とは言えこういった物が残っていると言
う事は魔物が少ないと思われる、2日経っていたら別だが1日しか経っていないなら
魔物の補充は少なくなっていてもおかしくない、さっきから魔物の姿が見えないの
はそれが理由だろうし･･･そうなるとここら辺に用は無いし他の場所に行った方が
かいいかな、上下の階層があればそっちへ行ってみてもいい、行くとして上がある
なら上か？ここが普通の洞窟型なら下に続くタイプのダンジョンだろうから2人と
合流出来るだろうし、取り敢えず棺のギミックには手を出さず普通に端を目指そう
両脇の通路を確認しながら大通りを進む、やはりと言うべきか魔物の姿は見え無い
1体位は居てもおかしくないだろうに･･･1体も居ないのは逆に不自然だ、このまま
戦闘が1つも無いなんて事は困りものだぞ、対応手段が少ないゴースト種が出て来
られても困るから、出てくる敵の種類が判ら無いまま動き回るなんてしたくは無い
それだけじゃなくまだギミックに他の種類があるかもしれないから、それに警戒し
ながら動かないといけない、さっきのギミックからすると多分このダンジョンの罠
は即死するタイプじゃなくて移動や拘束系だと思われる、罠そのものの殺傷性は殆
ど無いのだが環境や魔物に殺させるタイプのダンジョンだ、毒沼ダンジョンは毒沼
そのものがメインのギミックで、あまり見通しが良くない環境だったのもギミック
の1部としてあったのだろうが、ここは見通しが悪く狭い通路と言うフィールドそ
のものをメインだと思わせ、この移動系のギミックで分断し迷わせ弱った所を刈り
取るのだろう中々厄介なダンジョンだ、それに時折感じるこの感覚･･･生命力が弱
らせられる様な零れていく様な、生者に対してのみ機能する一定時間経過毎に毒の
じわじわ削る様な感覚がやってくる、これで弱らせているのか？とは言えこの程度
なら長時間･･･それも半日は居る位じゃないとそこまで影響は無いだろう、休息が
取れずとも負傷なり疲労なりで回復するだろうから効果は殆ど無いレベル･･･いや
それで迷わしの転移らしきギミックと言う事か、そこまで時間を掛けてようやく
作用するギミックになっているんだな、作動条件は棺への接触では無く押す事だが
戦闘中ならあり得なくはない、武器を振ったり倒れたりで押し込んでしまえば機能
するのだから、細い通路で戦う事になると作動させてしまう可能性は十分ある･･･
そう考えるとかなり厄介だなこのダンジョン･･･あぁ、だから人気が無いんだな
　「コーン、コーン」
声？いや叩いた音か？軽い何かを叩いて鳴らした、骨を床に落として鳴る様な音だ
　「コーン、コ、コーン」
ふむ、落としていると言うより叩いて鳴らしているのか？距離は変わらずだが･･･
これは何処から響いているんだ？まるで全方位から聞こえて来ている様な･･･そう
1方向ではなく前後左右から聞こえて来る、上下から聞こえる感じは無さそうだが
この音に何の意味があるんだ？方向感覚を狂わせるもの･･･にしては基本的に道が
一本道でしかないせいで対した効果は無いだろう、道を進んでも同じ大きさで変わ
らずコーンと断続的に聞こえて来る、もしくは精神的な負担を掛けるための音なの
ではないか？音が聞こえる度に集中力が削がれている気がする、そのせいか意識が
散漫として視線があちこちに向かってしまう、先程から聞こえて来る音もあやふや
になった様な･･･いや揺れていると言うべきか、音の大小や高低と共に音が揺れて
聞こえる、まさか知覚感覚が狂わされた？音が変わっているだけの可能性もあるが
ダンジョンのギミックである以上それだけとは思えない、カランッと音が聞こえた
後ろを振り返ると人型の骨が立っていた、そして目が合った様な気がした途端に右
手に持っていた少し古びて欠けが所々見える剣を振り上げた、マガセビを呼び出そ
うとして失敗そして僅かに左腕に掠った、亜空間倉庫は繋げれたと言うのにそこか
ら取り出す事が出来ない･･･他の武器を探し取り合えず掴んだ物を引っ張り上げて
出せる物を取り出す、そしてそのままの勢いで近くまで来ていたそいつの頭部に向
かって殴りつけ頭蓋骨を砕き吹き飛ばす、掴んでいたのは[ガンズオブパンテーラ]
部屋に置いてきたはずだがどうして亜空間倉庫に？随分久しぶりに見た気がするな
助かりはするがこっちは無限弾じゃないから撃つのは躊躇われる･･･今の所はコレ
で殴りつけるだけで済むから問題無いが、これでは銃としての意味が無い･･･だが
可変機能によって殴れる距離が延びるし、斬撃や射撃に耐性を持っていると思われ
るスケルトン種に対してはナイフよりマシか？まぁ撃ててもこんな場所じゃ跳弾し
まくりそうで、撃つのを躊躇っているのは弾数だけが理由では無い･･･と言う言い訳
と共に取り敢えず間違って撃たない様に弾倉は外しておこう、他者は居ないだろう
が居たら事だからと言う理由も付けて一応な、正直な所自分で受けるだけなら射撃
耐性のためにも悪くは無いと思っているが、それは最低限の外的要因になる危険を
排除出来て相応の安全が確保されてからやるものだからな、命が軽い･･･だめだな
やはり人間達から離れていると基本的な思考や判断基準が魔人寄りになってしまう
今はどうにか取り繕えている･･･気がするだけかもしれないが、それも時間の問題
なのかもしれない、いやこっちの人間には合わさっているのか？異世界人達とは合
う気がしないがこっちなら問題無い気がしてきた、うむ問題は無さそうだ
　　「ギゴォォーー」
何かの叫び声かと顔を上げると車輪が転がって来ていた、それも外面に刃の付いた
骨の車輪だ、高さは3M程だろうか？鑑定しても名前が出て来ないしこれもギミック
なのだろうが･･･随分とギミックの多いダンジョンな事で、いつの間にかもうコーン
と言う音も鳴り止んでいる、脇道に入ってやり過ごし見ていると通路の途中で僅か
な燐光を放って消えた、稼働領域が決まっているのか？全く･･･よく分からないダン
ジョンだなここは、ギミックが多くて面倒だしもう脱出だけ目指していいかもしれ
ない、2人はまだ出入り口近くに居るかもしれないしそうしよう