219 / 326
10.神々の相克
二百十七話 鎮まらぬ魂の慟哭
しおりを挟む
217話 眠れぬ魂・送られなかった子供達
奴等の目の前で飛んでくるカースアローを防ぎ、時に敵ごと薙ぎ払い距離を保つ
こっちの攻撃は大して相手に効かず、相手の攻撃は確実にこっちを削っている・・・
優勢なのはあっちなのだが、子供だからなのか効いていなくとも十分な脅しには
なっており足並みが揃えれないまま攻撃を止め伏せる者達が増え、泣き出す者まで
出てきたと思えば他のも泣き出しかなりうるさくなった、頭の中でガンガンと音が
鳴っているような現状で耳を押さえてしまいそうだ、脚や腕が振るえ力が入り難く
なり視界が揺れて来る・・・!これもスキルか?鳴き声が大合唱となりその振動が
もろに直撃する、こんな至近距離に居るからか?離れれば効果は薄くなってくれる
と期待したいが、離れていいのか?それが目的での行動かもしれないんだぞ・・・
だめだ少し考えている内に少しづつ体の自由が利かなくなってきている、行動阻害
この感覚からすると・・・咆哮系のスキルか?どちらにせよ動きにくくなったな
体が重くなり動かす部位も硬くなって、動かすたびにぎこちなく震えているような
負荷のかかった動きになっている状態だ、動きを阻害したなら次にやって来る事は
正面から黒いもやが集まった煙の塊のような物が向かって来る、その動きは特別
速い訳でもない・・・がその球体のような形状が膨張し、弾けるようにして波の様に
大きく高く広がり、大きな波のような形状となって呑み込むように向かって来る
それは大地を削るように大気を裂くように、空気が揺れ局地的な地震が起きた
ような強い揺れを発生させているようで、向かって来ている最中ですら足元から
感じさせ体を揺らしてくる・・・そのくせ体は動かず倒れる事も無くこのまま縛り
着けられたようにその揺れでは動く事がない、まるで泥の波ような見上げる程の
高さで視界の全てを埋め尽くすほどの黒いそれが、私に覆いかぶさり呑み込む
ただただ黒い波が視界を流れていく、体にはこの流れる物に流されているような
感覚を得ている・・・が当然動いてなどいない、この体と感覚のずれた様な違和感
精神への干渉か?その黒いそれからはあの大杯の中にあった血から感じたのと
同じような負の感情を感じるが、脅威を感る程のものでもなく精々あっても数千
から数万程度の人間の負の感情、悪意と言ったところか・・・細かくは判らないが
それだけだ、大した事は無いし危険度も低く物理的損傷も受けるものでは無い
精神に負荷を掛けて相手を弱らせるものだろうか?効きはしないのだが問題は
それに関係なく動けない事だ、いや少しづつだが動けるようになってきたか?
この黒いのは精神に干渉するだけでなく、さっきからずっと死ねだの殺すだのと
同じことをひたすら繰り返し、直接精神への干渉と音として響く騒音の両方で
騒がしくうっとおしい、静かにしていてくれれば言う事は無いのだがな・・・
ここまで来ると掛けてやる慈悲すらなくなってくる、うるさいのは嫌いなんだよ
「静かにしてくれないか?」
一応そう言ってみるものの・・・反応は無く、先ほどと変わらずうるさいままだ
あぁ嫌になる、ガンガンと頭に音が響き精神への干渉と音の不快さで嫌悪感より
不快感の方が強くなっていて、どことなく怒りが湧いてくる・・・ここまで自分が
感情的になる事に少々驚きすら感じれる客観的な思考と、さっさと殺し尽くせと
小さくこぼす感情的なようで静かな無感情の殺意が感情と思考で頭の中に並んで
両立している、のだが対処法は感情の方だけなので結果・・・滅殺と言う事になった
どこかその判断に喜んでいる自分が居るのを感じ取れる、思考はどうにでもしろと
言っているようでさっさと殺せと興味を失い、感情はやっと殺せると言う思いが
爆発したかのようでありながら、そこには何の熱も無くどこか他人事のようだ
自分で自分が判らなくなったような気分を味わいながら、結果自分は人間を演じて
それっぽい思考と感情の動きを作っただけなんじゃないかと結論をだした・・・が
まぁどうでもいい事だ、この世界ではそこまでして人間を演じる必要は無いからな
本能と言うべきか衝動が疼く・・・いやこれは私の本来の機能か?黒いもやに視界が
閉される中脳裏には闇が広がり、その闇より深く沈むような黒い物が見える
闇の中にある黒い物は殆ど周囲と同化していて、その形状を見る事は叶わない
ただ黒い棒のような物が見えるだけだ、しかしそれに納得すると同時に不用意に
近付くべきではないと脳内に警告が響く、どうやらまだその時では無いようだ
そしていつの間にか体が動く様になっていたため、一面の黒いもやを掻き分けて
前に進む、黒が消えて光が差せば目の前にアイレアンデスクルの姿がある・・・
どいつもこいつも男すら怯えた表情でこっちを見ている、そんな恐れるような
表情をしているのだろうか?まぁ少しは不快感が表情に出ているかもしれないが
その程度でしかない、ほとんど変化はないと思うんだが・・・いや別の要因か?
なんとなくではあるがこの魔物の核は唯一大人である男だ、周りの子供はそれが
引き寄せ連れているに過ぎない、繋がりがある物は男に関係する物であっても
核になっている訳ではないのだろう、思えば今まで隠す素振りも無かったし魂や
魔力の繋がる線はそのままだった、狙うだけ無駄で相手を惹き付ける囮として
使うつもりだった・・・いや使っているのかもしれない、あっちからの反応はどうも
判り難い、物理攻撃は効きにくいが相手が精神的なダメージを受けているのか
その気配は弱まっているような気がする、大まかな意思は魔物になっている事で
統一されているのだろうか?動きはバラバラだがやっている事は全て同じだし
しかし物理が効きにくいとなるとどうしたものか・・・あまり強い魔物ではないため
その生命力もそう多くは無いだろうから物理攻撃でも行けない事は無いか?
ありがたいことに適当に振っていれば複数当たるくらいに当たり判定は大きいし
こうなると数で攻めるのがいい、大剣より速い大刀か撒き込める大鎌のどっちか
よし大鎌でいこう、変形させながら群れの中心部まで突っ込み1回転し薙ぎ払う
「うわぁぁーー!」
周囲で騒がれて煩いが、精神的に追い込めているようだ・・・ゴースト種の魔物は
精神の影響を強く受ける魔物だからこその手段だ、子供を脅すと言うあまりいい
手段ではないが・・・実際有効なんだよな、統率を完全に取れなくっている
回りながら適当に振りまわすだけで、周囲全てを攻撃範囲内とし斬り付ける
「ウワァァーーー!」
さっきと叫びが変わったか!さっきのは怯えのようだったが、今のは負の感情の
発露・・・いや暴走?纏う空気や気配が変わった、これからが本番と言う事か
奴等の目の前で飛んでくるカースアローを防ぎ、時に敵ごと薙ぎ払い距離を保つ
こっちの攻撃は大して相手に効かず、相手の攻撃は確実にこっちを削っている・・・
優勢なのはあっちなのだが、子供だからなのか効いていなくとも十分な脅しには
なっており足並みが揃えれないまま攻撃を止め伏せる者達が増え、泣き出す者まで
出てきたと思えば他のも泣き出しかなりうるさくなった、頭の中でガンガンと音が
鳴っているような現状で耳を押さえてしまいそうだ、脚や腕が振るえ力が入り難く
なり視界が揺れて来る・・・!これもスキルか?鳴き声が大合唱となりその振動が
もろに直撃する、こんな至近距離に居るからか?離れれば効果は薄くなってくれる
と期待したいが、離れていいのか?それが目的での行動かもしれないんだぞ・・・
だめだ少し考えている内に少しづつ体の自由が利かなくなってきている、行動阻害
この感覚からすると・・・咆哮系のスキルか?どちらにせよ動きにくくなったな
体が重くなり動かす部位も硬くなって、動かすたびにぎこちなく震えているような
負荷のかかった動きになっている状態だ、動きを阻害したなら次にやって来る事は
正面から黒いもやが集まった煙の塊のような物が向かって来る、その動きは特別
速い訳でもない・・・がその球体のような形状が膨張し、弾けるようにして波の様に
大きく高く広がり、大きな波のような形状となって呑み込むように向かって来る
それは大地を削るように大気を裂くように、空気が揺れ局地的な地震が起きた
ような強い揺れを発生させているようで、向かって来ている最中ですら足元から
感じさせ体を揺らしてくる・・・そのくせ体は動かず倒れる事も無くこのまま縛り
着けられたようにその揺れでは動く事がない、まるで泥の波ような見上げる程の
高さで視界の全てを埋め尽くすほどの黒いそれが、私に覆いかぶさり呑み込む
ただただ黒い波が視界を流れていく、体にはこの流れる物に流されているような
感覚を得ている・・・が当然動いてなどいない、この体と感覚のずれた様な違和感
精神への干渉か?その黒いそれからはあの大杯の中にあった血から感じたのと
同じような負の感情を感じるが、脅威を感る程のものでもなく精々あっても数千
から数万程度の人間の負の感情、悪意と言ったところか・・・細かくは判らないが
それだけだ、大した事は無いし危険度も低く物理的損傷も受けるものでは無い
精神に負荷を掛けて相手を弱らせるものだろうか?効きはしないのだが問題は
それに関係なく動けない事だ、いや少しづつだが動けるようになってきたか?
この黒いのは精神に干渉するだけでなく、さっきからずっと死ねだの殺すだのと
同じことをひたすら繰り返し、直接精神への干渉と音として響く騒音の両方で
騒がしくうっとおしい、静かにしていてくれれば言う事は無いのだがな・・・
ここまで来ると掛けてやる慈悲すらなくなってくる、うるさいのは嫌いなんだよ
「静かにしてくれないか?」
一応そう言ってみるものの・・・反応は無く、先ほどと変わらずうるさいままだ
あぁ嫌になる、ガンガンと頭に音が響き精神への干渉と音の不快さで嫌悪感より
不快感の方が強くなっていて、どことなく怒りが湧いてくる・・・ここまで自分が
感情的になる事に少々驚きすら感じれる客観的な思考と、さっさと殺し尽くせと
小さくこぼす感情的なようで静かな無感情の殺意が感情と思考で頭の中に並んで
両立している、のだが対処法は感情の方だけなので結果・・・滅殺と言う事になった
どこかその判断に喜んでいる自分が居るのを感じ取れる、思考はどうにでもしろと
言っているようでさっさと殺せと興味を失い、感情はやっと殺せると言う思いが
爆発したかのようでありながら、そこには何の熱も無くどこか他人事のようだ
自分で自分が判らなくなったような気分を味わいながら、結果自分は人間を演じて
それっぽい思考と感情の動きを作っただけなんじゃないかと結論をだした・・・が
まぁどうでもいい事だ、この世界ではそこまでして人間を演じる必要は無いからな
本能と言うべきか衝動が疼く・・・いやこれは私の本来の機能か?黒いもやに視界が
閉される中脳裏には闇が広がり、その闇より深く沈むような黒い物が見える
闇の中にある黒い物は殆ど周囲と同化していて、その形状を見る事は叶わない
ただ黒い棒のような物が見えるだけだ、しかしそれに納得すると同時に不用意に
近付くべきではないと脳内に警告が響く、どうやらまだその時では無いようだ
そしていつの間にか体が動く様になっていたため、一面の黒いもやを掻き分けて
前に進む、黒が消えて光が差せば目の前にアイレアンデスクルの姿がある・・・
どいつもこいつも男すら怯えた表情でこっちを見ている、そんな恐れるような
表情をしているのだろうか?まぁ少しは不快感が表情に出ているかもしれないが
その程度でしかない、ほとんど変化はないと思うんだが・・・いや別の要因か?
なんとなくではあるがこの魔物の核は唯一大人である男だ、周りの子供はそれが
引き寄せ連れているに過ぎない、繋がりがある物は男に関係する物であっても
核になっている訳ではないのだろう、思えば今まで隠す素振りも無かったし魂や
魔力の繋がる線はそのままだった、狙うだけ無駄で相手を惹き付ける囮として
使うつもりだった・・・いや使っているのかもしれない、あっちからの反応はどうも
判り難い、物理攻撃は効きにくいが相手が精神的なダメージを受けているのか
その気配は弱まっているような気がする、大まかな意思は魔物になっている事で
統一されているのだろうか?動きはバラバラだがやっている事は全て同じだし
しかし物理が効きにくいとなるとどうしたものか・・・あまり強い魔物ではないため
その生命力もそう多くは無いだろうから物理攻撃でも行けない事は無いか?
ありがたいことに適当に振っていれば複数当たるくらいに当たり判定は大きいし
こうなると数で攻めるのがいい、大剣より速い大刀か撒き込める大鎌のどっちか
よし大鎌でいこう、変形させながら群れの中心部まで突っ込み1回転し薙ぎ払う
「うわぁぁーー!」
周囲で騒がれて煩いが、精神的に追い込めているようだ・・・ゴースト種の魔物は
精神の影響を強く受ける魔物だからこその手段だ、子供を脅すと言うあまりいい
手段ではないが・・・実際有効なんだよな、統率を完全に取れなくっている
回りながら適当に振りまわすだけで、周囲全てを攻撃範囲内とし斬り付ける
「ウワァァーーー!」
さっきと叫びが変わったか!さっきのは怯えのようだったが、今のは負の感情の
発露・・・いや暴走?纏う空気や気配が変わった、これからが本番と言う事か
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
導きの暗黒魔導師
根上真気
ファンタジー
【地道に3サイト計70000PV達成!】ブラック企業勤めに疲れ果て退職し、起業したはいいものの失敗。公園で一人絶望する主人公、須夜埼行路(スヤザキユキミチ)。そんな彼の前に謎の女が現れ「承諾」を求める。うっかりその言葉を口走った須夜崎は、突如謎の光に包まれ異世界に転移されてしまう。そして異世界で暗黒魔導師となった須夜埼行路。一体なぜ異世界に飛ばされたのか?元の世界には戻れるのか?暗黒魔導師とは?勇者とは?魔王とは?さらに世界を取り巻く底知れぬ陰謀......果たして彼を待つ運命や如何に!?壮大な異世界ファンタジーが今ここに幕を開ける!
本作品は、別世界を舞台にした、魔法や勇者や魔物が出てくる、長編異世界ファンタジーです。
是非とも、気長にお付き合いくだされば幸いです。
そして、読んでくださった方が少しでも楽しんでいただけたなら、作者として幸甚の極みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる