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8.転輪

百七十四話 王の拘束が任務

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174話 生きて捕まえるのって難しくないか?

通路に戻って周囲を確認する、特に音も聞こえないが番兵が居るかもしれない
進めば広くはないが開けた場所に出る、外への扉があり近くに石像が4つある
ゴーレムや防御機構かもしれない、念のため鑑定をしておこう
[番兵の石像]とでたがこれは魔物や罠などでは無いただの石像だと思われる
罠もなにもなさそうだから扉に近付く、やはり何も起きないな
扉を少し開けて外の様子を見る、兵士は見える範囲なら全員で20居ない位か
一定距離を動いているのと立っているだけの役に分かれているようだ
それに動きが一律と言うか機械的で、まるで生きているようには見えない
ゴーレムや死体がただ与えられた命令に通りに動いているような···
表情を見れた死んだような、とは言えないが恐らくそんな状態の顔をしている
目は虚ろになって虚空に視線を向けるだけ、そして常に口は僅かに開かれている
立っている兵士は身動きすることもなく、首を動かし周囲を見ることさえしない
これに警戒させるのはどうなんだろうか?いやだから数が必要になったのか?
しかし見つからずに行くことは難しくないだろう、問題は何処へ向かえばいいのか
真っ直ぐ行けば敷地の外へ出るのだろう開く柵と壁がある、右は多分別邸か?
そこまで大きくないが1人2人で暮らすぶんには十分な大きさの建物がある
そこにまた地下室があるかもしれないし、そうなるとこっちの可能性もありえる
真っ直ぐ行って外に出る···しかし周囲にある建物は全て離れた場所にしかない
正面は道を挟んで向こうには畑だろうか、耕されたのか均されていない土が見え
それが横にも広がっていている、あれはなんのためにあるのだろうか?
転移で柵の向こうまで行けるが、残念ながら兵士が柵の外も見ているっぽいし
外にも兵士が待機しているかもしれない、となると今やるのはやめた方がいいな
ここから見える範囲だと見つかる可能性が高い、2階···いや屋根の上がいいか
周囲の確認も出来るし屋根の上に兵士は居ないと思う、2階には居るだろう
目の前に背を向けた兵士が居るし出れば他の兵士の視界に入るかもしれないから
こっちから上には登れないか、さっきの宝物庫には窓が無かったし通路の方だな
直ぐ様戻って近くから順に見ていく、だがどれも嵌め込み式の窓で開かない
ふむどうしたものか···窓を割れば音でバレるし、かといって2階に行くのもな
そう言えば玄関だろう部屋の奥はなんだ?短い通路の両隣に扉が2つあるが
左のは外から見つかるかもしれないから無理だな、右の方は区画から考えると
余り大きい部屋ではなさそうだが、こっちからなら裏庭に続いているかもしれない
開けると狭い部屋に出た奥には外へ続いているだろう扉、左にはトイレの扉
右には水の出る棒と下には水を受ける器がある、なんだっけか洗面台だったか?
前の扉を開けて外を見るがやはり外に兵士は居ない、やはり警戒するべきは上の
ようで外に出て2階を見上げると直ぐ上に窓があった、しかしここからでは天井
しか見えないのだが、兵士が窓の近くに居ない事が分かったからそれで十分だ
屋根を飛び越えない所まで跳び上がり屋根の上に登る、外から見られないように
姿勢は低く音をたてないようにして、転がるように平らな屋根へ登り伏せる
目の前に入り口に向いている兵士が居る、ここにも兵士をつけているとは
どうやら2階から昇ってこれるようで、左に小さな部屋がある
兵士に近付いて···どう無力化したらいいのか、警戒されないようにするなら
音をたてないようにし血なども飛ばしてはならない、なら首を折るのがいいか
左手で口を抑え右手で頭部を掴んで、見られないように引っ張りしゃがませる
そこで力を入れていると首がへし折れたのかコキャリと音がなる
折る気は無かったのだがもう首がぷらぷらしている、結果は同じだからいいか
体をゆっくりと床に置いて首を確認すれば、なぜか青黒くなっている
どうやら折ったというより潰したが近いかもしれない、少し血が流れている
他の兵士達には気付かれていないようだ、門を見ると門の前に兵士が4人居た
普通に出ていっていたら見付かっていたな、右の方の建物も扉の前に兵士が2人
この建物より厳重に警備しているとなると···あそこに居るのか?
しかしどうしたものか、対象を見つけた後なら見つかってもいいんだが
今はまだ見つからないようにしないと、ふむ?裏口はあるだろうか
屋根の上に転移し後ろを見下ろす、真下に扉は見つからないが窓はあった
ただその窓の側に兵士もいるし中から見つかるかもしれない、とりあえず兵士の
窓と反対側に転移で降りて直ぐに壁を背にし体勢で静かに近付いて、右手で口を
抑えるように掴みながら同時に左手で左腕を掴み引き寄せながら左手を押し込む
首をずらすようにじて折り、音がでないようにゆっくりと地面に寝かす
首を締める余裕は無かった、いや引き寄せてやれば良かったのかもしれないが
暴れられると困るから出来なかった、まぁ彼らが抵抗するのかは判らないんだが
死体に触れないように窓から中を覗く、部屋には丸いテーブルと椅子が3つ···
最近まで使っていたのだろう、パンの入った籠と飲み物を入れる容器があった
左には部屋があってそこに居るのだろう、木製の軋む音が聞こえてくる
「ふむ左の部屋に居るな、向こうに窓があるぞ」
「どうやらこっちには兵士が居ないようだ、それに視界も通っていない」
曲がり角から覗けば確かに兵士はおらず、向こうの兵士は壁で遮られ視界を遮り
こっち側に生えている木で影にもなり更に見通し辛くなっている、だが壁は兵士の
首位の高さしかないため立ったままゆっくりしていると見つかるだろう
高さ的に窓を覗くならまぁバレないか?しゃがんで窓に近づくと静かになっていた
気付かれた?いや音も発てていないから大丈夫なはず、こっちを見ているのか?
「ふむこっちを見ていないが、体勢からして見えるかもしれんから気を付けろ」
なんか言ってもないのにさっきから通じすぎてないか?察しがいいだけか?
まぁいいか中を見ると左に扉が、右には部屋の半分近くを締める大きなベッド
ベッドの上には裸の4人、1人の男の前に3人の女がぐったりと倒れている
まるで回りの兵士や死体のように身動きしない、そしてベッドの頭がこっちに
なっているようで、男に顔を上げられたら見つかるだろう
部屋の中には転移で入ることは出来るが···木の板だからな、音が出るか?
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