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10.神々の相克

二百二話 教国到着と闇夜の捜索

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202話 教国で闇の活動開始

外から見る限り白が多めで、帝国より杜撰と言うか雑そうな外壁と櫓があり
門も小さめでそこから見える内部にはこの時間帯だからか人も少なく活気が無い
そして入口の横には多分信仰している神であろう小さめの像が置かれていた
あれは法国にあった像の奴と同じだな、今では法国の下に着いたが故に同じ神を
信仰しているようだが、元は別の神を信仰していたと思うんだが…元からこの
神だったのか?と言うか邪神を国を挙げて信仰するって法国も教国もなんなんだ
おかしいんじゃないか?普通邪神って判ってて信仰しないと思うんだが…
そもそも神を信仰するのは、その宗教団体や信仰者に利益があるからする訳だ
もしくは宗教団体が権力や金を手に入れるために利用するものでしかないから
例え人間に利があったとしても、損失の方が大きいからこそ神として信仰せず
邪神として排斥するんだろうし、だからこそわざわざ邪神と別の種のように区別
している訳だろうから…邪神を利用して宗教の拡大が目的?いや無駄でしかない
信者は増えないだろうし、そもそも他の神に目を着けられるだけで損しかしない
まだ悪魔信仰の方が受け入れられるだろう、まぁ邪神と言う事は悪魔ではないはず
事実この邪神は他の世界から転生やら転移で人を持ってきている、だから神として
信仰するならまだ判らなくもないが…何故わざわざ邪神として信仰しているかが
判らない、もしかしてこの世界に元から居た6神とか3大神だったとかと対立でも
して信仰を求めているのか、いや外からやって来た頭が残念な神なのかもしれない
…どうやった所で敵対すれば勝ち目は無いのにご苦労な事だ、実際邪神ズグルメー
と言う名前は古い神を含んだとしても神達の中には存在しないはず、そんな名前
どこにも見当たらないし、その力も他の神達に比べかなり小さそうだ
門まで来たが入るにはどうするか…真正面から普通に入ってもいいがチェックが
面倒そうだし転移で入るのがいいかな、道を外れ壁伝いに移動し壁の上に転移し
乗らずに掴んで内側の様子を確認する、どうやらこの付近には誰も居なさそうだ
「転移でこんな簡単に入れるとは…まぁ仕方ないか」
「そうだな、まぁそれは仕方ないにしても杜撰なものだ」
「帝国では1度正式に入らなければ転移で入る際に警告がなるんだが」
「そんなものここには無いだろうよ、と言うか帝国にしかないんじゃ?」
「まぁな、1度普通に入れば効果が無い以上大した効果も見込めないし、そもそも
転移を防げる訳では無いからな…」
「ちょっとしたものでしかない訳だ」
「うむ、まぁ今回は無くて助かったな?」
「そうだな、まぁ転移が妨害されないならあっても同じだと思うが」
「内のは一応侵入者の情報が幾らか確認出来るから追われるぞ?」
「そうか…まぁ魔法は対応が厄介だな」
「まったくだ」
「む?静かにしたほうが良いぞ、まだ起きているのが居そうだ」
「そうだな…と言うか独り言だから聞かれたら不審者扱いだ」
「見た目が既に不審者のようなものだがな」
「・・・違いない」
そうやっている内に大通りの確認を行う、人は帝国に比べたら少ないものの
人通りはそこそこあるし店もまだ開いているようで、人目につきそうだ
「こんな時こそ裏路地なりを使うべきではないか?」
「道判んないんだけど」
「それは我々が確認すればよかろう、見られんしな」
「そうか、じゃぁ頼む」
「取り敢えず探すのは貴族の家とか教会か?」
「そうだな・・・後は怪しそうな場所かな、薄暗いことをやってそうな」
「成程…まぁそう言ったものは大体権威のある者が管理している事が多いか」
「この国の場合そのまま教会と繋がっているだろうからな…その方が楽か?」
どうやら2人もそこまでこの国の事に詳しく無いようだ、まぁ国交もないようだし
商人ですら教国と帝国、2つの国と繋がりを持つのは殆ど居ないらしい
「それは判らんが…木端の貴族に用は無いからな」
「それもそうだな、分かった少し周囲を探ってこよう」
2人は空を浮いて移動し…便利だなそれ、空から見下ろすバーゼスクライトと
地上の方を素早く動き回りながら見回るバルゼリット、その間に壁を伝う様に
移動する、薄暗い事をしている場所となれば少し離れたような場所やスラム街と
言った様な一般人がまず来ない場所が定番と言ったところだろうが…教国だと
そうは言えないからな、もしかしたら中央近くに偽装してあるかそのまま当たり前
のようにそんな施設があるかもしれないのが、この国の異様さを考えればありえる
から困る、陰に潜みながら移動して住宅地らしき場所から少し離れたと思われる
そんな所でこんな時間でありながら人が集まっている場所があった、店だろうか?
その場所も建物で陰になっているせいか見通しずらい、見える限りだと10人
居るか居ないか位に見えるが、なんでこんな所でそんなに集まっているのか…
先に行っていつの間にか確認しに近づいていたバルゼリットが戻ってきた
「奴ら身なりが良かった、商人か貴族か…」
「教会の奴かもしれないな」
身なりが良いか…確かにどれもありうる、ただ貴族も商人も教会の傘下だとすると
全員教会の人間扱いでいいかもしれない…それにそんな人間が集まっていると
なれば、怪しい場所である可能性が十分にある…ただの会合や会食だと困るが
「ふむ…主が中に入るのは無理そうだな、入口に警備員か受付か判らんが居た」
「身なりが良いのは何人いた?」
「6人中4人だ、内2人は護衛だろう」
6人か…10人近くに見えたのは影のせいだったか、中を確認したい所だが
「こういう時の霊体だ、俺が中を見てこよう」
集団の近くまで行きその隣で壁をすり抜け入っていく、後は待つしかないな
壁に背を預け隠れるようにして待つ、この近くに人気は感じられ無いが住宅地も
そこまで距離が離れていないし、まだ人目に付く距離の場所である以上は気にして
おいて損は無いだろう、こういう時は黒い布だと闇に紛れれるし助かるな
そのままじっとしていると空からバーゼスクライトが帰ってきた…降りてきた?
「まぁ大まかには判ったぞ、教会は見た目からして判り易かったしな…」
「ふむ、まぁ場所が分かれば十分」
「随分豪華だったよ、まぁ王にとっての城の代わりだろうからな」
「また随分と歪な国だな」
「まったくだ…おそらく金は教会に集中しているんだろう、見えた限りだと
文化的な発展も見られず区分けすらされていない、民は困窮していそうだ」
「なんだか住民を相手するのも面倒そうだな」
ただ待っているだけだ…見ていると対象の施設らしき場所から何人か出てきた
こっちに向かって来る様子は無いな、やはり彼らは一般市民ではなさそうだ
「向かった先は教会関係者…と思われる者達の住宅地だな」
「思われる?」
「あぁ確定ではない、私が見た限りでそう見えただけだからな」
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