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7.必然の転機

百三十五話 祭り/血に濡れ/\血を笑え

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135話 いい子は見ないほうがいい祭りだって

「もう最後っぽいけど屋台はまだあるだろうから、愛歌連れてくる」
「···いやここに連れてくるのは止めたほうがいいと思うぞ」
「どうして?祭りの一番盛り上がる所でしょ?一緒に楽しまないと」
「あれ何だと思う?」
「うーんやっぱ祭りって言ったら花火だよね?」
「いやシノ外国だと別に花火って訳じゃないし、そもそもここ異世界だよ?」
「あぁそっか、んー?なんだろ」
「この前もにたような事があったと思うが···」
「似たような事って···!じゃあの中って人?!」
「恐らく···な、まぁ祭りと言えば血祭りだろう?」
「いや意味違うんじゃない?それ···」
周囲の熱は電波するのかさっきより人が増えている気がする、冒険者も増えたし
荷車に掛けられた布が騎士達によって剥がされると、見えたのは隙間の大きい檻
中では騒いでいるのか口を開けたり檻を叩いている者が居るが音が出ていない
消音系の効果でも付与されているのだろう、囚人や魔物運搬用なのだろうか?
「さてこいつらは法国から来やがった騎士だのなんだのだ、そら」
「ん?もう出していいのか?」
「冒険者も多くいるしな、こやつら程度では逃げ出した所でどうにもできん
さて、最後の演目ではあるが···ふーむどうしたものか?」
「いつも通り痛めつけりゃ良いんじゃねぇの?別にぶっ壊れてもいいんだろ?」
「それはそうだが味気無い···と言うか飽きてきた、苦痛で喚くのはいいが
こいつら既に狂っとるからなぁ、それもあって晒した所で抑止力にもならんし
何かしらの役に立たんもんか?民衆の役にも立つような何か···」
檻から出された囚人?の兵士らしき者達は一列に並ばされる、21人も居たのか
そのどれもが暴れながら何かを喚いているが複数重なって上手く聞き取れない
ただ煩いだけだが煩いのが嫌だったのかその囚人達へと不機嫌そうな顔を向ける
そこでクドラクが一言「喚くな」と発するだけで膝をついたまま急に大人しくなる
「んじゃぁ適当に仲間に変えちまえば良いんじゃねぇの?」
「こいつらを?仲間に?嘘だろ?わしゃごめんなんじゃがなぁ」
「まぁ俺だって嫌だけどよ···ほかにゃ暫くサンドバッグにでもしといて
死んだらアンデッド化でもして支配するって手もあるがどうだ?」
「もっと高いアンデッド化スキルがあればよかったが···無いからな」
「仕方ないそれでいいか···って?」
「うむ、よしお前達!好きなだけ攻撃してもいいぞ、だが壊してもいいが
簡単に殺すなよ?!蘇生は面倒だからな!そら思う存分怒りをぶつけるがいい!」
宣言後フハハハッと笑い声をあげながら手を振り上げ中央から離れていく
そして向かったのは人だかりのない、騎士達の並ぶ王城の入り口その横
そこにいつの間にかあった金と赤を主体とした豪華な椅子へと座る
隣に来た貴族だろう人がグラスを渡し、ワインだろうか?注いでいる
群衆が囚人に近付いて囲っているのを、腕置き?に肘をつき眺めている
基本的に殴ったり蹴ったりしているだけだ、ただステータスに差があるのか
そこまで効いている様子はなく囚人達は余裕のようで民衆を煽っている
冒険者達はまだ動かず見ているだけだ、順番があるのだろうか?
「そんなものが効くか!我々は選ばれし人間なのだ、お前達のような人間以下の
存在ごとき恐れもしない、好きなだけやるがいい!終われば貴様らは殲滅だ!」
と喚いているのだが···誰も聞いてないし気にしてもいない、まぁそうだよな
なにせ言っているだけ、口だけの存在なのだから当然の結果だろう
実際たいして効いていないのか痛がっている様子も見受けられないが···
所々出血はしているようだし、一部青紫色に変色している場所もある
「うわぁ···何て言えばいいんだろ」
「皆そんな血の気多そうじゃない普段は大人しい人ばっかりなのにな···」
「こんなに変わるなんてね···愛歌連れてこなくて良かったわ」
「流石にあの子にこの景色は見せられないわよ」
まぁ子供に見せるものではないだろうな、誰も子連れは居ないし
「どうする見ていくのか?まだ時間が掛かりそうだが」
「いやもう帰るわあの子も待ってるかもしれないし、ここにいても仕方ないもの」
「だね見てて楽しいわけでもないし、じゃぁ屋台で何か買っていこっか」
「そうね、もうあの子は寝てるだろうけど私達まだ何も食べてないしね」
2人は屋台の方へ向かって行った、特にすることもないしいく宛もない私は···
まぁ祭りが終わるまでここにいるとしよう、ギルドに行こうかと思ったが
ギルドの人も来てるし、もしかしたら休止しているのかもしれない
翼竜の渓谷を調べないといけないが、情報と言えばギルドしかないだろうから
どうせこの祭りが終わるまで待つ事になる、いや別の所にも情報はあるだろうが
私が知るのはギルドしかなく、他にはどこへ行けば良いか判らないのだ
図書館だとか言うものが中央広場の近いところにあるようなのだが···
残念ながら場所も外観も判らないしそもそも別の問題として、文字が判らない
判らないと言っても単語は読めるのだ、だが文になると単語を繋げるだけで
あまり判ってない所もあったりする···まぁ大体でいいからわかればいいのだ
重要な部分だけ分かっておけばいいだろうし、そしてもう1つ問題がある···
こっちの世界の字が書けない、対象の字を見ていれば書けるのだが···
名前を書いた際の字もこの世界の字じゃない処か、日本語でもなさそうだったけど
はて?一体何処の字を書いていたのか?だが冒険者カードはこの世界の物だからか
字がこっちの世界の物になっているのだ···だから名前は書けるぞ
だから何だと言う話だが、しかし思えば何故文字が修正されているんだ?
ん?血を撒き散らしながら腕が飛んできた、どうやら祭りも終盤のようだ
いつの間にか冒険者達に変わっており、腕をもいだり肉や指を引きちぎったり
広場の石の表面が血に埋め尽くされ溢れている、のだが周りの木や草花に届く前で
壁に当たり塞き止められているかのようにその場に留まっている
ふーむ?結界でもあるのだろうか?特に何も感じないがそう言うものなのか?
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