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12.共和国・人探し
二百五十一話 飢えと疲れ・双頭のムカデ
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251話 再生し飢えた双頭
「ちょっといいか?カサンドゥーバ」
「えっ、はい・・・そう言えば名乗ってませんでしたね、私はクマンティナ・・・
今はクマンティナ・カサンドゥーバです」
「そうか・・・ではクマンティナ、もう魔物の討伐に部隊を派遣しそうにないから
私が討伐に行って来る」
「?そんな事が判るのですか?」
「そう言う力があってな、使い勝手は良くないがちょっとしたことなら出来る」
流石に言えない、かといって何もないなんて言えないからな・・・まぁそこまで気に
されるような事でもない、似たようなスキルなら幾らかあるだろうし
「そうですか、判りました・・・ではここで大人しく待っていますが、明日の朝までに
は帰ってきてください、でなければ死亡したと判断します」
「分かった、では行って来る」
思った通り詮索はされなかった、使い勝手がよくないと言ったことで使用に制限か
何か条件があるスキルだと思ってくれたんだろう、もしかしたらただ詮索しない様
にしてくれただけなのかもしれないが、霊云々は余り言わない方がいいだろうし・・・
取り敢えず魔物の元に行かなければ、外に出て4M程の外壁を登り天幕の下を這って
転がる様に下に降りる、すると街中には無かった砂の混じった街中よりも強めの風
が吹き付ける、とは言っても叩き付けるような風では無く勢いはあるが細かい風が
乱雑に荒れてあちこちから体に当たる、目に入らないように手をかざして進む
「ふむ、視界が悪く風で体が揺らいで方向を見失う・・・なんとも砂漠と言う環境に
おいては厄介な魔物だ、それ以外の場所では大した脅威ではないだろうに」
どうやらバルゼリットは妹の側に置いてバーゼスクライトが着いて来たようだ・・・
どっちかでも着いて来てくれると何かあった時助かる、まぁ2人共妹の方に着いて
いてくれても護衛だから良かったんだが、真面目と言うか律儀と言うか、妹の事が
気になっているだろうにワザワザこっちに着いて来るとは思っていなかった・・・
弱まった砂嵐の中を大まかな方向を教えてもらいながら走り続ける、距離としては
そう遠くないようで都市が小さく見える位の場所に砂丘が見えた、どうやらこの奥
が戦場だったらしい・・・死の気配と言うか死んだ存在の気配?と言うのだろうか
そういった物が漂っているのを感じる、また変な感知能力が上がっているな・・・
4・5M程の砂丘を登ってみれば下に幾つもの死体が転がっているのが見えた、砂が
血を吸っているのか一帯が白っぽい赤に染まっている、それにこの付近では砂嵐が
かなり弱くなっていて見通しもいい、見渡しているとそれより濃い赤・・・所々斬り
裂かれたような亀裂のある赤褐色の塊が見えた、どうやら休んでいるのか丸まって
いるようだ、棘の様な物も見えるがあれは脚だろうか?青緑色の体液が垂れている
あれがあの魔物の血か、体を乗り出すと砂で脚を滑らせそのまま滑り落ちていく
するとその音か震動に気付いたのか魔物の体が震え出し直ぐにその姿を露わにした
背が赤褐色で腹部が薄黄色の甲殻と4枚2対で半透明で赤褐色の羽根と双頭を持つ
ムカデ型の魔物の様だ、こっちに顔を向けてから今度は辺りを見渡した・・・私には
気付いていないのか?眼は良くないのだろうか・・・すると今度は体を揺らしだした
揺れるのに合わせて背中の傷のある甲殻の表面が灰色に濁り徐々にずれていく
それは表面の薄皮のようでそれが捲り上がりするすると剥がれていく・・・剥がれて
いった後には傷跡が残っているものの傷の無い甲殻が現れた、ふむ甲殻を治したと
言うよりは回復の方が近いのか?多分傷を治したんだろうから今は体力の消耗しか
無いと思った方が良いだろう、あと回復していないのは魔力位か?あれはもう殆ど
消耗が無いものと思っておくべきだな、早めに来ていればもっと楽になっていたか
もしれないな・・・まぁそれはもう仕方がない、あれとまともに戦ったら負ける可能性
が十分にある以上取り敢えず奇襲から始めない事には優位は取れそうにない、だが
音はまだしも振動で探知されるとどうしようもないんだよな・・・あの魔物に当たる
情報を何も持ってないから鑑定しても意味が無いが鑑定を育てるためにも使うか
[サルカムネス]
砂嵐を引き起こし適合出来ない者を弱らせ殺す 生きている者は食わない
何やら情報が出てきた、鑑定は育ってないんだが・・・前者は知っている情報が反映
されているのか?だが後者は・・・生きている対象を食わないは何故判明したんだ?
いやまぁいいか、そんな事より奴は周囲に散乱している死体に近付いていっている
死体を食おうとしているのか、これ以上食われて回復されるのは困る、恐らく先程
の回復で体力を消耗したのだろう、空腹なのか双頭にある口から涎が垂れている
よくみればあちこちに脱ぎ捨てられた薄皮が転がっている・・・中には綺麗に切れて
いる物や大きい穴が開いている物や血まみれの物もある、恐らく戦闘が終わった後
に何度も再生していたのだろう、もしかしたら移動していなかった理由はこれかも
しれない・・・その移動は体を重たそうにゆっくりとした引き摺る様な動きしている
死体に近付き食こうとしたところで風で姿勢を崩されないように低く保って近付く
砂が血を吸っているお蔭で足が砂にとられなくなっており滑る事無く済んでいる
それもあって地面を踏みしめる事が出来るおかげで走り易くなっている、距離を半
分ほど縮めた所で反応された、このまま食いついてくれれば最初に1撃入れる事が
出来たかもしれない・・・残念ながらそれは失敗したが気付いていても疲れのせいか
こっちを見るだけで次の動きが無い、奥の頭は反応もせず死体に食いついている
血に塗れていない砂に足をとられ滑りかけた、ようやくこっちに対し反応していた
頭が動き出した、ギチギチガチガチと歯を打ち鳴らしている・・・遅いがあれは警戒
行動か?取り敢えず落ちていた剣を2つ拾って1つを頭部にもう1つを体の方に向け
て投げる、頭部の方は歯に弾かれ体の方はカァンと簡単に甲殻に弾かれ先端部分が
割れた、こんな武器では有効打になりそうにない、これではどれだけ集まっても
勝つどころかまともに傷をつける事すら難しいだろう・・・とは言え有効打となった
武器も転がっている筈、もしかしたらあの傷は全て魔法によるものだったのかも
しれないが・・・物理に強い耐性をもっているようなのは間違いないが魔法の耐性は
そこまで高くない・・・のか?しかし効きそうな攻撃魔法が無いんだよな・・・
「ちょっといいか?カサンドゥーバ」
「えっ、はい・・・そう言えば名乗ってませんでしたね、私はクマンティナ・・・
今はクマンティナ・カサンドゥーバです」
「そうか・・・ではクマンティナ、もう魔物の討伐に部隊を派遣しそうにないから
私が討伐に行って来る」
「?そんな事が判るのですか?」
「そう言う力があってな、使い勝手は良くないがちょっとしたことなら出来る」
流石に言えない、かといって何もないなんて言えないからな・・・まぁそこまで気に
されるような事でもない、似たようなスキルなら幾らかあるだろうし
「そうですか、判りました・・・ではここで大人しく待っていますが、明日の朝までに
は帰ってきてください、でなければ死亡したと判断します」
「分かった、では行って来る」
思った通り詮索はされなかった、使い勝手がよくないと言ったことで使用に制限か
何か条件があるスキルだと思ってくれたんだろう、もしかしたらただ詮索しない様
にしてくれただけなのかもしれないが、霊云々は余り言わない方がいいだろうし・・・
取り敢えず魔物の元に行かなければ、外に出て4M程の外壁を登り天幕の下を這って
転がる様に下に降りる、すると街中には無かった砂の混じった街中よりも強めの風
が吹き付ける、とは言っても叩き付けるような風では無く勢いはあるが細かい風が
乱雑に荒れてあちこちから体に当たる、目に入らないように手をかざして進む
「ふむ、視界が悪く風で体が揺らいで方向を見失う・・・なんとも砂漠と言う環境に
おいては厄介な魔物だ、それ以外の場所では大した脅威ではないだろうに」
どうやらバルゼリットは妹の側に置いてバーゼスクライトが着いて来たようだ・・・
どっちかでも着いて来てくれると何かあった時助かる、まぁ2人共妹の方に着いて
いてくれても護衛だから良かったんだが、真面目と言うか律儀と言うか、妹の事が
気になっているだろうにワザワザこっちに着いて来るとは思っていなかった・・・
弱まった砂嵐の中を大まかな方向を教えてもらいながら走り続ける、距離としては
そう遠くないようで都市が小さく見える位の場所に砂丘が見えた、どうやらこの奥
が戦場だったらしい・・・死の気配と言うか死んだ存在の気配?と言うのだろうか
そういった物が漂っているのを感じる、また変な感知能力が上がっているな・・・
4・5M程の砂丘を登ってみれば下に幾つもの死体が転がっているのが見えた、砂が
血を吸っているのか一帯が白っぽい赤に染まっている、それにこの付近では砂嵐が
かなり弱くなっていて見通しもいい、見渡しているとそれより濃い赤・・・所々斬り
裂かれたような亀裂のある赤褐色の塊が見えた、どうやら休んでいるのか丸まって
いるようだ、棘の様な物も見えるがあれは脚だろうか?青緑色の体液が垂れている
あれがあの魔物の血か、体を乗り出すと砂で脚を滑らせそのまま滑り落ちていく
するとその音か震動に気付いたのか魔物の体が震え出し直ぐにその姿を露わにした
背が赤褐色で腹部が薄黄色の甲殻と4枚2対で半透明で赤褐色の羽根と双頭を持つ
ムカデ型の魔物の様だ、こっちに顔を向けてから今度は辺りを見渡した・・・私には
気付いていないのか?眼は良くないのだろうか・・・すると今度は体を揺らしだした
揺れるのに合わせて背中の傷のある甲殻の表面が灰色に濁り徐々にずれていく
それは表面の薄皮のようでそれが捲り上がりするすると剥がれていく・・・剥がれて
いった後には傷跡が残っているものの傷の無い甲殻が現れた、ふむ甲殻を治したと
言うよりは回復の方が近いのか?多分傷を治したんだろうから今は体力の消耗しか
無いと思った方が良いだろう、あと回復していないのは魔力位か?あれはもう殆ど
消耗が無いものと思っておくべきだな、早めに来ていればもっと楽になっていたか
もしれないな・・・まぁそれはもう仕方がない、あれとまともに戦ったら負ける可能性
が十分にある以上取り敢えず奇襲から始めない事には優位は取れそうにない、だが
音はまだしも振動で探知されるとどうしようもないんだよな・・・あの魔物に当たる
情報を何も持ってないから鑑定しても意味が無いが鑑定を育てるためにも使うか
[サルカムネス]
砂嵐を引き起こし適合出来ない者を弱らせ殺す 生きている者は食わない
何やら情報が出てきた、鑑定は育ってないんだが・・・前者は知っている情報が反映
されているのか?だが後者は・・・生きている対象を食わないは何故判明したんだ?
いやまぁいいか、そんな事より奴は周囲に散乱している死体に近付いていっている
死体を食おうとしているのか、これ以上食われて回復されるのは困る、恐らく先程
の回復で体力を消耗したのだろう、空腹なのか双頭にある口から涎が垂れている
よくみればあちこちに脱ぎ捨てられた薄皮が転がっている・・・中には綺麗に切れて
いる物や大きい穴が開いている物や血まみれの物もある、恐らく戦闘が終わった後
に何度も再生していたのだろう、もしかしたら移動していなかった理由はこれかも
しれない・・・その移動は体を重たそうにゆっくりとした引き摺る様な動きしている
死体に近付き食こうとしたところで風で姿勢を崩されないように低く保って近付く
砂が血を吸っているお蔭で足が砂にとられなくなっており滑る事無く済んでいる
それもあって地面を踏みしめる事が出来るおかげで走り易くなっている、距離を半
分ほど縮めた所で反応された、このまま食いついてくれれば最初に1撃入れる事が
出来たかもしれない・・・残念ながらそれは失敗したが気付いていても疲れのせいか
こっちを見るだけで次の動きが無い、奥の頭は反応もせず死体に食いついている
血に塗れていない砂に足をとられ滑りかけた、ようやくこっちに対し反応していた
頭が動き出した、ギチギチガチガチと歯を打ち鳴らしている・・・遅いがあれは警戒
行動か?取り敢えず落ちていた剣を2つ拾って1つを頭部にもう1つを体の方に向け
て投げる、頭部の方は歯に弾かれ体の方はカァンと簡単に甲殻に弾かれ先端部分が
割れた、こんな武器では有効打になりそうにない、これではどれだけ集まっても
勝つどころかまともに傷をつける事すら難しいだろう・・・とは言え有効打となった
武器も転がっている筈、もしかしたらあの傷は全て魔法によるものだったのかも
しれないが・・・物理に強い耐性をもっているようなのは間違いないが魔法の耐性は
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