197 / 324
9.新たな一歩
百九十五話 古代の森のこれは異様な生態?
しおりを挟む
195話 戦闘本能は生存本能を凌駕する?
雷球に向けていた視界の端にふと映ったクィグナンを見ればその下半身が見るも
無残な姿になっていた、剣を長刀に変えて口に咥え腕で跳ねる様にして距離を取り
ながら奴の状態を確認する、直撃したであろう左下半身は殆どが消し飛んだのか
僅かな焼き焦げた肉がこびりつく様に残った骨だけがあった、右の方も焼けたのか
あの状態でも出血は無いようだ、そのまま視線を上半身に向けると傷のないまま
やはり放電では自傷しないようだ、既に死に体・・・いや死んでいるだろう状態だ
しかしふと何かが気になりそのまま頭部に視線を持っていく、その眼と眼が合う
生きている・・・随分と生命力の高い奴だ、私のこの無様な姿を嗤っている様で
この闘争や来る死を笑っている様でもある笑みの形に口を歪め、しかしその眼は
ただこちらを射抜く様に見詰めている、いや笑っているかどうかなど判るはずが
無いのだが・・・どうしてかそう感じる、そしてその眼に籠められた意志・・・当然
判るはずもない、だがまだ終わってなどいないとそう言っている様な気がする
だが何よりも問題なのは、この状態で咆哮を喰らったら終わりだと言う事だ
ならこのまま奴から距離を取るか?奴が動けないとは限らないのに?速度なら
今の私より速く動けるだろう、ならばこのまま奴に向かって突っ込んでみるか?
反撃されるかその間に咆哮されれば終わるのに?ならこの距離のまま雷球から
逃げるだけにする?当然ありえない選択肢だ、ならもう突っ込むしかないよなぁ
膝から下はまだ痺れて動かせないため、体を揺らして向かう方向を奴に変える
(雷球から距離を離しながら突っ込む?いいや違うよな?そんな情けない選択肢
ありはしない、このまま最短で真っ直ぐに!お前に向かう!そうだよな?)
地面を叩く様にして脚を引きずり打ち付けながら進む、奴の近くまで向かい
もう届くだろう距離で咥えている長刀を離し、地面を強く押し叩き大きく跳ぶ
(それ以外じゃ「ワレラノタマシイハミタサレナイ!」よなぁ!)
「グルルォォォアァァアアァァァァァ!」
私の言葉に奴は血を吐きながら叫ぶ、スキルの咆哮ではないただの叫び
右腕に力を込める、今まで入れたことがない全力を、奴も右前脚を持ち上げ
腹部程で止まりそれ以上腕は上がる事は無く、その首へと右腕を突き刺す
元から限界だったのだろう、口を開いた瞬間に大量の血を吐き出していた
最初から腕を振り上げるだけの力も咆哮を放つ体力も無かったのだ・・・
肉体は事実死んでいて、気力だけで最後まで立っていたと言う事か
ただ力尽きて死ぬか、それとも私に殺されて終わるか…最後のあの眼は
私の選択への期待だったのだろうか…後ろを向けば雷球が迫ってくる
残念ながらそれは判らなかったが、お前の骸を雷球で消されるのは御免だな
どこか通じ合えた気がするんだ、だから自分自身が満足するために護る
脚はまだ痺れているが少し動くようになった脚で急いでマガセビを拾いに行き
既に目の前まで向かって来ている雷球へ構え、同時に自己加速を掛けておく
その雷球へと上段から長刀を振り下ろす、放電が腕に当たり少し焼ける
切り返す様に右上へ向かってと跳ね上げ、放電に掠り、右から左へと振り斬り
放電が両腕当たる、振り切った左から持つのを右手だけにし右へと斬る、そして
左上に斬ってまた両手で持ち上段から振り下ろす、放電に左腕が撃たれる
今度は左上に斬り上げて少し痺れる左手を離し左から右に振り斬り、そこからまた
繰り返すように幾度も斬りつける、そして雷球が分断されたように拡散していく
加速が切れると同時に最後に左から右へと肘まで焼け爛れた右腕を振り抜き
分散した雷撃は速度を大いに増して斜め後方へと通り抜けていく、空に向けて
飛んでいくものや地面に当たり弾け電気が四方に飛び散りながら土を弾き飛ばす
木に当たった物は表面を焦がすどころかめり込んで・・・[グォアァァァ]
いや当たったのは魔物だったようでくぐもったような叫び声を上げている
それにしても拡散しているというのに威力が高い、ついでに私の右腕にも
当たったようで消し飛んだ、二の腕の半ばから下が全て消し飛んでいる
傷口は焼けているようで出血は少ない、出血と言っても黒い液体が零れている
だけで特に問題は無い、マガセビは無事だがクィグナンのそばに飛ばされていた
だがもう雷球は消えている、だがこれでは奴を解体できない・・・取り敢えず
骸の元まで行ってマガセビを回収したが、どうしたものか…ん?木の魔物が
こっちに向かって来ている、私のせいでは無いのだが・・・まぁ仕方ないか
見て判るほど弱っているのだから大人しくしていた方がいいと思うんだがなぁ
少々慣れない左手にマガセビを持つ、右腕がないせいで動く際のバランスが狂う
無くなった右腕から鈍い僅かな痛みを感じ、まだ力が入り疼く感覚が残っている
大した速さの無い動く木[モズトレント]ネイチャー種で最も有名と言っていい
トレント系と系の名前にも使われる程のトレント系の代表格だ、まぁ強さ自体は
大した事は無い、化けて襲うから厄介者とされて危険度が高い魔物であるが
トレントと着く魔物の中では最弱でネイチャー種でも最下級とされる基本的な魔物
知性云々の情報は無かったはずだし、化けて奇襲が種族の本能的な物だとしたら
こういうものなのか?さてこのまま長刀で行くか大剣に変えるべきか…
あっちの損傷は大きいから抉れた部分に一撃さえ入れてしまえば十分かな?
出来る限り大きく動かず相手の行動を待って、相手の攻撃範囲と思わしき距離に
入る寸前に前方に跳躍し体を捻る様にして抉れている部分に叩き込む
めり込んだところで押し付けながら素早く引き抜く、両断できなかったが
自分の体を支えきれないようでへし折れて倒れた、おそらくこれで死亡したはず
確認のために小突いてみるも反応は無い、まずは周囲の警戒・・・何もなさそうだ
落ち着いたな、となると状態確認っと・・・右腕が肘と肩の間から下が消失
装備品も無くなったか?グローブは消失、指輪は・・・溶けて変わっているが
残骸を見つけた、どうやらこいつは雷属性に強かったのかもしれない
一応まだ効果は残っているかもしれないから回収しておこう、直すか改造で
新しい装備になれば役立つだろう、さて大した問題なし解体を始めよう
取り敢えず頭部と残った上半身の毛皮を剥ぎ取る、亜空間倉庫に余裕が無いし
試しにやってみた所入れれた毛皮はいいとして、頭部はどうするかな…
なんか適当に入れている物があった気がする、確か木の枝やら箱やらがあったな
火を着けて木の枝を燃やしいらない紙製の箱や板を燃やす、ちょっとしか
空間は開かないから足りないか、くっ要らない物がまだ幾つかあったな
置いてこればよかった、保存食とか飲み物は置いてきても良かったかもしれない
肉と骨は回収するが内臓は火に入れて・・・ん?思ってたより細いなこいつ
肉が薄いし内臓も消し飛んでないだろうに少なめだ、処理が楽で助かるけど
ふむ?食料を確保できてなくて飢えてたのか?さて少し荷物の確認しておくか
雷球に向けていた視界の端にふと映ったクィグナンを見ればその下半身が見るも
無残な姿になっていた、剣を長刀に変えて口に咥え腕で跳ねる様にして距離を取り
ながら奴の状態を確認する、直撃したであろう左下半身は殆どが消し飛んだのか
僅かな焼き焦げた肉がこびりつく様に残った骨だけがあった、右の方も焼けたのか
あの状態でも出血は無いようだ、そのまま視線を上半身に向けると傷のないまま
やはり放電では自傷しないようだ、既に死に体・・・いや死んでいるだろう状態だ
しかしふと何かが気になりそのまま頭部に視線を持っていく、その眼と眼が合う
生きている・・・随分と生命力の高い奴だ、私のこの無様な姿を嗤っている様で
この闘争や来る死を笑っている様でもある笑みの形に口を歪め、しかしその眼は
ただこちらを射抜く様に見詰めている、いや笑っているかどうかなど判るはずが
無いのだが・・・どうしてかそう感じる、そしてその眼に籠められた意志・・・当然
判るはずもない、だがまだ終わってなどいないとそう言っている様な気がする
だが何よりも問題なのは、この状態で咆哮を喰らったら終わりだと言う事だ
ならこのまま奴から距離を取るか?奴が動けないとは限らないのに?速度なら
今の私より速く動けるだろう、ならばこのまま奴に向かって突っ込んでみるか?
反撃されるかその間に咆哮されれば終わるのに?ならこの距離のまま雷球から
逃げるだけにする?当然ありえない選択肢だ、ならもう突っ込むしかないよなぁ
膝から下はまだ痺れて動かせないため、体を揺らして向かう方向を奴に変える
(雷球から距離を離しながら突っ込む?いいや違うよな?そんな情けない選択肢
ありはしない、このまま最短で真っ直ぐに!お前に向かう!そうだよな?)
地面を叩く様にして脚を引きずり打ち付けながら進む、奴の近くまで向かい
もう届くだろう距離で咥えている長刀を離し、地面を強く押し叩き大きく跳ぶ
(それ以外じゃ「ワレラノタマシイハミタサレナイ!」よなぁ!)
「グルルォォォアァァアアァァァァァ!」
私の言葉に奴は血を吐きながら叫ぶ、スキルの咆哮ではないただの叫び
右腕に力を込める、今まで入れたことがない全力を、奴も右前脚を持ち上げ
腹部程で止まりそれ以上腕は上がる事は無く、その首へと右腕を突き刺す
元から限界だったのだろう、口を開いた瞬間に大量の血を吐き出していた
最初から腕を振り上げるだけの力も咆哮を放つ体力も無かったのだ・・・
肉体は事実死んでいて、気力だけで最後まで立っていたと言う事か
ただ力尽きて死ぬか、それとも私に殺されて終わるか…最後のあの眼は
私の選択への期待だったのだろうか…後ろを向けば雷球が迫ってくる
残念ながらそれは判らなかったが、お前の骸を雷球で消されるのは御免だな
どこか通じ合えた気がするんだ、だから自分自身が満足するために護る
脚はまだ痺れているが少し動くようになった脚で急いでマガセビを拾いに行き
既に目の前まで向かって来ている雷球へ構え、同時に自己加速を掛けておく
その雷球へと上段から長刀を振り下ろす、放電が腕に当たり少し焼ける
切り返す様に右上へ向かってと跳ね上げ、放電に掠り、右から左へと振り斬り
放電が両腕当たる、振り切った左から持つのを右手だけにし右へと斬る、そして
左上に斬ってまた両手で持ち上段から振り下ろす、放電に左腕が撃たれる
今度は左上に斬り上げて少し痺れる左手を離し左から右に振り斬り、そこからまた
繰り返すように幾度も斬りつける、そして雷球が分断されたように拡散していく
加速が切れると同時に最後に左から右へと肘まで焼け爛れた右腕を振り抜き
分散した雷撃は速度を大いに増して斜め後方へと通り抜けていく、空に向けて
飛んでいくものや地面に当たり弾け電気が四方に飛び散りながら土を弾き飛ばす
木に当たった物は表面を焦がすどころかめり込んで・・・[グォアァァァ]
いや当たったのは魔物だったようでくぐもったような叫び声を上げている
それにしても拡散しているというのに威力が高い、ついでに私の右腕にも
当たったようで消し飛んだ、二の腕の半ばから下が全て消し飛んでいる
傷口は焼けているようで出血は少ない、出血と言っても黒い液体が零れている
だけで特に問題は無い、マガセビは無事だがクィグナンのそばに飛ばされていた
だがもう雷球は消えている、だがこれでは奴を解体できない・・・取り敢えず
骸の元まで行ってマガセビを回収したが、どうしたものか…ん?木の魔物が
こっちに向かって来ている、私のせいでは無いのだが・・・まぁ仕方ないか
見て判るほど弱っているのだから大人しくしていた方がいいと思うんだがなぁ
少々慣れない左手にマガセビを持つ、右腕がないせいで動く際のバランスが狂う
無くなった右腕から鈍い僅かな痛みを感じ、まだ力が入り疼く感覚が残っている
大した速さの無い動く木[モズトレント]ネイチャー種で最も有名と言っていい
トレント系と系の名前にも使われる程のトレント系の代表格だ、まぁ強さ自体は
大した事は無い、化けて襲うから厄介者とされて危険度が高い魔物であるが
トレントと着く魔物の中では最弱でネイチャー種でも最下級とされる基本的な魔物
知性云々の情報は無かったはずだし、化けて奇襲が種族の本能的な物だとしたら
こういうものなのか?さてこのまま長刀で行くか大剣に変えるべきか…
あっちの損傷は大きいから抉れた部分に一撃さえ入れてしまえば十分かな?
出来る限り大きく動かず相手の行動を待って、相手の攻撃範囲と思わしき距離に
入る寸前に前方に跳躍し体を捻る様にして抉れている部分に叩き込む
めり込んだところで押し付けながら素早く引き抜く、両断できなかったが
自分の体を支えきれないようでへし折れて倒れた、おそらくこれで死亡したはず
確認のために小突いてみるも反応は無い、まずは周囲の警戒・・・何もなさそうだ
落ち着いたな、となると状態確認っと・・・右腕が肘と肩の間から下が消失
装備品も無くなったか?グローブは消失、指輪は・・・溶けて変わっているが
残骸を見つけた、どうやらこいつは雷属性に強かったのかもしれない
一応まだ効果は残っているかもしれないから回収しておこう、直すか改造で
新しい装備になれば役立つだろう、さて大した問題なし解体を始めよう
取り敢えず頭部と残った上半身の毛皮を剥ぎ取る、亜空間倉庫に余裕が無いし
試しにやってみた所入れれた毛皮はいいとして、頭部はどうするかな…
なんか適当に入れている物があった気がする、確か木の枝やら箱やらがあったな
火を着けて木の枝を燃やしいらない紙製の箱や板を燃やす、ちょっとしか
空間は開かないから足りないか、くっ要らない物がまだ幾つかあったな
置いてこればよかった、保存食とか飲み物は置いてきても良かったかもしれない
肉と骨は回収するが内臓は火に入れて・・・ん?思ってたより細いなこいつ
肉が薄いし内臓も消し飛んでないだろうに少なめだ、処理が楽で助かるけど
ふむ?食料を確保できてなくて飢えてたのか?さて少し荷物の確認しておくか
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
開発済みののじゃロリエルフは絶対服従
プルルペルル
ファンタジー
見た目は幼いがその年齢は余裕で四桁を超えるの彼女はエルフ。
千年以上ゴブリンやオークに侵され続けたり、街の肉便器として使わていた彼女はありとあらゆる快楽を叩き込まれた。
男根を見せられれば腰が抜け、服従してしまうほどの調教を施されている彼女は今、平穏を手に入れていた。
千年以上請い願った平穏。
大賢者と呼ばれ世界最高の学び舎の学長となった彼女の平穏は、ほんの少しの油断で奪われてしまうのだった。
※思い付きと勢いで書いているので物語性は薄いです
【R18】アリスエロパロシリーズ
茉莉花
ファンタジー
家族旅行で訪れたロッジにて、深夜にウサギを追いかけて暖炉の中に落ちてしまう。
そこは不思議の国のアリスをモチーフにしているような、そうでもないような不思議の国。
その国で玩具だったり、道具だったり、男の人だったりと色んな相手にひたすらに喘がされ犯されちゃうエロはファンタジー!なお話。
ストーリー性は殆どありません。ひたすらえっちなことしてるだけです。
(メインで活動しているのはピクシブになります。こちらは同時投稿になります)
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる