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8.転輪
百五十九話 烈火の将/憎悪の剣
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195話 どうして戦っていたのだろうか?
「ハッハッハ、すまんな客人···よかったらもう一度手合わせしないか!」
「いやそもそも何で戦う事になったんですか?さっきまでと雰囲気違いますし」
「む?それはまぁ簡単に言えば、理性が無かったからではないかな?
事実あまり覚えていない、戦いの高揚感はあるのだがな···だからどうだ?」
「いやだからと言われても···こっちとしてはごめんですよ」
「そうか?そなたも戦いを好む質だと思うのだがなぁ···」
「嫌いではありませんが、別に好んでいるわけでは···」
ないと思う···うん、楽しかったりするが別に好きな訳ではないし
「それにしても何でこんな所に来たのだ?何もないぞ?」
「いえ来たくて来たのではなく事故で引きずり込まれてしまい」
「ふむ···運が無いと言うべきか、それとも天運があると言うべきか」
「?どういう意味で?」
「運が無く引きずり込まれた、運が良く時空の狭間などでは無かった
まぁそう言うことだ、まだここに来たのは運が良かった方だろう?」
「まぁそれもそうですね」
「所で外の様子はどうだ?帝国は法国によりどうなったか知っているか?
支配はされていないといいのだが、政の中心は最早法国に乗っ取られたろう?」
「そこら辺についてはあまり詳しくは無いですが、支配はされていないかと」
「それは良かった、しかし政治には食い込んでいるだろうな」
「法国との戦争準備をしていましたしね、今はもっとごたついてますが」
「ん?そこまでか···外では何れだけ経っているのだ?」
「法国からの侵略と言うか、皇族の死から10年程ですね」
「10年か···それで建て直したのならそれまで戦争する余裕は無かったろう
それでごたつきと言うのはなんだ?戦争で負ける気はしないが」
「あぁいえ、戦争が始まり直ぐに法国が妖精の森に火を放ちまして···」
「なん!···だと?奴等は人類を滅ぼす気か?よりによって妖精に手を出すとは
愚かにも程がある···いやまだ厄災どもを起こさないだけましか?はぁ」
「で妖精達が報復するとのことで、兵達を退かせているとか」
「だろうな、出来ればこの手で法王の首を獲りたかったが、ふむ···
急げばまだ間に合うか?兄者に会えばなんとかなるかもしれんな」
「もう死んでいるんでしょう?霊や魂でも呼ぶんですか?」
「いやこっちから会いに行くんだよ、俺そんなスキル持ってないしな」
「あの世にでも行くんですか?私一応生者なんですけど」
「違う違う行くのは皇族の墓地さ、一族の者は皆死後そこに行くようでな
兄者ならそこに居るだろう、それに俺も一応完全な死者ではないぞ?」
「墓地ですか···でも敷地内に無さそうでしたけど」
「フッ城の地下にあるのさ、基本的に入れるのは皇族だけなんだがな」
「そうですか、でもここからどうやって出るんです?」
「ん?ここは俺が核になって出来た深淵の通路だ、俺が居なくなれば消滅する」
「消滅すると私達はどうなるので?」
「お前は外に戻るだろう」
「貴方が消えると貴方の目的が果たせないのでは?」
「そうだな、取り敢えず俺を殺してアンデッドにでもしてくれないか?」
「残念ですがそんなスキル持ってないですよ」
「そうか、仕方ない···少々面倒なんだがな、では出来る限り綺麗に殺してくれ
自力でアンデッドになるから、その場合死体が綺麗な方が楽なんだ
欠損が多いと弱体化が酷くなったり、自我の消滅や不完全になったりするし···
まぁ成功しても失敗しても困ることは弱点が増える事なんだが、それも仕方無い
それにお前にも一応だがちゃんとメリットはあるぞ」
「まぁ良いですけど···メリットですか?」
「あぁ経験とでも言うべきか、殺しはもっとも簡単に強くなれるからな
あと対応しているスキルがあるなら伸びるかもしれん」
「まぁ実戦などは確かに早く強くなれますね」
「魂を喰ったり、取り込んだりした方が強くなれるが···外法だしな」
「ゲホウですか···まぁ危険人物ですよね」
「いや?ただ自我の消滅や意識の混濁に発狂や肉体が変異したり崩壊するだけだ」
「あぁそう言うデメリットがあるからですか」
「そうだ、それがなければ誰もがやるだろうな、個人で結構耐えれる差があるから
なんらかの条件はあるんだろうがな、普通は耐えれんよ」
「ふむ···」
「話がそれてしまったな、悪いが俺の剣で斬ってくれ」
「それもなにか理由が?」
「あぁ、この剣は我等皇族に代々伝わる特別な剣でな、皇族しか振るうことを
許されぬのだ、そのためか特別な力を持っているようだ、今は変異してしまったが
それでも持つ力は変わるまい、普通に死ぬとアンデッドになるまで数日遅いと
週掛かってしまう、だがそんな時間は無い故なこれなら手早くなれるだろう」
「皇族しか振れないのに私に振るえと?」
「まぁ方法はいくらかある、そもそもここでその制約があるかは判らんしな」
「取り敢えずやってみようと···解りました」
「うむスパッと···首を斬るべきか?まぁくっつくだろうし」
「そうなるとその鎧が邪魔ですね」
「そうだな暫し待て···いかん肉体と同化して脱げん」
「最早人間では無いのでは?と思うのですか」
「かもしれんな、こうなると我が首を貫くしかあるまい、頼んだぞ」
突きか···この武器にすら慣れてないんだよな、取り敢えず握ってみる
問題なさそうだ、次に軽く振ってみる、ちょっと見た目より重い気がする
突きの練習として何度か突きを放つも重さのせいか先が少し下に落ちてしまう
制約が緩くなって重くなっているだけになっているのだろうか?
「そろそろ良さそうだな?どうやら問題なく振れるようだし頼んだぞ」
「いや重くなっていると思うんですけどね、まぁやってみます
ずれて痛くなっても恨まないでくださいね」
「クハハッ問題ない、永遠にこんな所に閉じ込められているよりマシだ」
「ではいきます」
右腕を前に出し左足を前に右足を後ろに、少し姿勢を低くし脚に力を入れる
肘を引き絞り握った部分を顔の横まで持ってきて左手を前に向け狙いを着ける
見よう見まねの突きの構え、すると顔を上に向け首をさらけ出す
「さぁこいっ!」
「ハッハッハ、すまんな客人···よかったらもう一度手合わせしないか!」
「いやそもそも何で戦う事になったんですか?さっきまでと雰囲気違いますし」
「む?それはまぁ簡単に言えば、理性が無かったからではないかな?
事実あまり覚えていない、戦いの高揚感はあるのだがな···だからどうだ?」
「いやだからと言われても···こっちとしてはごめんですよ」
「そうか?そなたも戦いを好む質だと思うのだがなぁ···」
「嫌いではありませんが、別に好んでいるわけでは···」
ないと思う···うん、楽しかったりするが別に好きな訳ではないし
「それにしても何でこんな所に来たのだ?何もないぞ?」
「いえ来たくて来たのではなく事故で引きずり込まれてしまい」
「ふむ···運が無いと言うべきか、それとも天運があると言うべきか」
「?どういう意味で?」
「運が無く引きずり込まれた、運が良く時空の狭間などでは無かった
まぁそう言うことだ、まだここに来たのは運が良かった方だろう?」
「まぁそれもそうですね」
「所で外の様子はどうだ?帝国は法国によりどうなったか知っているか?
支配はされていないといいのだが、政の中心は最早法国に乗っ取られたろう?」
「そこら辺についてはあまり詳しくは無いですが、支配はされていないかと」
「それは良かった、しかし政治には食い込んでいるだろうな」
「法国との戦争準備をしていましたしね、今はもっとごたついてますが」
「ん?そこまでか···外では何れだけ経っているのだ?」
「法国からの侵略と言うか、皇族の死から10年程ですね」
「10年か···それで建て直したのならそれまで戦争する余裕は無かったろう
それでごたつきと言うのはなんだ?戦争で負ける気はしないが」
「あぁいえ、戦争が始まり直ぐに法国が妖精の森に火を放ちまして···」
「なん!···だと?奴等は人類を滅ぼす気か?よりによって妖精に手を出すとは
愚かにも程がある···いやまだ厄災どもを起こさないだけましか?はぁ」
「で妖精達が報復するとのことで、兵達を退かせているとか」
「だろうな、出来ればこの手で法王の首を獲りたかったが、ふむ···
急げばまだ間に合うか?兄者に会えばなんとかなるかもしれんな」
「もう死んでいるんでしょう?霊や魂でも呼ぶんですか?」
「いやこっちから会いに行くんだよ、俺そんなスキル持ってないしな」
「あの世にでも行くんですか?私一応生者なんですけど」
「違う違う行くのは皇族の墓地さ、一族の者は皆死後そこに行くようでな
兄者ならそこに居るだろう、それに俺も一応完全な死者ではないぞ?」
「墓地ですか···でも敷地内に無さそうでしたけど」
「フッ城の地下にあるのさ、基本的に入れるのは皇族だけなんだがな」
「そうですか、でもここからどうやって出るんです?」
「ん?ここは俺が核になって出来た深淵の通路だ、俺が居なくなれば消滅する」
「消滅すると私達はどうなるので?」
「お前は外に戻るだろう」
「貴方が消えると貴方の目的が果たせないのでは?」
「そうだな、取り敢えず俺を殺してアンデッドにでもしてくれないか?」
「残念ですがそんなスキル持ってないですよ」
「そうか、仕方ない···少々面倒なんだがな、では出来る限り綺麗に殺してくれ
自力でアンデッドになるから、その場合死体が綺麗な方が楽なんだ
欠損が多いと弱体化が酷くなったり、自我の消滅や不完全になったりするし···
まぁ成功しても失敗しても困ることは弱点が増える事なんだが、それも仕方無い
それにお前にも一応だがちゃんとメリットはあるぞ」
「まぁ良いですけど···メリットですか?」
「あぁ経験とでも言うべきか、殺しはもっとも簡単に強くなれるからな
あと対応しているスキルがあるなら伸びるかもしれん」
「まぁ実戦などは確かに早く強くなれますね」
「魂を喰ったり、取り込んだりした方が強くなれるが···外法だしな」
「ゲホウですか···まぁ危険人物ですよね」
「いや?ただ自我の消滅や意識の混濁に発狂や肉体が変異したり崩壊するだけだ」
「あぁそう言うデメリットがあるからですか」
「そうだ、それがなければ誰もがやるだろうな、個人で結構耐えれる差があるから
なんらかの条件はあるんだろうがな、普通は耐えれんよ」
「ふむ···」
「話がそれてしまったな、悪いが俺の剣で斬ってくれ」
「それもなにか理由が?」
「あぁ、この剣は我等皇族に代々伝わる特別な剣でな、皇族しか振るうことを
許されぬのだ、そのためか特別な力を持っているようだ、今は変異してしまったが
それでも持つ力は変わるまい、普通に死ぬとアンデッドになるまで数日遅いと
週掛かってしまう、だがそんな時間は無い故なこれなら手早くなれるだろう」
「皇族しか振れないのに私に振るえと?」
「まぁ方法はいくらかある、そもそもここでその制約があるかは判らんしな」
「取り敢えずやってみようと···解りました」
「うむスパッと···首を斬るべきか?まぁくっつくだろうし」
「そうなるとその鎧が邪魔ですね」
「そうだな暫し待て···いかん肉体と同化して脱げん」
「最早人間では無いのでは?と思うのですか」
「かもしれんな、こうなると我が首を貫くしかあるまい、頼んだぞ」
突きか···この武器にすら慣れてないんだよな、取り敢えず握ってみる
問題なさそうだ、次に軽く振ってみる、ちょっと見た目より重い気がする
突きの練習として何度か突きを放つも重さのせいか先が少し下に落ちてしまう
制約が緩くなって重くなっているだけになっているのだろうか?
「そろそろ良さそうだな?どうやら問題なく振れるようだし頼んだぞ」
「いや重くなっていると思うんですけどね、まぁやってみます
ずれて痛くなっても恨まないでくださいね」
「クハハッ問題ない、永遠にこんな所に閉じ込められているよりマシだ」
「ではいきます」
右腕を前に出し左足を前に右足を後ろに、少し姿勢を低くし脚に力を入れる
肘を引き絞り握った部分を顔の横まで持ってきて左手を前に向け狙いを着ける
見よう見まねの突きの構え、すると顔を上に向け首をさらけ出す
「さぁこいっ!」
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