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7.必然の転機
百四十八話 強大な存在/幻の気配
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148話 森の王者/自然の力
いつの間にか音も気配もなく、そしてただ静かに佇んでいた
頭部は鹿の頭蓋骨のような形状で、腕は人間と同じ様な形だが指は4本
胴体等は全て枯れた葉っぱや枝を蔦で巻き付け覆っているような見た目をして
脚も人間の骨のように見えるが、腕と違い葉の着いた蔦が巻き付いている
それは当然であるかのように、まるでそこに居るのは自然と思える位に
ただ見詰めてくるだけで、何かをしてくる訳でもなくただそこにいる
それに対する警戒心か、はたまた未知に対する好奇心なのかその姿を見た瞬間
無意識に鑑定を発動させてしまった、この鑑定が相手に気付かれていた場合に
敵対化する可能性があると言うのに余りにも不用心すぎる行動だ、しかも鑑定は
失敗して何の情報も無い、名前も何も解らないときた···ただ、敵対してないし
あの姿は恐らく本体では無いのではないだろうか?質量を感じられない
地面に影が出来ていないし風を遮ってもいない、しかし何故出てきたんだ?
別に用など無いと思うが···敵視してくる訳でもなくただ姿を見せる?
「どうしたのよ?帰るんじゃないの?」
「何じっと見てるの?まさか顔に何か着いてる?」
やはり後ろの存在には気付いていないようだ、2人同時に顔を見合わせる
「別になんもついて無いじゃない」
「うんうん、いつも通りの可愛い私のシノよ」
「もうユノったら人前なのに、でもユノだっていつも通り綺麗よ」
2人して見詰め合い顔を近付ける、くっつくかと言わんばかりの距離で見詰め合う
そしてそれを見る私と反対側から見ている骨と緑の魔物···特別な光景だな
ん?特別な光景?いやこれは違和感がるから異常な光景と言うべきだろうか?
2人は自分達の世界にでも入っているのか、周りを気にせずに指を絡めあって···
どことなくあの魔物は呆れているのか、何処か遠くを見ている様な気がしてきた
視線は元から感じられないけども···しかし2人に呼び掛けるべきだろう
「2人共ーちょっといいか」
声は小さめであるが···呼び掛けても何も反応しない、それ所か周囲を認識すら
していないような?もしかしてあの魔物が何かしたのだろうか?
仕方ないあの2人は今放っておこう、私に用があったから出てきたとするなら···
「私に用があるのですか?」
「ヴィーリァブーブァリォ」
解らない、言語と言うより獣の鳴き声にしか聞こえない
「すみません、何と言ったのか解らないのです」
「ヴン···ヴァ····アァヌン、そうか?解ると思っていたのだがな?」
?なぜ解ると···もしかして種族の事か?なら既に人間ではないとバレてるのか
「ヴー、なぜまだ未熟と言えど魔人が人間と活動を共にしているのだ?
汝等魔人は生命を刈り取る者、死者に更なる終わりを与える者、そして···世界に
終わりを告げ終末を引き起こす存在であろう?はて···違っていたか?
私はそのように記録しているのだが、汝···魔人であろう?気配は隠せぬ」
やはり気付かれていたようだ、やはり種族はバレやすい?だから出てきたのか?
「まぁその通りではありますが···」
「ヴン、滅ぼすのは魔人の衝動や本能ではない、本質···在り方だ
存在意義や存在理由と言ってもいい、それ故なのか奴等はあらゆる言語や
他種との意志疎通が可能なのだ、しかし汝は···うむ···それが出来ておらん
魔人であるのは事実のようだが、魔人としての在り方を持って居ない···」
「まぁ確かにそのような事を思った事はありませんし意志疎通も出来ませんね」
「ヴァル···はてこれはまた特異な存在だな?フーム、なにか起こりそうだな
···?そのように警戒せずとも良い、その2人にはちょっとした暗示を掛けただけだ
それも思考誘導のようなもの、安心していい害はないし害する気もない
ただその2人をこの会話に混ぜ無い方が良いと思ったのだが?どうだ?」
確かに敵意等は感じられない、しかしそれは安全を指すわけではない
それに会話に混ぜないと言うのは、私への配慮なのだろうか?それとも人間への?
「敵対等しない、魔人相手にはそんな事無意味だからな···」
無意味?殺しても死なないからか?確かにそれじゃ敵対するだけ無駄だな
「奴等にとっての殺戮は生物の呼吸のようなもの、そこには敵意も殺意も無い
ただの作業のように殺し滅ぼすのだ、中には己の意思で行う者もいるようだが
それでもそこに殺意等は無い···まぁ魔人である汝は出会うかもしれんな
気になるのなら···その時になったら自分との違いと共に気にしてみるといい」
「そうですね、会ったことも見たことも無い以上解らないものでしょうし」
「ヴー、普通は会いたいと思う者など居ないのだがな、しかし出会うだろう
奴等は定期的にやって来る···確か500年位の頻度でな、だが人前には来ない」
「ふむ···監視?いや観察でしょうか?」
「どっちも合っていよう、ヴル···時が来るのを待っているだろうからな
しかし会うといっても次に来るのは200年程待たねばなるまい」
「成る程、では暫くは大丈夫ですね」
「そうだなその間に鍛えるといい···と言いたいが同じ魔人である汝の気配に
惹かれてやって来るかもしれん、強くなれば種の気配も強まるであろうからな」
「ふーむ?種の気配とはそう言う物なのですか?」
「ヴフ、うむそう言う物なのだ、何の種であろうとそれは変わらぬよ」
種の気配か···そう言うのも分かるようになってくるのだろうか?
「ではここまでだな、この事はその2人には言わない方がいいだろう···
それにしても人間とは変な生物よな、メス同士では子をなせんだろうに···」
?同性同士であることがそんなに特別だろうか?別に珍しくも無いだろうに
いつの間にか音も気配もなく、そしてただ静かに佇んでいた
頭部は鹿の頭蓋骨のような形状で、腕は人間と同じ様な形だが指は4本
胴体等は全て枯れた葉っぱや枝を蔦で巻き付け覆っているような見た目をして
脚も人間の骨のように見えるが、腕と違い葉の着いた蔦が巻き付いている
それは当然であるかのように、まるでそこに居るのは自然と思える位に
ただ見詰めてくるだけで、何かをしてくる訳でもなくただそこにいる
それに対する警戒心か、はたまた未知に対する好奇心なのかその姿を見た瞬間
無意識に鑑定を発動させてしまった、この鑑定が相手に気付かれていた場合に
敵対化する可能性があると言うのに余りにも不用心すぎる行動だ、しかも鑑定は
失敗して何の情報も無い、名前も何も解らないときた···ただ、敵対してないし
あの姿は恐らく本体では無いのではないだろうか?質量を感じられない
地面に影が出来ていないし風を遮ってもいない、しかし何故出てきたんだ?
別に用など無いと思うが···敵視してくる訳でもなくただ姿を見せる?
「どうしたのよ?帰るんじゃないの?」
「何じっと見てるの?まさか顔に何か着いてる?」
やはり後ろの存在には気付いていないようだ、2人同時に顔を見合わせる
「別になんもついて無いじゃない」
「うんうん、いつも通りの可愛い私のシノよ」
「もうユノったら人前なのに、でもユノだっていつも通り綺麗よ」
2人して見詰め合い顔を近付ける、くっつくかと言わんばかりの距離で見詰め合う
そしてそれを見る私と反対側から見ている骨と緑の魔物···特別な光景だな
ん?特別な光景?いやこれは違和感がるから異常な光景と言うべきだろうか?
2人は自分達の世界にでも入っているのか、周りを気にせずに指を絡めあって···
どことなくあの魔物は呆れているのか、何処か遠くを見ている様な気がしてきた
視線は元から感じられないけども···しかし2人に呼び掛けるべきだろう
「2人共ーちょっといいか」
声は小さめであるが···呼び掛けても何も反応しない、それ所か周囲を認識すら
していないような?もしかしてあの魔物が何かしたのだろうか?
仕方ないあの2人は今放っておこう、私に用があったから出てきたとするなら···
「私に用があるのですか?」
「ヴィーリァブーブァリォ」
解らない、言語と言うより獣の鳴き声にしか聞こえない
「すみません、何と言ったのか解らないのです」
「ヴン···ヴァ····アァヌン、そうか?解ると思っていたのだがな?」
?なぜ解ると···もしかして種族の事か?なら既に人間ではないとバレてるのか
「ヴー、なぜまだ未熟と言えど魔人が人間と活動を共にしているのだ?
汝等魔人は生命を刈り取る者、死者に更なる終わりを与える者、そして···世界に
終わりを告げ終末を引き起こす存在であろう?はて···違っていたか?
私はそのように記録しているのだが、汝···魔人であろう?気配は隠せぬ」
やはり気付かれていたようだ、やはり種族はバレやすい?だから出てきたのか?
「まぁその通りではありますが···」
「ヴン、滅ぼすのは魔人の衝動や本能ではない、本質···在り方だ
存在意義や存在理由と言ってもいい、それ故なのか奴等はあらゆる言語や
他種との意志疎通が可能なのだ、しかし汝は···うむ···それが出来ておらん
魔人であるのは事実のようだが、魔人としての在り方を持って居ない···」
「まぁ確かにそのような事を思った事はありませんし意志疎通も出来ませんね」
「ヴァル···はてこれはまた特異な存在だな?フーム、なにか起こりそうだな
···?そのように警戒せずとも良い、その2人にはちょっとした暗示を掛けただけだ
それも思考誘導のようなもの、安心していい害はないし害する気もない
ただその2人をこの会話に混ぜ無い方が良いと思ったのだが?どうだ?」
確かに敵意等は感じられない、しかしそれは安全を指すわけではない
それに会話に混ぜないと言うのは、私への配慮なのだろうか?それとも人間への?
「敵対等しない、魔人相手にはそんな事無意味だからな···」
無意味?殺しても死なないからか?確かにそれじゃ敵対するだけ無駄だな
「奴等にとっての殺戮は生物の呼吸のようなもの、そこには敵意も殺意も無い
ただの作業のように殺し滅ぼすのだ、中には己の意思で行う者もいるようだが
それでもそこに殺意等は無い···まぁ魔人である汝は出会うかもしれんな
気になるのなら···その時になったら自分との違いと共に気にしてみるといい」
「そうですね、会ったことも見たことも無い以上解らないものでしょうし」
「ヴー、普通は会いたいと思う者など居ないのだがな、しかし出会うだろう
奴等は定期的にやって来る···確か500年位の頻度でな、だが人前には来ない」
「ふむ···監視?いや観察でしょうか?」
「どっちも合っていよう、ヴル···時が来るのを待っているだろうからな
しかし会うといっても次に来るのは200年程待たねばなるまい」
「成る程、では暫くは大丈夫ですね」
「そうだなその間に鍛えるといい···と言いたいが同じ魔人である汝の気配に
惹かれてやって来るかもしれん、強くなれば種の気配も強まるであろうからな」
「ふーむ?種の気配とはそう言う物なのですか?」
「ヴフ、うむそう言う物なのだ、何の種であろうとそれは変わらぬよ」
種の気配か···そう言うのも分かるようになってくるのだろうか?
「ではここまでだな、この事はその2人には言わない方がいいだろう···
それにしても人間とは変な生物よな、メス同士では子をなせんだろうに···」
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