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11.皇族の指名と継承

二百二十九話 運命か宿命か偶然か

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229話 運命とは宿命と偶然の狭間にある

兄の方と話していると弟の方の姿が見えなくなっている、はて?どこにいった?
「バルゼリットの姿が見えないが、何処に行ったんだ?」
先に向かったのだろうか?話を先に通しておいた方が楽なのは私にも判る
「夢の中だ、取り敢えず夢が個人なのか他者と繋がっているのか、この状態にした
者が彼女たちの夢の内に存在しているのか、姿が判明すれば名前や能力も判明する
かもしれんからなそれを調べに行かせたのだが・・・悪かったか?」
「いやそんな事出来たんだな・・・出来るかもと予想はしていたから頼もうと思って
いたんだが・・・先にやってくれただけだし別にいいんだ、私より頭もいいしな」
「人間の範囲ではな・・・それに夢の中に入ると言っても見るだけだ、内部の存在や
夢には干渉できない、当然内部に囚われた彼女達には認識できない・・・のだが欠点
として術者には見えてしまうし場合によっては夢への侵入も察知されてしまう」
「とは言えそれをやらせたって事はやって損は無いって考えたんだろ?」
「そうだ、悪夢なりを見せているとしてもまだ殺していない以上殺害目的では無い
と考えていいからな、最悪起きれても毎日寝てしまえば同じ状況になりかねん」
「あぁ・・・確かに、夢に囚えて悪夢を見せたりするのが目的なら別に起きられても
また寝た時に夢に囚えてしまえばいいだけなのか」
「そう言う事だ、その場合元凶を叩かねばいつまでも繰り返すだろう?だからこの
情報だけは入手しておいて損は無い」
ふーむ・・・この状況を見て直ぐに色々考えていたんだな、私は大雑把にこうすれば
いいか程度しか考えてなかったと言うのに、これが頭の良さの差って奴か・・・
ただ私の頭が良いと言う勘違いは止めてほしい、君と同等程の知識も知能も無い
正直知識も知能も結構な制限受けてるからな・・・まぁ[宇宙]や[世界]の崩壊を起こし
たくない判断による制限だろうから文句も言う気は無い、ん?今もやらかしてる?
いや大丈夫だ、現状やらかしている事は・・・大杯位でそれも大した事は無いよな?
「さてそろそろ戻ってきて良い頃だと思うが」
「むぅん、ふぅ帰ってこれたか・・・夢に潜り込むのも疲れるものだ」
シノの頭部付近から這い出る様にして出てきた、その表情から疲労が見て取れる
「ふむ、随分疲労しているようだな、それで何か確認出来たか?」
「あぁ情報としては3つだ、1つめは場所だが3人共同じ廃墟とかした城に居た」
「全員同じ夢に囚われているか・・・それに城ときたか」
「2つめは掛けた存在だが人間だと思われる、その姿が確認出来た」
「ふむ見た目は?」
「金と赤の混じった髪に茶色の瞳、中肉中背・・・いや少し太り気味か?少しぼろく
なった服を着た男だ、彼女達を追いかけまわしてた」
「となると狙いは彼女達そのものか」
「3つめがこちらから僅かだが干渉出来た事だ、本来干渉出来る物では無いはずだが
扉の開け閉めだけなら出来た」
「む・・・?扉の開閉?となるとなんらかの条件を持った夢なのか?」
「流石に俺にはそこまで判らなかった、ただあっちは俺を認識出来ていなかった」
「考えれるとしたら、扉自体は誰でも干渉出来る・・・言ってしまえばその場所自体は
別に重要な事では無いのでは?」
「ありえるな、場所は適当で重要なのは彼女たちを捉えておく事なのだろう」
「それは彼女達を捕捉さえ出来ていれば良いって事か?」
「そうなる、こうなると現実でもそこまで遠くない場所に居ると思うが・・・」
「この力は幻惑魔法にしても魔物の能力にしてもおかしい」
「どこぞの邪神教団の輩かと思ったがあいつらはそんなものに興味は無いし」
「転移者・・・そう言えば転移者の中には邪神から力を与えられる者が居るとか」
「そうかそれがあったか、そう言えばこの前転移があったのだったな」
「俺には感じれなかったが、そうなると邪神の眷属か娯楽の駒って事か」
「お前その時地上に居なかっただろう、それに感じ取れたのは偶然だ」
「むむ?そうだったか、なんとか6神が対処してくれないものか・・・」
「神に縋るな馬鹿者が・・・とは言え何かしら行動は起こすだろうからな」
「邪神や眷属の討伐依頼が来るかもしれんな、はっはっは」
「神々には巻き込まれぬよう気を付けなければ・・・それとそんな依頼なら高ランク
しか対象にならんだろうし我等は関わる事はあるまいよ」
「しかし・・・だとするとこの状態はどうすればいいのだ?」
「殺しに行くしかあるまい兄者!」
「お前そんなに好戦的だったか・・・?だったかもしれん、だが術者が何処に居るか
判っていない」
「うーむ、まずは探さねばならん!早く殺させてくれ!」
「ふむ殺意が増幅しているのか?まぁ探すなら近くだな、もしかしたらこの家から
近い場所に居るかもしれん、都市内部からでは少し距離があるからな・・・彼女達に
執着しているのなら近くから彼女達の行動を確認していたのかもしれん」
「成程変質者め近くにいるか、殺しても問題のない以上殺すしか選択肢は無いよな
じゃない、よくも我らが民を苦しめ国を穢しおって!許さんぞ下等生物がぁ!」
「全部口にしているぞ、そう言えば部下がいない時は生前もそんな感じだったな」
「こっちが本性だったのか、深淵に染まって変異した訳じゃなかったんだな」
「あぁあれが素だ、普段は部下が一緒に居たから押さえていただけだったか・・・はぁ
改善したと思っていたんだがなぁ、まぁだからかこそ強くなれたのか?」
「だからこそ深淵に呑まれながら自我を保てたのかもしれない」
「・・・ふむ、では私はここで見ているから奴を連れて探しに行くと良い」
「あぁ取り敢えず家の周囲を探せばいいんだな」
「うぉおぉおぉおぉぉ!」
「うるさいからとっとと持って行ってくれると助かる」
「うるさいのは私も好きじゃないんだが・・・ほら騒いでないでいくぞ」
「むぅん、久しぶりに血肉湧き踊りよるわ、血肉ないがな!はっはっは」
無駄に高揚して上半身裸になっているアホを引き連れて家を出る、そして屋根の
上に昇って1度辺りを軽く見渡し、ここより少し高い岩場に上がってもう1度見渡す
ここからなら周囲が見渡せる・・・?草が倒れている、基本こんな所には人も魔物も
来る事は無いようなんだが、何か転がっていたかのような形だ、それに異様に草が
密集しているし土も削れているのか横に掘られたと思わしき土が盛られ草を挟んで
いる・・・土が削れて?草を持ち上げると、その下は土が広く浅く削られ窪んでいる
そこに誰かが寝転がっていた、こんな場所に居るとなるとこいつが犯人か?
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