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7.必然の転機

百五十三話 同郷の者達?

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153話 なんて関わりずらいんだ···

「名前的にさ、貴方達も日本人だよね?」
「!やっぱり貴方も日本人なのね」
「うんそう、いやー何か気が楽になったような気がするー」
「他には居なかったの?一緒には居なかったようだけど」
「えっうーん、居たんじゃないかな?どっかで会ってるかもしれないけど···
こっちに来たばかりの時は余裕がなくてね、最初から1人だったし」
「そうなの?私達が来たばかりの時はちょっとした集団だったのよ、確か···
20人近く居たと思うんだけど、まぁ直ぐにバラバラになったんだけどね」
「そりゃそうよね、集まっていようと纏める人が居るわけでも無いだろうし
誰もが他人の事なんて気にしてる余裕も無いだろうし」
「あー···そうよね、普通はそうなるわよね」
「えっ!違うの!?」
「どっちかって言うと浮かれてる奴が多かった印象ね」
「そうそう、現状理解して青ざめてた人も何人か居たけど」
「殆ど浮かれてたんじゃない?まぁ···ただの夢だと思ってる人も居ただろうけど」
「現実感何て無かったもんね」
「うーんまぁ確かにそうかもしれないけど、ちょっと危機感無さすぎない?」
「仕方ないんじゃない?私達だって最初は困惑してただけだったし」
「なにせ創作物でしか出てこない···起きないような出来事だったからね」
「何か起きる前に切り替えれるなら十分だと思うよ」
「守るべきものがあったからね、それが心強いよ」
「?守るべきもの?一緒に来た?」
「そうそう妹も一緒に来ちゃったからね、守んないといけないってなるのよ」
「なるほど妹か~私はそう言ったの気にした事無かったな~」
「あぁー、仲が悪かったり?」
「いやただ無関心って言うか、基本的に関わらないから」
「他所の家族関係の話は簡単に首を突っ込めるもんじゃないからねぇ···」
「私は気にした事無いんだけどね、昔からそうだからそういうもんだって思うし」
3人の会話に入り込む余地がない···楽しそうだから邪魔するのもなんだし
急ぎの話も無いからわざわざ邪魔する理由もないし、大人し待っているとしよう
···ん?家族?家族か···なにか引っ掛かる気がするな、このモヤモヤはなんだ?
そもそも家族なんて居ない···あぁそうだ、そこか最初の記憶、ここに来る前
今にして思えばおかしい事だらけだ、家族らしき者の声やそこから出る音など
聞こえていたがその姿は何処にもなく、家具などは椅子やテーブルがあれど小物
若しくは雑貨など生活感を出すものがまったく無かった事、そしてそのリビング
らしき部屋から続く通路が外への扉であった事、更に言えば外へ出た時の場所
後ろに扉どころか家すら無かったはずだ、意識なんぞしていなかったから
細かくは確認していなかったが、見えたのは確か家と家の間ではなかったか?
余りにもおかしい事だらけだと言うのに何故疑問を抱かなかったのだろうか
恐らく無意識だったのだろうが···いや自分の意思で動いていたか?
まてそもそも、そこに存在していなかったのでは?あれは記憶···と言うかそこで
植え付けられた記録のようなものだったんじゃないだろうか、多分誰か
その近くに住んでいた人間の情報をベースに作った記憶なんだろう
だって誕生したのがあの神の空間なんだし、その前なんて存在している訳がない
そうなると何で存在しているんだ?一体何の意味があって誕生したのか
いや別に誕生する事自体に意味は無いのかもしれないが、こうなってくると
自分と言う存在は何なのかと言う、哲学と言ったかそういうあれになるのか
そう言ったのは気にしても仕方ない、想像し思考する事以外に意味がないのだ
恐らく知的生命にとっては考えずには要られない、避けられない難題なのだろう
···ん?いや私は生命体なのか?生命探知やら感知だのには引っ掛かるようだが
現状はいくらか生命活動をしているが、これから無くなってくるだろうし···
魔人として完全に目覚めれば生物では無くなる、死を越えた死···いや超えた?
まぁそう言われているんだし生きてはいないだろう、ならば死んでいるのか?
と言うとそれも違う気がする、まさか···これも哲学?いやこれは違うか?
こまごまとしたのはよくわからんな、さてこの事についてはもういいだろう
「···っと、ちょっと聞いてる?」
いつの間にか話しかけられていた、どうやら既に会話は終わっていたようだ
「っあぁ、これからどうするかだろう?まだ昼だしな」
「そうそう何もしないのもありっちゃありだけど」
どうやら合っていたようだ、実の所考えに集中していたせいで···いやまぁ
それだけじゃなく会話が気まずかったのもあり、余り聞かないようにしていた
のもあってまったく聞こえていなかったのだが、考える事が一緒で良かった
「そう?聞いてそうになかったけど」
「うむ···3人の会話についてはな」
バレていた?いやそんな事は無さそうだ、いぶかしんでいる様子はない
「でどうするの?変わった事するわけじゃないけどさ」
「依頼受けるのはどう?あんまり依頼自体も報酬も多くはないだろうけどさ」
依頼掲示板を見れば確かに少しだが残っている、しかしこの時間帯にしては
何時もより量が多い気がするな、やはり依頼の量自体が増えているようだ
「そうだな依頼を受けるのはありだろう、今まで依頼はそこまでやってなかった
と言うより残っている物も無かったし、あっても幾らか難しそうだったしな
それに今は狩りもダンジョンも、行動範囲に幾らか制限が掛かってるからな」
「制限?そんなのあったの?」
「ん?ほら今は法国と戦争しているだろう?そのせいで王国と城の後方位しか
制限の無い場所がなくてな、依頼があれば動けるだろうが、まぁそうでなくても
5日もあれば制限も無くなるって言われてたし、その間ならどうにかなるだろ」
「5日で戦争って終わるの?ここが巻き込まれるってのは無いよね」
「それは大丈夫じゃないか?戦力に関してはどっちの事も判らんが···
誰もそこを気にしてないようだし、話ではもう小競り合いを始めてるようだ」
「ふーん兵士が戦ったらあとは外交で、交渉して終戦って事かしら」
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