上 下
231 / 326
11.皇族の指名と継承

二百二十八話 運命の調律

しおりを挟む
228話 これもまた定められし事象か

アイカは寝起きが良いらしいのだが、軽く揺すってみても起きる気配が無い
とは言っても子供だし寝ていたい事もあるだろうから、無理に起こすのも悪い
こう言った事はよくある事なのかもしれないためシノかユノを先に起こした方が
良いのかもしれない・・・そこで2人を見るとどこか表情が少し不機嫌そうに見える
寝付きが良くなかったか?まぁ対処するなら姉の方が良いだろうし、シノを起こし
にかかるとしよう、同じように揺すればこっちは起きるだろうか・・・?ふむ一応
どっちが起きてくれてもいいし声を掛けながらするか・・・起きないな・・・揺らすのが
弱かったのか?それとも声が小さかったか・・・今度は頬をぺちぺち軽く叩いてみる
起きない・・・一応ユノにも試してみたがこっちも起きる様子が無い、まさか・・・
夢に囚われた?こう言ったものは肉体に一定以上の干渉を受けたり肉体の変化での
衰弱や痛みに怪我等をする事で解ける物と肉体が死んでも解けない物があると言う
魂は問題無さそうだから前者の確率が高いかな、魂は引きずり込んでいないよう
だから死んでも永遠に囚われる事は無いと思われる、精神だけだと肉体の死に引き
摺られて普通に死ぬだろうし・・・何でこんな事ばかりスラスラ出てくるんだろうか
自分でも自分の事がよく分からない事がよくあるな、夢に囚われる感覚も解らない
からこのまま無理矢理起こしてもいいのか判らないし、安全にやるには彼女たちの
夢に干渉するしかないと思うんだが・・・ふと思いついた、霊体ならもしかして干渉
出来るのではと、出来なかったら吸血鬼なら出来そうだしそっちに頼む方法もある
2人を呼ぼうと意識すると、いつも通りどこからともなくゆらりと2人が現れた
「急に呼んだがいいか?」
「いつ読んでくれてもかまわんよ、暇だからな」
「それで用件は・・・そこの娘3人か」
「あぁ、無理に起こすと夢に囚われる可能性もあるから下手に起こせないんだ」
「ふむ、夢に囚われる・・・か、確かにものによっては危険だからな」
「幸福な夢やら悪夢やら掛ける者によっても変わるし、外部からではこれと断定
出来る情報が殆ど出てこないのも困る要因の1つとなっている、とは言え既に
予想は着いているんじゃないか?」
「お前は私をなんだと思っているんだ・・・?そんな何でもかんでも判るわけない
だろう?夢だとか精神だとかは殆ど判らんと言うのに」
「おっと、民心を理解できぬ王は良くない、今の内に学んでおくべきでは?」
「ワタシハオウデハナイシ・・・王になる気も無いぞ?」
「ハッハッハ、不安か?気にするな、何とかなるさ!兄者も居るのだしな」
「・・・」
「おっとだんまりは少し怖いぞ兄者」
「何か企んでるんじゃないだろうかと思えてならない」
「・・・実際の所、妹を見つけられないか見つけても王位を譲れるような状態では
無かった場合・・・次の王は主しかなれません」
「えっ?」
「まぁ他に王位継承できる者は居ないのでそうなりますな」
「えっ?」
「そうでなくても上に立つ者にはなるでしょうから」
「えっ?いやそれはならないでしょ、王は・・・うんまぁ仕方ないけどさ」
「まぁ最悪今の生命体が絶滅するだけでしょうから大した問題もありませんがね」
「うむ終わったら終わったで、次に新しく始まる世界に向かうだけだからな」
「うーむ死生観が軽すぎる・・・他の世界の人間とは相容れんだろうなぁ」
「そうだろうな、彼らの生や性への欲求や欲望は理解できん」
「うーむ何故死ぬ事を恐れるのか・・・判らんのよなぁ」
そこは私も判らないからどうとも言えない・・・私はやはりこっちの住人なのだと
言う事を実感できる、おかげで自分でも人の真似事が出来ているのだろう
「じゃなくて今は彼女たちの事だ」
「む?だから生やら性への執着や欲求ではないか?」
「あぁ・・・生きたい、死にたくないから囚われたって事か?」
「うむそういう事だ、生への執着心故に起きれないのだと思われる」
「囚われた夢から解放されるには、その夢の中で死を受け入れねばならない・・・
って言われてる奴か?昔から言われているあの噂は本当だったと言う訳か」
「噂?」
「昔から言い伝え・・・とでも言うようなそういった噂があるのだ」
「昔そんな事をどこかで聞いた事があるような気がする・・・思い出せんが」
「まぁ今からだと20年位前の話だからな、それにいろんな場所で噂になっていたが
これと言った実害が無かったのもあって直ぐに話される事も無くなった」
もう昔の事・・・と言うより昔からあった事なのだろうか?話ぶりからするともっと
昔からそう言った話はあったようだが、起きた時大体夢見が悪かった程度にしか
誰も思わないから話題にならないのだろう、話題になっても危機感抱いている人は
いなさそうだし本当にただの話題程度でしかないんだろう
「しかし結局どうしたらいいんだ?」
「まぁヴォドモーン卿にでも頼めば直ぐに終わるだろう」
「もしくは高度な幻惑魔法を使える人物に頼むかだが・・・こっちはアテが無い」
「やっぱそうなるか・・・」
「何かアテがあるならそっちを頼ってもいい」
「いや無いよ・・・」
一瞬ニアの事が頭を過ったが直ぐに流れ過ぎ去っていった、多分ロクな事をしない
そんな予感と言うより最早確信に近い何かを感じているからやめておく事にした
「しかしこんな事をするのは魔物だと思うが・・・元凶は不明のままなのか?」
「そうだな、鏡等の何かを映す物を渡り歩く魔物もいるが・・・そいつらが幻惑系の
力を持っているとは聞いたことが無いからな」
「あぁ・・・あれか、稀に村に現れて犠牲者を出して直ぐに居なくなる」
「そんな魔物も居るのか・・・」
「そう言った特性を持つ珍しい魔物も居るしゴースト種だったりもするがな」
「通常の種族に含めれない魔物をアノマリー系と呼んでいるのだ、そしてその種族
として判定されている者の詳細は判明していない」
「今回のこれもその種族の者ならありえるって事だな?兄者」
「そうだ、中にはダンジョンと地上を自由に行き来する等の噂もあった」
「それで被害が増えたり最近魔物が活性化しているのか?」
「どっちも判らん、奴らは別に他者に対して敵対的な訳では無い、そもそも目撃の
情報が少なすぎる、繁殖がなく単一個体しか存在しないとも言われているからな」
「実際にはどうか判らないって事か」
「そうなる、そして魔物の固有能力には同じような物でも似ているだけで別物な
事も良くあるからな・・・これだと決めつけて強制解除すると死ぬ事もある」
「夢に干渉しないといけない・・・か、じゃあ頼みにいくとするか・・・ん?」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

処理中です...