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12.共和国・人探し

二百四十二話 捜索とミス

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242話 マヌケな姿ってこんな感じか?

魔道具に阻まれなかった風が吹き付け砂を運んで来る、困惑した人々も既に帰って
行くようで広場から人が居なくなっていく、そう思えばあちこちに居た兵士達の
姿が見えなくなっている、兵士達も帰ってしまったのか?ん?兵士達が列を作って
奥の大きい建物の方へ向かって行く、鬼人やオークとドワーフの混成集団のようだ
通ってきている道にはあちこちに兵士が配備されて行く、監視を厳しくしている?
やはりこの異常と先の騒動によるものだろう、ならあれは異常の警戒と捜査のため
動いている集団って所か、まぁ邪魔をしなければ特に何もないだろう・・・しかし
このままだと追い出されるかもしれないな、ある意味警戒区域になっている訳だし
だが特に何も言って来ないしこっちに反応している様子が無い、ふむ?どうでも
いいのだろうか?こんな状況でもここに居る時点で不審人物と言っても良いだろう
に・・・余りにもあからさますぎるからか?まぁ怪しい者ですって言っているような
ものだから警戒対象から排除した・・・と言うよりは、大体相手がどんなものか既に
判っていると思っていいのだろうか、ん?霊の気配が近づいて来る、帰って来たか
と思ったが違った・・・別の霊だった、多分ここの者だろうオークとドワーフの霊だ
なにやら言い争っている?ようだが険悪な雰囲気は感じない、問題なさそうだし
関わる意味もないだろう・・・情報収集するにしても2人がどうにかするだろうから
何か面倒そうな2人組だし関わるのはやめておきたい、それにしても元気な霊だな
正気を失ってないし、死んでからそう時間が経ってないのか気にする事が無いから
変化していないのか・・・もしかしたらこの異常に関する事件達の情報を持っている
かもしれないが、警備兵の眼もあるから怪しい行動をして目立つわけにもいかない
何よりこの事件自体関係ないから関わるのは止めておきたい、まぁ霊が見えるのは
居るだろうからその人達がどうにかするだろう、せめて悪霊化や魔物化する前に
どうにかなってくれればいいな、そっちへ意識を向けないように辺りを見渡して
いると2人が帰って来た、一緒に行動していたのかは判らないが揃って帰ってきて
くれたのは助かる、周囲を見渡した2人は近づいてきて椅子の両隣に座った
「何か起きたのか?衛兵が警備して人がいない」
「あぁ殺人事件だ、2人が行って少ししたら起きたんだ」
「そうか・・・この国の治安は不安定だと聞いてはいたが」
「種族間の対立自体まだ消えてはいないからな」
「それより情報はあったのか?」
「あぁあった、と言うよりは見つけた」
「良かったじゃないか、それで会ったのか?」
「残念ながらこっちの姿は見えていないようでな、触れれば見えるだろうが・・・」
「やらなかったのか?」
「あぁ、少し様子がおかしかった気がしてな・・・取り敢えず先に拘束しておきたい」
「成程それで合流したと、場所は?」
「あぁ、客向けの場所でドワーフとの区域近くだ」
「となると宿とかあった場所か・・・判った直ぐに行くとしよう」
「そうだな、その奥で薄暗く人が少ない場所があってな」
「着いて行く先に行ってくれ」
バルゼリットが先に行きそれを追って移動する、先に大通りの方に向かう事にした
警備兵に少し不振がられたがそれだけだった、やはり私は警戒されていないようだ
大通りの中ほどまで来た所で裏路地の方へと入る、この付近はまだ天幕が掛かって
いて砂をいくらか防いでいるし裏路地となれば、建物が横から来る砂を防いでくれ
ている、少しづつ薄暗くなっていく道を進んでいくとそれと同じように天幕も少し
づつ低くなっていく、建物も低めの物になり何処か少し朽ち始めている様に見える
ある家の前で1度止まるとどうやらこの家に居るようで家の中に入っていった・・・
取り敢えず軽くドアを叩いてみる、しかし反応が無い・・・本当に居るのだろうか
粗雑と言える木製の扉は鍵が掛かっておらず、古いのか規格が合ってないのか少し
ずれていて押すと直ぐに開いた、中を見ても誰もいないし生活している様子も見ら
れない、それに暫く使ってないのかあちこち散らかっている、入って扉を閉めると
「ここは既に使われていない、隠れ蓑のようだからな・・・行くのは下だ」
「部屋は2つ、そして確認した時には5人居た、入ってすぐに2人隣の部屋に3人」
隣に居るバーゼスクライトがそう言って下を指差した、どうやら地下室があるよう
でバルゼリットは先にそっちへ行ったようだ、ボロボロの布を捲れば木の板があり
それをどければ地下へと続く木と石で造られた階段と壁があった、砂が零れている
のか外から流れてきているのか流石にかなりの砂が階段を薄く覆っている・・・これ
では音を発てないのが難しい、いやそもそも木が軋んでいるせいで気にしても仕方
ないか、2人が先程確認した構造からすると部屋は2つで目の前のこの部屋には
2人・・・とは言え中の人数自体は全員で5人程だと思うだけにしておく、部屋の移動
位普通にあるだろうし外に出て行ったり外から合流しに来るかもしれないからな
2人が先行し内部を確認しに行く・・・余り中から音が聞こえないな、周囲の砂が音を
吸ってしまっているのかさっきの足音もあっちには聞こえていなさそうだ、中は
広くないのか2人は直ぐに帰って来た
「この部屋はやはり2人で隣に3人で変わりは無い、全員武装している」
「それと入って左右と正面に扉があるが部屋は右の方だけだ」
「出来れば兵士達も気絶で頼む、隊長格は優先してほしいが」
「妹以外でも最低2人は生かしておいてほしい、無理にとは言わん」
「色々と情報が欲しいだろうからな、まぁやってみよう」
どっちにしろこの狭さではまともにマガセビが振るえそうにないし無手になるな
他の扉はダミーかトイレとかだろうか、朽ちている木で作られているのか穴だらけ
で幾らか砂も風も中に流れている扉に手を掛ける、それだけでミシリと音が発てる
脆すぎるのか取っ手を掴むだけで軋みを上げパラリと表面の小さな破片が落ちる
直ぐに穴から中を覗いて様子を確認する、中にも聞こえているだろうが薄暗い中で
何か作業をしているらしき2人は特に変わりはなさそうだ、どうやら気付かれては
いないようだ・・・しかし少し動かそうとするだけでミシミシ音を発てる、手前に
引いて開けようとした所ガバリと言う音と共に扉が外れ、次にミキリと取っ手が
外れ外れた扉は地面へ倒れ中に砂と風が入り込む、当然その音に中の2人が反応した
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