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7.必然の転機

百三十六話 祭り/血を塗れ/\血に踊れ\/血で狂え

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136話 血が狂わすのは人か怪物か

かなりの血が流れているから死んでいるのではないかと思ったが
囚人達は誰も死んでいないようだった、五体満足ではないが生きている
死んだ方がマシだろうし楽にもなれるだろうからこそ死なせないのだろうが···
まぁそれは囚人達の自業自得と言う奴だ、罪には罰をが基本なんだし
とは言え終盤もあってなのか、それとも血のせいなのかかなり盛り上がっている
民衆は喜びで叫んだり拍手したり、どこか狂気的にも見える光景だが
冒険者達は言葉?命令?通りに殺さず痛めつけるだけで、冒険者同士や民衆とは
それなりに喋っているようだが、囚人達とは一切口をきいていないようだ
それに乗っかって騒いでいる民衆もそれ以外の様子は可笑しくないし
目や互いの会話からも理性的に思える···この方が狂気的なのでは?
と言う疑問が何故か出てきた、どう見ても皆正気なのだから普通の光景じゃないか
唯一問題があるとすれば、この血溜まりのせいで皮の靴に血が着いたことだ
防水性は十分あるようで中に入って来ないが、これ水で洗い落とせるか?
後ろに少し離れるか···訂正だ防水性はたいして無かったようだ
中が入ってきた血でぐっちょりだ、どうやら幾つか小さい隙間があったらしい
今まで確認していなかったが···そう思えば通気性はそれなりによかったな
仕方ない···と言うかかなり血が多くないか?広場中央の石の場所自体は別に
そこまで広い訳じゃないが皮の厚さは2~3mm位あるだろうけど
血の高さがそれを越えたとなると20人程度の死なない量の血では足りないだろう
···囚人に増血剤?を飲ませているようだし、回復魔法も掛けてるのか?
杖を構えて詠唱しているような人が3人ほどいたが、詠唱の声が聞こえないからか
全く気付かなかった、良く見れば一定の間隔毎にある魔法発動の影響で淡い光を
放っているのだが···注意力が落ちているのか?うーむ自分ではよく判らないが
だが確かに気分が高揚しているような気がするな、祭りとはこういうものなのか
悪くないな、まぁあの周りの熱意や空気感には全く着いていける気がしないが
しかし血をみると気分が高揚すると言うのは本当だったんだな
基本的には人類種であれば人間やオーガにドワーフがなりやすく
吸血系とグール系や獣型の魔物によくある現象のようだが···
私も一応人間の区分で居れてると言うことか?ん···?いや待てそうなると
外で同じことをやれば大体魔物の種類を限定して誘き寄せる事が出来る?
とはいっても肉を好む魔物ならどいつも来るだろうけど···ありではないか?
肉や血なら幾らでも手に入れれるし、あぁ肉を好むなら他にもワイバーンや
サイクロプスとかも対象に出来るか···虫はどうなんだ?対象になるのか
爬虫類系もそうか?何て言うんだっけ?あぁあとで種族とかも調べとかないと
魔物を種族系統分けした本とか種族毎の図鑑とかが図書館にあるとか
まぁ今行って所でどうせ判んないから現状ギルドにあるので十分なんだよな
図鑑と違って生態や系統分け、基本的な能力だの細かいことは書かれてないけど
重要な部分は必要最低限以上に書かれている、当然だが種類は少ない
そのギルドの近場にいる魔物や一定の間隔で見つかる魔物の情報しかない
ワイバーンの渓谷は確か同名のダンジョン?なんだっけ調べるのは明日か
夜は適当に建物の屋上や人気の無いところに行ったりここで明かすなりすればいい
夜でも広場は全体が照明でそれなりに明るく出歩くのに不自由しないし
夜仕事している人達が普通に活動しているため広間にずっといるのはキツイか?
冒険者でもそういった人物はいないのだろうか?家無き子だと思われても困る
事実なんだけども、普通なら宿に泊まるもんなぁ···でも泊まる意味が特にない
ちょうどいいしニアに顔を出しにいくか?そう思えば寝てる可能性もあるんだな
いやそもそも睡眠を必要としているのか?解らんが行くだけ行ってみるか
寝てたら帰ってこればいいし、流石に朝まで居るわけもいかないだろう
祭りは盛り上がっているが人も少なくなってきた、と言うか冒険者しか居ないな
どうやら祭りはもう終わっている様で曲も無く、既に撤収作業に入っている
これはただの余興なのだろう、全身に返り血を浴び真っ赤に染まった男たちが
笑顔で楽器を引き始め、同様に赤く染まった女達が飲み食いする物を持って来る
それを小さめのテーブルに置くと周囲の冒険者達が囲んで談笑を始めた
楽器を弾いている者達の近くでは幾人か踊り出している、床も人も血で赤い
いつのまにやら悲鳴は枯れ果てたように静かな叫びになっていて気にならない
椅子に座っているクドラクは飽きたのか肘をつき空を見上げてボーッとしている
せめて食事をするなら被った血を流した方がいいのでは?乾いてもないし
椅子や机も血だらけだ···だが誰も気にしている様子はない、慣れているのか
血が溜まり赤く染まった広場から暗い青の様な黒さの空を見上げる
いつもと変わらない月が浮かんでいる、この世界ではいつだって満月だ
ん?広場の結界?から少し離れた所に木で出来た枠組みが置かれている
どうやらあれに入ると付着している血を剥がしてくれるようだ
余り気にならない程···ではないか、靴を血が浸してくれているのだ
軽く水で流せばいいと思っていて自分はもうそこまで気にならないが
此で歩き回ったりニアに会いに行くなら綺麗にしておいた方がいいだろう
今なら丁度人もいないし、水で洗うとなると時間が掛かるし綺麗にならない
あと乾かすのに時間が掛かるのもあるか、せっかくだし使ってみよう
上に乗るだけで血が剥がれ落ちていく、靴の中の血も出ていき滑りが無くなった
血が剥がれれた後は変色も無く、どことなく臭いも無くなった様な気がする
さて綺麗になったし人気の無いところにいくとしよう、とはいっても時間も時間
祭りと言えど終わったからか裏道には人の目もない、近くの裏道に入って行く





今回の祭りでの思いつきのように人間の血や肉、並びに死体や生きた人間を餌に
魔物を誘き寄せるのはギルドによって禁止されています、理由は簡単で人類種を
好んで襲うようになられてはギルドだけでなく国も民間人も困るからである
冒険者は困らないかも知れないが···いや襲われやすくなるなら困るか
ついでに言えば囮なら別に問題ないし、ロットエルフを餌にするのは問題ない
禁止対象は人類種及びその友好種の人間を含む14種と友好ある龍種である
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