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10.神々の相克

二百三話 怪しい施設?

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203話 怪しいから調査

出て行った者達はさっき入っていった者達とは別だと思われる、殆ど見えないが
人数が少ないようだからそう思っただけだ、それにそんな早く出てくるなら確認
しに行ったバルゼリットが既に帰ってきてもおかしくないからな、そこまでまだ
経ってないが…軽く見るだけならもう十分な時間が経っていると思う、それでも
まだ終わらないのは中が広いのか細かく確認しているのか、それとも迷ったのか?
流石に無いな、外に出るなら上に向かっていけばいいだけなんだし…無いよな?
そこからまた少し待つ…とまた人が出てきたようだ、その中の影が1つこっちに
向かって来る、薄く見ずらいそれはバルゼリットだった、彼らと一緒に出たようだ
「悪いな待たせてしまったか?」
「まぁ思ったよりな、直ぐ終わると思っていたんだが」
「俺もだ、だが内部はかなり広い…と言うかメインは地下のようでな」
「地下?となるとあの建物はダミーか?」
「いやあれは従業員の施設らしい」
「それで地下か…どうだった?」
「あぁ広かったぞ、どうやら他の場所にもつながっているようでな」
「ふむ幾つか入口があるか」
「それで殆どが通路なんだがこれが広くてな、それで内部は出店があった」
「出店か…しかしこんな時間に?」
「当然普通の店ではないのだな?」
「その通り、基本的には奴隷売りや禁制品に高額な物を扱っている闇市のようだ」
「闇市か…うちにあるものとは違う違法なものではないか?」
「うちのは国の許可を受けてやっているが、高額な物を多く扱っているが故に闇市
となっているだけだしな」
「そりゃそうだろう、経済管理は基本だ…しかしここのは問題だな」
「国が管理している違法とは…」
「まぁ国によって法は違うが…教国はまだまだ未熟な後進国だからなぁ」
「まったく、いつになれば進歩するのか…永遠に無さそうなのが困る」
「教国はもう完全に切っていいだろう、法国の後追いのような国だ」
「そうだな、それで詳細は?」
「実の所ざっくりとしか見ておらんでな、あんまり詳しい事は判らんが
教会の管理下にあるのは確かだ、教会の人間がそれなりにいたしな」
「流石にそこへの潜入は無理だな」
「あぁやめた方が良いだろう、態々入る意味も大して無い」
「そうか、ならば次は教会にでも忍び込むか?」
「そうだな夜ならば人も少ないだろうからいいのではないか?」
「じゃぁ取り敢えず行ってみるか」
「教会はこの通りを真っ直ぐ行った大通りの右だ、この時間でも火があるから
見えはするだろう」
「今なら人はいなさそうだな」
音をたてないように素早く走り抜ける、なんだかんだこれも慣れてしまったな
進むと横に伸びる大通りに出た、この右か…遠くにだが明かりが見える
「あの明かりか?」
「そうだ、まだそこそこ離れているが道中に住宅地らしきものはない」
「なら早速行くか」
教会は正門から見て中央の奥に寄っているが、あの後ろが貴族の区画か?
教会への道中に人は居なかった、隠れるように移動する必要が無くて助かる
しかし教会の中は灯りが点いており、外には居ないが近づいてみると中から
まだそれなりにいるのか声が聞こえてくる、何を言っているのかは判らないが
複数人の声が重なっているし、教会らしく祈りや詠唱なりしているんだろうか
近くのガラスを覗いて中を見ようと思ったが、荒く見通しにくい質の悪いガラス
のせいで中の様子が全く分からない、上を見ると僅かに漏れる明かりとともに
煙が出ている、登ってみると四角の柱に雨を防ぐための天上が着けられている
煙突?らしきものがあった、覗いてみると煙に隠されて見辛いがさっき見ようと
していた場所が見えた、壁側に像がありその前で木を燃やしているようだ
その前に10人近くが僅かに囲むようにして横に並び、膝を着いて俯いている?
やはり何かを言っているが小さくて聞き取りずらい、高さ的には他の建物だと
ここは大体3階の屋根って所か?降りると流石に見つかってしまうか…
「お?すぐ下に通路があるぞ、そこなら降りても見つかる事はなかろう」
「そうか…まぁ入っておくか、近くに人は?」
「通路にはおらんし下からでは視線も通らんだろう」
頭から穴に入り両側の壁に手と足を着いて下側まで行く、通路は目の前なのだが
流石に掴む場所が無いからあそこに降りれないし、このまま降りれば下まで
一直線に落ちるだけだ、手すりには掴めるか?しかし脆そうだから体重が加わると
壊れてしまいそうなのも問題だ…ふーむ、煙に燻されるのはまぁ悪くはないが
このままと言う訳にもいかないしな、脚でなんとかひっついて上体を揺らしたその
勢いでなら全然届く距離だし、この高さならまず一旦壁に当たってから降りれば
音は出るが壊れる事はないだろう、余りにも脆すぎなければ…だが見る限り
手すりも床も木が朽ちている…ん?にしては随分綺麗だな、ここに手入れが行き
届いているって事は人が来ている?まぁ魔法の可能性もあるがいけるかもしれない
上体を揺らし勢いをつけ、前へ倒すと同時に脚を壁から離す天井に手を着いて
勢いを殺しながら軽く壁に手からあたり音を消す様に心がけた…うまくいったか
音はあまり出てなかったし床も壊れていない、流石に軋んではいるもののまだ
問題なさそうだ、移動する度に軋むが音もそこまでではないから下までは響いて
いないと思う、この通路の出入り口は扉1つしかないようなのでそこに向かう
…音が大きくなりそうなので装備は全て解除して亜空間倉庫に入れておく
最初の腰に布を巻いただけの姿、今では懐かしさすら感じる…そんな時間が
経っている訳でも無いのに、ローブ風にしていた布は見つかる可能性が高まる
だろうから隠密に向いてないし外すことにした、別にこの国でなら見つかっても
左程困らないからな、人探しさえ達成できればもうこんな国になんか用もないし
さて扉だ…木製の簡単な物で鍵は無さそうだ、キィと小さな音を立てて開いた
灯りの無い螺旋階段か…降りるだけだが音には気をつけないとな、装備を外して
おいて良かった、石製のおかげか音も殆ど出ないため早く降りれた、下から灯りが
見えてくるともう下に近く、明かりは扉の横にある松明のものだった、距離的に
降りたのは1階分か、扉に耳を当てて音を探るとピチョンピチョンと水滴が
落ちるような音が聞こえた、どこかで聞いたことがあるような音だと思う
「見てきたがその部屋に人はおらんぞ」
「正確には生きている者はと言うべきかもしれんが、いい気分はせんな」
「あぁ宗教とはイカレるとこうなるのだな、ただのカルトだ」
「これなら悪魔崇拝者の方が断然道徳的でマシだよ」
「まぁ意味のないことに意味を見出すのもまた宗教か?」
成程この音は血が滴り落ちる音だったか、道理で聞いたことがある訳だ
最近聞いたばかりだからな、解体する時にいつも聞いていた音なんだから
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