Re:ゼロ 魔人が行く異世界伝説(伝説では無い)

siroku

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10.神々の相克

二百八話 檻の中の魔物

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208話 人間の傲慢/服従しない者達

裂けた首から血が吹き出し床を赤く染める、それに檻の中の魔物達は興奮したのか
また騒ぎ出し、我先にと床を流れる血に群がり檻の外の死体を掴んで檻の中に
引き摺りこむ、細い檻の間を通る間に死体は潰されあちこちが砕け変形している
少し静かになったな、あの魔物は[プナイダ]か、2M程のコウモリのような姿で
翼を腕の様に使い掴んだり地上を移動する際の補助に使うようだ、飛行能力は
大して高さの無いここだと流石に確認出来ない、取り敢えずこいつ等は今放置で
いいだろう、この檻の扉に取っ手も鍵もないから遠隔で操作していると思われる
となると奥の扉が気になる、扉に小さな窓が付いているが人影等はまだ見えない
だがここらを管理しているんだろうから人は居ると思って動いた方が良いか
近付いて窓の奥を覗いてみるも、左と前に壁があるし右は端まで見えない位に
広めになっているようだ、2人に確認してもら・・・ってもう入っていた
「ここがこの階層の管理室のようだ」
「センサーや檻の管理をする部屋だな、こういうタイプはあんまり当てにならない
モンなんだが…随分と信頼しちゃってまぁ」
「機械なんぞ騙くらかす方法なんぞ幾らでもあると言うのに…」
「魔導具の導入した方が確実性は高いのになぁ…しかもこれ旧式じゃないか」
「これなら操作出来るがなにかいじっておくか?」
「じゃぁ取り敢えずセンサー系は停めておきたいな、他は・・・何かあるのか?」
「ちょっと待て…ふむふむ」
こっちに来て報告しては又中に入り、そして戻ってくる・・・と言うか別に
「制圧した方が早いんじゃないか?」
「いや待ってくれ、このプナイダの檻はどうやら上の階層に移動出来るようだ」
「上ってあの地下の研究所や教会か?」
「研究所までだな、ほら行き止まりになっていた扉があっただろう?その場所だ」
「成程…で制圧しない理由は?」
「反乱なり誤作動なりで混乱してくれた方がありがたいだろう?」
「ふむ…じゃぁいっか、上に送って解放してやるとするか」
「解放か?まぁ言う事は聞かんだろうから別の方法で外に出ないとならんが」
「ふむ、先に出てからじゃダメか」
「構わんが…場合によっては私達が引き寄せられて操作出来なくなるかもしれん」
「仕方ない、起動させてから混乱している中を抜けよう」
「では先に外へ向かってくれ」
奥の方へ戻っていく、そう言えば間に扉があるのに普通に会話できてたな…
霊との会話に壁は意味ないのか?っと関係の無いことを考えている内にプナイダの
檻が振動しゆっくり上に昇っていく、すると檻と部屋の中が両方慌ただしくなった
しかし操作されたら終わりなんじゃないかと思っていたが、檻の上昇は停まって
いないし操作出来ていないのか?ふむ…部屋の中で何やら慌ただしく動き回って
いるようだが、まぁいいか急いで戻るとしよう、開けた穴の所まで急いで戻る途中
何かが起きるはずも無く問題なく辿り着いた、その穴に跳んで半ば程で梯子を掴む
登って周囲を見渡して誰もいない事を確認し這い出る・・・狭いせいで中々に苦労した
入ってきた方の扉を問題が無さそうなのを確認して、もう一つの研究室に直通だと
思われる扉を確認する、別に鍵が掛かってる訳でも無く簡単に開いた…いいのか?
覗いてみると研究員らしき人物が2人居た、出ていくと見つかるか…とは言っても
今の状況だと既に大した問題でも無くなっているから気にしなくても良さそうだが
正面の扉が開けられ慌てふためく研究員が2人息を切らしながら入ってきた
既にプナイダが解き放たれていたようで、鳴き声や暴れる音で騒がしくなっている
暫くはこのまま待機していた方が良いか?どうせ通路に出てもプナイダと研究員の
相手をしなきゃいけないし、取り敢えずプナイダに幾らかこの階を掃除させてから
上に連れて行くのが良いかな、ちょうど外から扉が破壊された、扉を開ける知能
はないかもしれないが、叩いて壊すだけの筋力はあるようだ・・・3体のプナイダが
入り込んでくる、それぞれ引き千切った研究員の体を別けて咥えている、どうやら
血を吸っても肉は殆ど食べないようだ、地下でも血は吸っても肉は殆どそのまま
放り捨てられていたな、加えている死体を放り捨て生きている4人に向かっていく
しかし4人に怯えている様子はない、まぁこういった事故の時を想定して何かしらの
防御手段の1つはあるのだろう…今回は事故じゃなく故意だが、後ろから少し離れ
真っ直ぐ跳びかかった先頭の個体が電気の壁に阻まれる、電気がその体に流れて
焼いているのか僅かだが煙が出ている、すると後ろの2体が電気の壁に向かって行き
1体は焼かれている個体へ突進し押し込み、もう1体は隣で電気の壁に突き刺さる
これは知能の低さが起こしたもの…私も表情から彼らもそう思ったのだろう
彼らはプナイダを見下すように嘲笑っている、だが知能の低さは性能にはあまり
関係が無い、スペックの高さはそれだけで強さなのだから…押し込まれた個体は
電撃を受け体表から煙を出しながらも効いている様子もなく近くの研究員へと
噛み付き持ち上げる、その体表は黒く変色し炭化したのかポロポロと破片が落ち
周囲の皮膚が割れている、しかし噛み付いた研究員から勢いよく血を吸い上げ
血が抜け細くなっていく研究員に反し皮膚が再生していくプナイダ…どうやら
小さな怪我程度なら吸血で修復できるようだ、もしや檻を破壊せず中に大人しく
入っていたのは主食である血が定期的に手に入っていたからか?別に服従している
訳でも支配されている訳でも無いならこうなるか…一応このような事が起きた時の
予測と対処はしていたようだがまったく足りなかったな、後ろの2体も表皮を焼き
ながらも平然と電気の壁を越えてしまった、そう言えば最初の1体目は鳴き声を
上げていたが別に電気の壁では痛みで叫んではいなかったし、やっぱり大して
効いてなかったんだな、遂に残っていた研究員も悲鳴を上げながら噛み付かれた
とは言え既に食事をしていた1体目は、これ以上食べる気が無いのか食べれない
のかその腕で偉い人と思われる人物を捕まえたまま持ち上げて眺めている
やはり高い知能があるのか?研究員達は大して知能を持ってないとか言っていたし
研究資料にも知能は低めだと記載されていたが…奴らが研究員達を欺いていたのか
それとも研究員達がただのバカだったのか、どっちだろうか?眺めている分には
どっちも考えられる位に研究員達が愚かにしか思えない
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