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10.神々の相克

二百六話 地下探索

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206話 後ろ暗い事って何故か大抵地下だよね

正面の部屋にまだ人が居るとなると、入るどころか扉を開けるだけで見つかるかも
しれない以上後回しにするしかない、となるとまず左右の部屋の確認からか
「確認してこよう、では少し待ってくれ」
バルゼリットは右にバーゼスクライトは左に行った、取り敢えず中央から出てくる
人から見つかりにくいように右へ行き、誰か来るかもしれないため周囲を警戒して
ただ2人の報告を待つことにする…それにしてもここは周囲の音が聞こえにくいな
地下一体が防音仕様になっているのか?まぁこれなら少しくらい音を発てても別の
部屋に居る奴らに気付かれる事はないだろう、特に誰も出てこないか…すると
バルゼリットが帰って来た、随分早いが表情からあまりいい情報はなさそうだ
「残念ながら左は会議室なのか何もない部屋だった、右はごみ処理に使うだろう
小さめの炉があるだけで特に目を引く物は無かった」
右側はハズレだったようだ、まぁ何も無かったからこそ早く終ったんだろうけど
「残念ながら隠し通路らしき物も、書類の1枚すら無かった」
「書類1枚もか…徹底しているのか書類のような保存媒体を使ってないのか…」
「まぁ書類に関しては炉で燃やしているんだろう、まだ少し熱があったからな」
「そこら辺だと研究内容だろうから、大して重要じゃないからいいんだけど」
「兄者が随分時間を掛けているとなると、あっちは当たりやもしれんな…む」
「どうした?」
「通路の方から1人出てきた…こっちに来ているぞ、部屋に隠れた方が良い
俺はここで見張っておく」
扉を静かに開けて入る、確かに会議室らしく中央に大きな机があるだけの部屋だ
見る限り物はその机と囲むように置かれた簡素な椅子しかない、それ以外には
壁にある木の板だがこれも特に何の変哲もないただの打ち付けられた木の板で
棚や物を入れるような物が無いが、部屋は狭めであるためどこか圧迫感がある
天井には灯りだろう物と変な模様が描かれている、あの邪神を象ったものか?
良く見ると顔に見えなくもない…かも、どうやら人はこっちに来ないようだが
「さっきの奴は中央に入っていった、取り敢えず今は兄者を待つしかないな」
随分時間が掛かっているが、もしかして隠し部屋か通路でも見つけたのか?
それからまた待つことになった…さっき来た職員も戻っていったらしい
「ふぅ…戻ったぞ」
「遅かったじゃないか兄者」
「あぁちょっとな、隠し部屋らしきものがあったんだが…対霊がされていてな」
「霊では入れないのか…行ってみるとするか」
「左右どっちも道があってな、対霊されている場所があるのはのは右の方だ
左の部屋には随分資料があったが…見えた限りでは教国と法国やりとりの書類が
多かったし、今それは重要ではないから後で余裕があった時でもいいだろう」
「そうか…重要な事は書類にして置いて無さそうだしな」
「・・・まぁそれもある、法国も教国も国としての体裁を整えてないからな」
「国と言うかただの群衆でしかないがな」
外に出て一応周囲を確認し向かい、右の扉を開けると短い通路になっている
直線の通路で向こうには今までと違う扉がある、色々な道具が混ざった扉だ
「ここが通れんのだ、取り敢えず開けてみてくれないか?」
「あぁ、開いていれば俺らも入れるかもしれん」
とは言われたものの…触るとセンサーが反応する物だろうし、そもそも金属製で
かなり頑丈そうだし当然ロックされているだろうから開けるのに手間取りそうだ
「しかしこれはどうやって開けたものか…」
「普通に斬ればいいんじゃないか?」
「結局センサーが作動するだろうが、扉ではなく壁を斬ればいいのだ」
「成程!たしかにセンサーがあるのは扉だけだからな…壁には無い!」
やはりこの2人、兄弟だからかどちらも脳筋部分が似ていると言うか、思考…
いや好みが似通っているよな…特に物騒な方面では同じ結論に至っている
「まぁやってみるけど…ここも防音加工してそうだから音は気にしなくても
よさそうだし、中に誰かいると困るけど…にしてはあの地下の魔物達はこっち
じゃなくて反対側だよな?炉とかあった方」
「あぁ、だがそこに行ける道はあの中央の部屋からだろうな」
「となると、それ以外で重要な物が保管してあるか」
「他の可能性としてはここの管理者の部屋位だろうな」
壁の破壊は強度と厚さで難易度が変わる…そして経験も殆どない、無いよな?
だからうまくいくかどうか…まぁ前の木よりは薄いだろうしいけるか?
上段で構え振り下ろす、ガガッとそれなりの音を発てたものの問題なく斬れた
とは言えこれでは最早斬ると言うより、力ずくで引き裂いたと言った方が正しい
かもしれないが、切り口もガタガタしているし…しかしセンサーの反応も無い
ためこのままなら行けそうだ、中に人は居ないのか人の反応もなさそうだし
人が通れそうな位の幅を開けて横を同じ様に縦に斬る、奥の何かを巻き込んだ
ようで途中で一回止まるがそのまま振り下ろす、そこそこの高さの場所を横に
斬り縦に斬った場所と繋げる、扉に比べて通路が広くて良かった…上の切り口
を掴んで内側に引っ張る、普通に指がめり込んだ事に少し驚いた、流石に穴は
小さめだが通るには十分だろう、そういえば2人は入れるんだろうか
「やるな…素手でも行けそうだったな」
「流石にそれは無理だろう、それでどうだ?」
「まだ入れんな、壁がある」
「そうか、じゃぁ先に行って探って来るよ」
「うむ、それっぽいのがあったら壊すか回収するなりしておいてくれ」
「分かった…流石にちょっと小さかったか?」
なんとか穴を潜り抜けて入った所は、会議室より広い部屋で足元には両断された
木の机の残骸がありそれを踏みつけていた、通りでグラグラしていた訳だ
中にはやはり誰もおらず、明るさも十分あり結構豪華な内装をしている、装飾の
施された大きいベッドに幾つか調度品まである…恐らくここが管理者の部屋だろう
と思われる、もしかしたら違うのかもしれないがそんな事は今更いい、先ずは軽く
探索し魔道具を探さなければならない…が形状が判らない以上それっぽいのを
探して鑑定するしかない、取り敢えず部屋中に幾つか置かれている調度品からだな
何の用途で置かれているのか判らない壺はただの壺だったし、中にも何もなかった
その近くに置いてある木の置物やケースに飾ってある宝石と金属の装飾品も違った
ただの貴金属のようなので価値は余りなさそうだが回収しておく、他には砂時計や
鏡に絵画や木を編み込んだ置物?と邪神像と木の小さな箱位しかなさそうだったが
どれも魔道具ではなかった、となると何かの中にしまっているのか?あるのは低い
タンスと縦長の物入れ位だが、取りえずこの2つを探すしかないか
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