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8.転輪
百七十八話 死者の祝福
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178話 悪は朽ち果て魂は救われた
視界を埋めつくす程の魂達の直進、まだ回避も出来るが···避けるな、と
これは心の声?いや魂の声?それとも理性や本能、直感といったものか?
それに従い向かってくる魂達を受け入れる、視界を埋めつくし体に触れると
通り抜ける事はなく、軽い衝撃を受けるとそれは体に取り込まれていく
感情も意思もない、流れ込んでくる魂をエネルギーとして取り込んでいるようだ
取り込んでいく程に体の奥が熱くなってくる、さっきの炎とはまた違う熱さ
そして埋めつくされた視界に違うものが映る、人の上半身のような青白い存在が
浮かんでは消えていく景色が続く、体に取り込まれていく度にそれは起きた
あれは恐らく魂の人格なのだろう、ならば取り込んでいるこれは無色の魂···
生命の力であり死の力でもある、そして純粋なただの力でもあるエネルギーだ
彼らはそのエネルギーを差し出しているのだろう···恩返しと思えばいいのか?
だがこれが普通の人間だったら、肉体や精神に魂が耐えきれず崩壊しているぞ
そしてさっきの男みたいに長い時を経て朽ち果てたように散ることになる
ならばバルゼリットが目を伏せたのは···2人はこうなる事が分かっていたのか?
いやそれともた···なんだっけか死者へのあれ、鎮魂の祈り?や魂の見送りを
していただけなのかもしれない、埋葬意外の死者への対応を知らないんだよな
そんな事を考えながらもまだ終わらない、まぁ全て来ているわけではないようだが
数万程の魂だし直ぐには終わらないか、取り込んでいく度に内側から膨れ上がる
ような力の集束と奔流が強くなっていくのを感じる、体が膨張しているのではと
錯覚するほどに自身の肉体よりも広く大きく外のものすら内側にある感じがする
それが内に溜め込まれ肉体と言う器を補強していく、自分の魂と言える物への
干渉は感じていないのだが···もしかして私には魂がないのではなかろうか?
それなら魂の干渉でありながらその干渉を魂が受けないのも頷ける、そもそも
本来は魂を取り込む事によって魂の強度なりも増す、肉体ではなく魂を強化する
儀式のようなもののようだからな、まぁとは言っても邪法のようで使うのは禁忌
とされていたようだ···ん?なんでこんな事が分かったんだ?知識まで増えた?
いや別に彼らの知識や記憶等を見たり、得たわけでは無いようだが···これは
魂に干渉するこの儀式及び魔法の知識か、喰らったから知識を得たわけではない
となるとこのスキルでも習得したか?む···ぐぅ流石にそろそろキツイか
またもや内側から弾けそうな力の渦が、外に出ようとするかの如く体を叩き
暴れて回る、それを抑えようとするもその力そのものに自分では干渉できず
あるがまま受け入れるしかない、そろそろ向かってくる魂にも終わりが見え初め
増幅していく力も膨張する感覚もゆっくりになっていき、揺れ動くその感覚は
定着しているのか集束していき次第に弱くなっていく、全ての魂が天に昇る?
頃には完全に収まっていた、内にあった熱も引いていき感覚はもう元に戻っている
だが力は強くなった感覚がある、いやステータスが伸びているんだろう
確認しておかないと、しかし先ずは残った連絡員らしき彼と話をしなければ
少しふらつく体を引き摺るようにして彼らに近づく、驚いている様子だが
「驚きました、魂その物ではないとしてもあれだけの魂が持つ力を受けて
その形を保ち生きておられるとは、やはりあなたは特殊な存在ですね」
話し掛ける前にそう言われたが、やはり人間所か魔物も耐えられないだろうが
「とはいえ耐えれる者もいるでしょう?」
「そうだとしても変異や変質を起こします、元の存在とは別の者になるでしょう
そもそも耐えられるのが高位の存在だけでしょうがね」
高位の存在か、確かドラゴンや悪魔に高位存在が多かったはずだ
前に会ったあの灰骸の王も高位存在に当たるかもしれない
「まぁそれはともかくとして、私の役目の1つは終わりました」
やはりあの男の最後、結末を見届けるのが役目の1つだったようだ
「そして2つめが貴方への報酬ですね、金銭に関しては期待しないでいただきたい
我々は基本的に金銭を利用しませんので量がないのです」
まぁ妖精には必要ないだろうな、使う宛も先も無いだろうし
「なので物品になりますね、換金用の物はありますので大丈夫ですよ
物品としては金属や自然素材なら余裕がありますが武具や魔道具などはあまり」
ふむ···かといって特に入り用な物はないし、素材なら確かに欲しいのだが
求める物と一致しているとは限らないからな、適当に種類を集める積もりだったし
まぁ適当に種類を貰うのもありだが、そうなると持ち運ぶのが面倒だ
もう亜空間倉庫に余裕がないから、そっちをどうにかしないといけなくなる
やはり何処かに拠点を作った方がいいか、ん?拠点を貰うのもありか?
「拠点となる施設を貰う事も出来るか?」
「拠点ですか···家となると難しいですな、水を引けませんし都市からも外れます
箱だけなら問題ありませんが魔物にいつ襲撃されるか判りませんよ?」
「拠点として使えるのであれば構いません」
「わかりましたそれぐらいであれば直ぐに用意できます、どこに造ります?」
「あんまり都市から離れた場所に作りたくはないが···近くても問題か?」
多分気にはされないと思うが、近くに家が出来ると警戒されるかもしれない
「別に気にしなくてもいい、都市の内部でないなら自由にしてくれてかまわん」
皇子から許可も貰ったしそれなら大丈夫か、なら近場にするとして···森か山か
どっちも今なら魔物が居なくなっているだろうから、森?いや荒らされないなら
山の方がいいか、少し距離は離れるが人目にも着きにくいし···そうなると
他のメンバーには使用できないか?上に造るとどうしても転移や移動手段がないと
何より落ちると危険だ、となると下に造るか?山と言っても高いだけで幅はないし
「ならば首都の近くにあるあの細い山、その裏手に用意してくれると助かる」
「構いませんよ、今日の夜までには終わっていますので、いつからでもどうぞ
ではこれで失礼します」
そう言うと同時に消えた、ふむ取り敢えず帰って報告しておくか
視界を埋めつくす程の魂達の直進、まだ回避も出来るが···避けるな、と
これは心の声?いや魂の声?それとも理性や本能、直感といったものか?
それに従い向かってくる魂達を受け入れる、視界を埋めつくし体に触れると
通り抜ける事はなく、軽い衝撃を受けるとそれは体に取り込まれていく
感情も意思もない、流れ込んでくる魂をエネルギーとして取り込んでいるようだ
取り込んでいく程に体の奥が熱くなってくる、さっきの炎とはまた違う熱さ
そして埋めつくされた視界に違うものが映る、人の上半身のような青白い存在が
浮かんでは消えていく景色が続く、体に取り込まれていく度にそれは起きた
あれは恐らく魂の人格なのだろう、ならば取り込んでいるこれは無色の魂···
生命の力であり死の力でもある、そして純粋なただの力でもあるエネルギーだ
彼らはそのエネルギーを差し出しているのだろう···恩返しと思えばいいのか?
だがこれが普通の人間だったら、肉体や精神に魂が耐えきれず崩壊しているぞ
そしてさっきの男みたいに長い時を経て朽ち果てたように散ることになる
ならばバルゼリットが目を伏せたのは···2人はこうなる事が分かっていたのか?
いやそれともた···なんだっけか死者へのあれ、鎮魂の祈り?や魂の見送りを
していただけなのかもしれない、埋葬意外の死者への対応を知らないんだよな
そんな事を考えながらもまだ終わらない、まぁ全て来ているわけではないようだが
数万程の魂だし直ぐには終わらないか、取り込んでいく度に内側から膨れ上がる
ような力の集束と奔流が強くなっていくのを感じる、体が膨張しているのではと
錯覚するほどに自身の肉体よりも広く大きく外のものすら内側にある感じがする
それが内に溜め込まれ肉体と言う器を補強していく、自分の魂と言える物への
干渉は感じていないのだが···もしかして私には魂がないのではなかろうか?
それなら魂の干渉でありながらその干渉を魂が受けないのも頷ける、そもそも
本来は魂を取り込む事によって魂の強度なりも増す、肉体ではなく魂を強化する
儀式のようなもののようだからな、まぁとは言っても邪法のようで使うのは禁忌
とされていたようだ···ん?なんでこんな事が分かったんだ?知識まで増えた?
いや別に彼らの知識や記憶等を見たり、得たわけでは無いようだが···これは
魂に干渉するこの儀式及び魔法の知識か、喰らったから知識を得たわけではない
となるとこのスキルでも習得したか?む···ぐぅ流石にそろそろキツイか
またもや内側から弾けそうな力の渦が、外に出ようとするかの如く体を叩き
暴れて回る、それを抑えようとするもその力そのものに自分では干渉できず
あるがまま受け入れるしかない、そろそろ向かってくる魂にも終わりが見え初め
増幅していく力も膨張する感覚もゆっくりになっていき、揺れ動くその感覚は
定着しているのか集束していき次第に弱くなっていく、全ての魂が天に昇る?
頃には完全に収まっていた、内にあった熱も引いていき感覚はもう元に戻っている
だが力は強くなった感覚がある、いやステータスが伸びているんだろう
確認しておかないと、しかし先ずは残った連絡員らしき彼と話をしなければ
少しふらつく体を引き摺るようにして彼らに近づく、驚いている様子だが
「驚きました、魂その物ではないとしてもあれだけの魂が持つ力を受けて
その形を保ち生きておられるとは、やはりあなたは特殊な存在ですね」
話し掛ける前にそう言われたが、やはり人間所か魔物も耐えられないだろうが
「とはいえ耐えれる者もいるでしょう?」
「そうだとしても変異や変質を起こします、元の存在とは別の者になるでしょう
そもそも耐えられるのが高位の存在だけでしょうがね」
高位の存在か、確かドラゴンや悪魔に高位存在が多かったはずだ
前に会ったあの灰骸の王も高位存在に当たるかもしれない
「まぁそれはともかくとして、私の役目の1つは終わりました」
やはりあの男の最後、結末を見届けるのが役目の1つだったようだ
「そして2つめが貴方への報酬ですね、金銭に関しては期待しないでいただきたい
我々は基本的に金銭を利用しませんので量がないのです」
まぁ妖精には必要ないだろうな、使う宛も先も無いだろうし
「なので物品になりますね、換金用の物はありますので大丈夫ですよ
物品としては金属や自然素材なら余裕がありますが武具や魔道具などはあまり」
ふむ···かといって特に入り用な物はないし、素材なら確かに欲しいのだが
求める物と一致しているとは限らないからな、適当に種類を集める積もりだったし
まぁ適当に種類を貰うのもありだが、そうなると持ち運ぶのが面倒だ
もう亜空間倉庫に余裕がないから、そっちをどうにかしないといけなくなる
やはり何処かに拠点を作った方がいいか、ん?拠点を貰うのもありか?
「拠点となる施設を貰う事も出来るか?」
「拠点ですか···家となると難しいですな、水を引けませんし都市からも外れます
箱だけなら問題ありませんが魔物にいつ襲撃されるか判りませんよ?」
「拠点として使えるのであれば構いません」
「わかりましたそれぐらいであれば直ぐに用意できます、どこに造ります?」
「あんまり都市から離れた場所に作りたくはないが···近くても問題か?」
多分気にはされないと思うが、近くに家が出来ると警戒されるかもしれない
「別に気にしなくてもいい、都市の内部でないなら自由にしてくれてかまわん」
皇子から許可も貰ったしそれなら大丈夫か、なら近場にするとして···森か山か
どっちも今なら魔物が居なくなっているだろうから、森?いや荒らされないなら
山の方がいいか、少し距離は離れるが人目にも着きにくいし···そうなると
他のメンバーには使用できないか?上に造るとどうしても転移や移動手段がないと
何より落ちると危険だ、となると下に造るか?山と言っても高いだけで幅はないし
「ならば首都の近くにあるあの細い山、その裏手に用意してくれると助かる」
「構いませんよ、今日の夜までには終わっていますので、いつからでもどうぞ
ではこれで失礼します」
そう言うと同時に消えた、ふむ取り敢えず帰って報告しておくか
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