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8.転輪

百六十六話 魔法の話と準備

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166話 魔法について

「必須ではない、マナプライは魔力の操作の効率を上げる···かな?」
「その通りだがその上がる効率とは何の効率の事だ?」
「うーん···魔力操作の速度か、消費する魔力の無駄を減らす?」
「そうだな合っている、故に無くても魔法は非効率的ではあるが使える
では魔法に必要な詠唱だが、それは何故必要か、そして必須か判るか?」
「えぇっと確か精霊への呼び掛けとかどうとか···」
「そうだ、どうやら詳しく知らないようだな、簡単に言えば詠唱は2節からなる
1節めは精霊への呼び掛け2節めはどういった魔法かと言う情報だ」
「ふむ?詠唱自体は別に魔法のイメージが出来ていれば必須でないですよね?」
「いや?詠唱破棄スキルが無ければ人間には必須だぞ?詠唱を必要としないのは
魔物と人類種ならエルダー種と上級の吸血鬼だけだ···だったよな?兄者?」
「あぁその通りだ、とは言え詠唱破棄も威力や効果の低下、魔力消費量の増加
といったデメリットもある、詠唱破棄のlvが上がればそのデメリットが消える」
「で武技にしろ魔法にしろ3段階、入門となる下級、難易度の上がった中級
そして習得が難しい上級と別れている、武技なら習得するのに相応のスキルlvが
あればいいが魔法は詠唱が必要だろ?それに魔法それぞれで詠唱が違うのに
級によって更に1節めの詠唱も変わるんだ、発動がかなり面倒なんだよなぁ」
「詠唱に関しては習得さえすれば魔法を使おうとする時勝手に出てくるがな
まぁ例を見せたほうが早いか···詠唱ありと詠唱破棄の差を見てもらう
ついでに言えば、魔物も詠唱破棄の扱いなのか魔法の性能は人間ほどではないが
低下している、まぁ詠唱の代わりに俗に言う溜めがあるんだろう、さて」
右手を前にだし手を上に向ける、魔力が···動いてるのがわずかに判る
「星と共にある精霊達よ、星とこの身を巡る魔力よ、今求めるは光
光よ集いて周囲を照らせ、ハイライト」
すると手元に光る球が浮かび上がった、光は結構な明るさだが目を覆ったり
反射的に閉じてしまうような強い光じゃない、その光球を直視できる程度だ
「これは光の下級魔法で最初にすぐ覚える光の基礎魔法だ、ただ光で照らすだけ
人間も殆どの魔物に対しても妨害だけで、攻撃能力はないから大丈夫だ」
「光に弱い魔物なら怯えたり逃げたりするからな、洞窟などでは役に立つぞ」
「暗闇の中ランタン等で照らすだけでも別に十分なんだが、そういった場所では
光を嫌がる魔物も多いからあって損はしない、次に詠唱破棄のハイライト」
次は左手に光球が浮かび上がったが光は弱々しく、球も少し歪んでいる
「これが詠唱破棄による性能の低下だ、攻撃魔法なら勿論威力や範囲が低下
魔力も無駄に消耗するから、普段から使うようなものではない」
「マナプライがあればそれの魔力消費も抑えられる···と」
「あぁ持ってない様だな、魔力のアビリティとマナ魔法は覚えた方がいいぞ」
「マナ魔法···魔力属性の魔法ですか、あれは基礎の魔法と書いてあったし
そこまで重要なものなのかどうかいまいち判らないんですよね」
「重要というより普通はマナ魔法がlv10にならなければ属性魔法は覚えられない
···のだが、やはりそこら辺の制限は種族の影響で無いようだな」
「あぁそう言えばそうでしたね」
「それとマナ魔法は基礎ではあるが、専用の魔法が多い特殊な属性でもある
攻撃も防御も補助も常態異常も揃った属性でな、重要だぞ?」
「俺は全然使ってないが、部下のを見る限り便利そうではあったな」
「マナ魔法は属性魔法に比べて専用の魔法以外の魔力消費が少ないからな
だから基礎魔法な訳だな、戦士であっても持っていて損はない」
「まぁ実際弱い魔法でも複数人で同一の攻撃魔法をすれば面制圧が出来るし
状態異常や妨害で壁も出来るし、煙を使えば撹乱も出来る、基本的に少人数で
活動する冒険者が使える手段ではないからそっちはどうか判らんが」
「軍では1つ1つの魔法が弱くとも数で補えるからな···だから複数を覚える
とは言えこの戦術は一定以上の奴には効かん、基本掃討戦で使う戦術だしな」
ふむ、軍では一般兵ですら全員が一定種類の魔法を使えるのか···
ん?そう言えば法国の兵士は全く魔法を使わなかったし弱かったような?
いやそもそもまともに戦って無いんだが、それでも一般人でも殺れる程弱かった
やはり兵士の質にもかなり差があるのかもしれない、まぁ法国だしな···
「さてもういいだろう、教えるのは得意ではないし魔法にもそこまで精通している
訳ではないからな、これ以上教えれる事もない」
食事のためか人が増えてきた、2人の姿は誰も見えていないのか反応は無い
2人の姿は流石に目立つから見える人ならなんらかの反応はあると思う
「ふむ待ち人はまだこず···か?」
「ですね、でももうそろそろ来ると思いますよ」
「しかし冒険者なら決まった時間に行動出来る安定などないだろう?」
「あぁ内のチームは現状安定してますし、小さめの子がいるので生活バランスに
気を付けているようです、無理はさせられませんしね」
「そうか、子供がいるとなると無理も出来んな」
「流石に児童保護等もやってないからな、教会で孤児を保護しているが···」
「しかしそれでよく冒険者稼業のみで生活できているな」
「うむ冒険者は中堅位からようやく生活が安定してくるものだと聞いたが」
「そして宿に泊まっているとなると尚更金がかかると言うのに」
「確かにここら一帯の宿は冒険者向けとして安くなっているが···」
「そう言えば···まぁ幾らか金に余裕はあったようですし、金になるものでも
売ったんじゃないですかね?っと来ましたよ」
視界の端に階段から降りてくる4人組を見つけたため知らせる
「2人の事は見えないでしょうけど伝えるべきですかね?」
「別に気にする必要はない、彼女らと関わることもないだろうからな」
「と言うかそんな事伝えられても困るだけだろう」
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