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14.それは成長か退化か
二百九十二話 毒溜りの森:金樹の獣VS〇〇の獣
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292話 大地より生まれし樹の獣V黒より別たれし〇の獣
「ヴォヴォゴエ、ヴァニナーサ、ハグニナハッグ」
これは歌では無いな・・・その言葉から直ぐに体が小さく震えたかと思うと、金色の
強烈な光がキンリンガムイの内側からその身を裂く様にして放たれる・・・またか!?
また姿を変えたようで今度は全体的に大きくなった、さっきまでが速度を重視した
スタイルだとするなら、今回のは攻撃と防御を重視した最初のスタイルの純粋強化
タイプって所か?体は最初の頃より大きくなっており人の様な四肢を失い完全に
トレントの様な木の形になっている・・・口の部分はさっきのまま大型化し人の様な
頭部も無くなっているし枝には葉が1枚も着いて無い、かと言って枯れ木と言うに
は木自体が枯れているような様子は無い、目らしき部分も無くなったからか全身の
所々に小さな亀裂があり内側から小さな金色の光が漏れ出している・・・
「アイレ、ケイェル、フォルザード、カーケウレ、レヴィウッド、フォーゴン」
今までに比べて声のこもっている感じが無くや発音がはっきりしていてかなり聞き
取り易くなっている、とはいえ相変わらず何を言っているのか判らないままだが
「ケルウッド、ソンピェーロ、アドルシオ、ケフェウス、マニヌゥ、ベナリーゼ」
この感じからすると人名や地名だろうか?記憶の整理や追憶でもしているのか?
魔力の動きが無いし詠唱では無さそうだから、このまま放っておいてもいいだろう
が周囲の木々がざわついているのが気になる・・・それに奴の光が弱弱しくなり緩やか
ではあるが明滅している、意識が不安定になっているのか?
「アバラン、アバルス、カルバン、バドヴェッド、フォーセン、イルミディア」
苦しんでいる?うなだれるように前のめりになって体を小さく震わせている
「アァ・・・アァ、アリッサ、フォガーレ、ミリエス、ミリエス、ミリエス・・・」
ん?奴の魔力が溢れ出したかと思えば体の一部へと収束しだした、何をする気だ?
そして自分の体は相変わらず勝手に動いて戦闘態勢を取っている
「ミリエス、ボーペイア、ラルヴサングス、イフォケツェート」
名前・・・では無い、ミリエスは個人名だろうがその次からは単語というより文だ
「ミリエス、死を迎えども、我が愛に終わり無く、お前のため終世を越え戦おう」
なんだ?言葉の意味が分かる?成程これは古代の言語・・・いやこの星の前世に存在し
ていた言語か、そうなると奴は星の転生を越えて存在している事になるが・・・それに
しては強くは無いし既に自我も殆ど擦り切れて無くしているようだ、何かがあって
この次の代に残ってしまったのか?木になっているのは元が木なのか木人だったり
するのだろうか?魂も弱っているのか感じる生命力も最初より弱くなっている・・・
だからと言ってアンデッド化している訳でも無いし、この様子だと既に魂も限界に
来ていたのだろう、そのおかげで弱っているし所々動きがぎこちなくなっているの
もこの影響だったのかもしれない、それに素早い動きでありながら戦い方が緩慢で
基本的に受け身に回っていたのも納得出来る、思考力が低下し本能自体も持ち合わ
せていないのなら直感的な対応や本能による反射行動の能力が低く、受け身に回り
場当たり的な対処ばかりなのも判る、攻撃も距離があれば基本的に突撃しかしてこ
ないのもこの影響なのだろうか?さっきからぶつぶつ何か言っているようだが相変
わらず何も変化は起きていない、
「ボーペイア、ボーペイア、クォペイア、クォペイア、ボーネェル、ボーネェル」
「死を迎え、死を迎え、死を思い、死を思い、いざ来たれ、いざ来たれ」
「ネフェントリ、スバサクス、ラモネクリフェッテ、ゲニレイ」
「終わりの果てより、声に応え、ここに偉大なる御身よ、御出でませ」
「セフィラ・レカノム・ソナンガ、ディウド」
「天上に・居坐す・輝ける・金の炎」
そして奴の体の内より辺りを光で包むような金色の光が広がった、唯の光ではなく
幾らか熱を持っているようで肌が焼けるような感覚がする・・・光が収まると水面が
僅かに蒸発して湯気が昇っていて、周囲の草木が枯れているのが見えた、視界も悪
いし一先ず先程の感覚を確かめるためにも体の様子を確認する、これといった異常
は見られないものの表皮が少し傷んでいるように見える、感覚に異常はないし痛み
も無い以上問題は無いと判断してキンリンガムイへと目を向ける、まるで内側から
破裂したかのように奴の体は砕けズタズタに裂かれている・・・既に奴の体から光は
放たれていない、自滅したのか?マガセビをその気配を頼りに沼を掻き分け探す
どことなく沼の粘性が上がっているような気がする、暫く沼を彷徨いながら手探り
で探していると手に硬質な物が触れた感覚を受けてそれを掴みあげる、なんとか
マガセビを回収する事が出来た・・・何度か振り払う様に纏わり付いている泥を落と
してから長刀から大剣へと変形させて残った泥水を振り払う、ん?沼と水の色が
僅かだが薄くなっている?臭いも薄くなっているし毒性が無くなったのか触れてい
ても変な感覚がしない、それに辺りの土には短い草が生え緑が広がっている・・・
それに空気が澄んでいる、死んだ様に淀んでくすんでいたさっきまでと全然違う
場所が変わった?だが感覚から転移している様子は無かった、ならさっきので毒
が浄化し更に大地に緑を増やした?いや僅かだが地形も違っているし見える範囲の
沼の周りさえも緑が増え変わっているし、魔物の気配を感じない・・・まるで穏やか
な安らげる自然と言った所か、ただ違和感がある・・・全く生命の存在を感じない
自然にも生命の気配は存在する、だと言うのにあの草木どころか大地からすら命の
気配を感じなくなっている、だが逆に死で満ちている訳でも無い、夢や幻のような
感覚が近いか?見えているのに存在する感覚がしない、基本的に眠る事も無ければ
夢を見ない私だ、だからこれは夢では無いと思うが・・・奴が周囲を書き換えたか?
それとも新しくこの空間を創造した?それならどちらも幻で済む、後者の場合最悪
空間を創造出来るだけの能力がある事になるが・・・そこまで高位の幻なら気配すら
再現するとされる、そうなるとさして高位ではないから気配を感じ無いのも当然だ
他にはもしかすると結界の様な物か?、そもそもダンジョン内である以上環境は
固定され変化させられる場合修復されるらしいし、書き換えなんて出来ないだろう
死んだ事で周囲を浄化し自然を豊かにした、だったなら最良で最善レベルの結果だ
からそれが良かったんだが・・・まぁそんな都合のいい事は無いと言う事か
「ヴォヴォゴエ、ヴァニナーサ、ハグニナハッグ」
これは歌では無いな・・・その言葉から直ぐに体が小さく震えたかと思うと、金色の
強烈な光がキンリンガムイの内側からその身を裂く様にして放たれる・・・またか!?
また姿を変えたようで今度は全体的に大きくなった、さっきまでが速度を重視した
スタイルだとするなら、今回のは攻撃と防御を重視した最初のスタイルの純粋強化
タイプって所か?体は最初の頃より大きくなっており人の様な四肢を失い完全に
トレントの様な木の形になっている・・・口の部分はさっきのまま大型化し人の様な
頭部も無くなっているし枝には葉が1枚も着いて無い、かと言って枯れ木と言うに
は木自体が枯れているような様子は無い、目らしき部分も無くなったからか全身の
所々に小さな亀裂があり内側から小さな金色の光が漏れ出している・・・
「アイレ、ケイェル、フォルザード、カーケウレ、レヴィウッド、フォーゴン」
今までに比べて声のこもっている感じが無くや発音がはっきりしていてかなり聞き
取り易くなっている、とはいえ相変わらず何を言っているのか判らないままだが
「ケルウッド、ソンピェーロ、アドルシオ、ケフェウス、マニヌゥ、ベナリーゼ」
この感じからすると人名や地名だろうか?記憶の整理や追憶でもしているのか?
魔力の動きが無いし詠唱では無さそうだから、このまま放っておいてもいいだろう
が周囲の木々がざわついているのが気になる・・・それに奴の光が弱弱しくなり緩やか
ではあるが明滅している、意識が不安定になっているのか?
「アバラン、アバルス、カルバン、バドヴェッド、フォーセン、イルミディア」
苦しんでいる?うなだれるように前のめりになって体を小さく震わせている
「アァ・・・アァ、アリッサ、フォガーレ、ミリエス、ミリエス、ミリエス・・・」
ん?奴の魔力が溢れ出したかと思えば体の一部へと収束しだした、何をする気だ?
そして自分の体は相変わらず勝手に動いて戦闘態勢を取っている
「ミリエス、ボーペイア、ラルヴサングス、イフォケツェート」
名前・・・では無い、ミリエスは個人名だろうがその次からは単語というより文だ
「ミリエス、死を迎えども、我が愛に終わり無く、お前のため終世を越え戦おう」
なんだ?言葉の意味が分かる?成程これは古代の言語・・・いやこの星の前世に存在し
ていた言語か、そうなると奴は星の転生を越えて存在している事になるが・・・それに
しては強くは無いし既に自我も殆ど擦り切れて無くしているようだ、何かがあって
この次の代に残ってしまったのか?木になっているのは元が木なのか木人だったり
するのだろうか?魂も弱っているのか感じる生命力も最初より弱くなっている・・・
だからと言ってアンデッド化している訳でも無いし、この様子だと既に魂も限界に
来ていたのだろう、そのおかげで弱っているし所々動きがぎこちなくなっているの
もこの影響だったのかもしれない、それに素早い動きでありながら戦い方が緩慢で
基本的に受け身に回っていたのも納得出来る、思考力が低下し本能自体も持ち合わ
せていないのなら直感的な対応や本能による反射行動の能力が低く、受け身に回り
場当たり的な対処ばかりなのも判る、攻撃も距離があれば基本的に突撃しかしてこ
ないのもこの影響なのだろうか?さっきからぶつぶつ何か言っているようだが相変
わらず何も変化は起きていない、
「ボーペイア、ボーペイア、クォペイア、クォペイア、ボーネェル、ボーネェル」
「死を迎え、死を迎え、死を思い、死を思い、いざ来たれ、いざ来たれ」
「ネフェントリ、スバサクス、ラモネクリフェッテ、ゲニレイ」
「終わりの果てより、声に応え、ここに偉大なる御身よ、御出でませ」
「セフィラ・レカノム・ソナンガ、ディウド」
「天上に・居坐す・輝ける・金の炎」
そして奴の体の内より辺りを光で包むような金色の光が広がった、唯の光ではなく
幾らか熱を持っているようで肌が焼けるような感覚がする・・・光が収まると水面が
僅かに蒸発して湯気が昇っていて、周囲の草木が枯れているのが見えた、視界も悪
いし一先ず先程の感覚を確かめるためにも体の様子を確認する、これといった異常
は見られないものの表皮が少し傷んでいるように見える、感覚に異常はないし痛み
も無い以上問題は無いと判断してキンリンガムイへと目を向ける、まるで内側から
破裂したかのように奴の体は砕けズタズタに裂かれている・・・既に奴の体から光は
放たれていない、自滅したのか?マガセビをその気配を頼りに沼を掻き分け探す
どことなく沼の粘性が上がっているような気がする、暫く沼を彷徨いながら手探り
で探していると手に硬質な物が触れた感覚を受けてそれを掴みあげる、なんとか
マガセビを回収する事が出来た・・・何度か振り払う様に纏わり付いている泥を落と
してから長刀から大剣へと変形させて残った泥水を振り払う、ん?沼と水の色が
僅かだが薄くなっている?臭いも薄くなっているし毒性が無くなったのか触れてい
ても変な感覚がしない、それに辺りの土には短い草が生え緑が広がっている・・・
それに空気が澄んでいる、死んだ様に淀んでくすんでいたさっきまでと全然違う
場所が変わった?だが感覚から転移している様子は無かった、ならさっきので毒
が浄化し更に大地に緑を増やした?いや僅かだが地形も違っているし見える範囲の
沼の周りさえも緑が増え変わっているし、魔物の気配を感じない・・・まるで穏やか
な安らげる自然と言った所か、ただ違和感がある・・・全く生命の存在を感じない
自然にも生命の気配は存在する、だと言うのにあの草木どころか大地からすら命の
気配を感じなくなっている、だが逆に死で満ちている訳でも無い、夢や幻のような
感覚が近いか?見えているのに存在する感覚がしない、基本的に眠る事も無ければ
夢を見ない私だ、だからこれは夢では無いと思うが・・・奴が周囲を書き換えたか?
それとも新しくこの空間を創造した?それならどちらも幻で済む、後者の場合最悪
空間を創造出来るだけの能力がある事になるが・・・そこまで高位の幻なら気配すら
再現するとされる、そうなるとさして高位ではないから気配を感じ無いのも当然だ
他にはもしかすると結界の様な物か?、そもそもダンジョン内である以上環境は
固定され変化させられる場合修復されるらしいし、書き換えなんて出来ないだろう
死んだ事で周囲を浄化し自然を豊かにした、だったなら最良で最善レベルの結果だ
からそれが良かったんだが・・・まぁそんな都合のいい事は無いと言う事か
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