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6.運命の交差
百二十九話 時空の狭間にて
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129話 人間はきっと来たくない場所だろうな
門に入ると通路のような場所を落ちていき、少しして拓けた場所に出た
紫色の様な灰色の様な空間が広がり、その中に岩や建築物などが浮かんでいる
植物もあるし魔物や人間の死体と思わしきものもある、ちょっと遠目で見えにくい
あらゆる物が浮かんでいて緩やかに流れていく、地形も同じように動いており
それもあって足場が安定しない、これといって困ることではないのだが
足場が一面ではなく複数の岩や抉られたような地面の一部が少しの隙間を開け
しかも等間隔に出来ていないため跳ばないと届かない場所も多い、更に言えば
足を踏み出すと支えている足場も踏み出した先の足場も動くせいで体勢が安定せず
乗ると少し沈むと言うバランスを崩しやすい足場に、この不安定な足場を落ちると
この空間内の何処かに流されるか漂い続ける、そしてさ迷い続ける危険性がある
進んでいくと幾つもの死体が足場にくっつくように浮かんでいるのを見掛けた
浮かんでいる死体に関しては恐らく死んでから取り込まれたのでは無いだろうか
見る限りではよく判らないのだが、人も魔物も自害ではなさそうだし···ん?
進む先で岩に隠れているが背を預けもたれ掛かるように倒れているのだろう人の
兜が見えた、流石に兜だけあると言うわけではないと思うし、いやまてよ···
あれは人じゃなくて全身鎧の魔物かもしれない、どっちにせよ生きている···いや
鎧の魔物だと生きているとは言わないが、何にせよ進行先だから確認しておこう
魔物かもしれないから注意して近付こう、道なりにいくと少し迂回するのか
そうなると正面から行くことになるな、別に十分跳んでいける距離ではあるが
ここでは危険かもしれない、足場の移動は結構ゆっくりだからそこは問題ない
ただ跳んでから着くまでの途中に空間に捕まって何処かに流されるかもしれない
やはりあまり足場から離れない方がいいだろう、道なりに進むのが安全か
少ししてそれを正面から捉えた、全身鎧の騎士だろうか?首に剣を刺している
もう死んでいるだろう、ここでは時間の流れがないから時間経過がなく腐敗もない
この空間では飢えも渇きもなく眠気すら来ない、ここに来て自害したのだろう
ん?日記だろうか、足に乗っている小さめの紙が纏められた束を見つけた
手にとってみると穴を開けた木の板で挟み木の棒で紙を留めているようだ
中を見てみれば見たことのない字が書かれている、どことも時間が繋がっている
この場所では過去や未来に留まらず平行世界などの物も流れ着くようだし
この人物も今の時代の人間では無いのだろう、だからここは宝の山···違うか
どちらかと言えば発掘場所でもある、しくじれば破滅しか待ってないが···
さて何故か文字が読めるし読んでみるか、ページを捲れば半分位から白紙だ
大体20ページ程書かれている、殆どは任務や日常の事だろうか重要ではないな
身元確認する必要も意味も無いだろうし、そこは読み飛ばしていいだろう
軽くみると最後の4ページにこの空間に来てからの事が綴られているようだ
「どうやら時空の狭間に跳ばされたようだ、まずは落ち着け落ち着くんだ
ここでは足を一歩でも踏み外したら終わりと思った方がいい、出口を探すんだ」
「こんな揺れ動く地面を移動するのは慣れない···そして落ちた事を考えると···
落ちて永遠にさ迷う事になると思うと精神的にも負担が大きい、安全などない
敵性存在が存在せずともこの環境こそが一番危険な存在なんだ、それもあって
いつも以上に疲れるせいで足が進まない、こんな所から早く出たいのに」
「もうずいぶん歩いたが出口が見当たらない、流石にもう疲れた足が痛い」
「ここに来てからどれだけの時間が経ったんだ?数時間?いや数日?十数日?
ここでは時間が経過しないが、かなりの時間が経っているだろう···
もう疲れた誰か助けてくれ···クソッ···ここから出してくれ···」
「もう無理だ、ずっと同じところを回っているような気がしてきた、もう俺は···
出られない···道中死体を幾つか見掛けたが自害している者が幾人かいた
あぁはなりたくなかったがもうどうしようもない、俺はここで果てる
こんな所で永遠にさ迷い生きるなんて耐えられないし、何より出れたとしても
元の場所に帰れるとも限らないんだから、もう終わってもいいだろう?さらばだ」
終わりのようだ、ヒントになるだろうか?いや最後のページに何か書かれている
「もしこれをみた者がいるなら、俺のようにならないように祈ってるよ」
改めて鎧を見てみると恐らく国の記章だろう物があった、そして胸部のプレート
太陽をイメージした物だろう赤い点と放射状に広がる線、見たことが無い国旗だ
装備も結構いい物だし左肩から青い布を垂らしている、サーコートだったか?
彼は騎士なのだろうか、日記に日付は···見たところには流石に書かれてないか
日付なんぞ判らないし、ただここに入る前書かれたページの最後に
DC205/7/12と書かれている、これが日付だとすると別世界の人物だろう
時代が違うだけかもしれないが···まぁいい、何か物色させてもらおう
所持品は武器以外、腰に着けている布袋しかないが結構大きいし期待できるか?
特に壊れ物は無いだろうしひっくり返してみる、一番上に来たのは···服か
薄めで少しほつれた普段着だろう服の上下、袋の緩衝材でもあるんだろう
その次は本?うーむ何かの小説か経典だろうか、題名は[星ぼしの願い]
よくわからないが結構擦りきれている、大事にされていたのだろう袋に戻す
まだあった[生活に使える魔法の知恵]軽く見ると基本的な魔法が書かれている
次は絵か?女性と子供が書かれている、これも袋に戻しておこう
最後に紐?ロープか、細いが結構頑丈そうだ貰っていこう、結果
服上下と本とロープが手に入った、倉庫に···ん?開けない、転移も使えないし
最初に確かめておけばよかったか、空間と時間魔法はどれも使えないか
空間そのものに妨害されるのは知っていたが使えなくなる程だとは···
仕方ない丁度ロープも有るし背中に縛り付けておこう···ロープが長すぎる···
門に入ると通路のような場所を落ちていき、少しして拓けた場所に出た
紫色の様な灰色の様な空間が広がり、その中に岩や建築物などが浮かんでいる
植物もあるし魔物や人間の死体と思わしきものもある、ちょっと遠目で見えにくい
あらゆる物が浮かんでいて緩やかに流れていく、地形も同じように動いており
それもあって足場が安定しない、これといって困ることではないのだが
足場が一面ではなく複数の岩や抉られたような地面の一部が少しの隙間を開け
しかも等間隔に出来ていないため跳ばないと届かない場所も多い、更に言えば
足を踏み出すと支えている足場も踏み出した先の足場も動くせいで体勢が安定せず
乗ると少し沈むと言うバランスを崩しやすい足場に、この不安定な足場を落ちると
この空間内の何処かに流されるか漂い続ける、そしてさ迷い続ける危険性がある
進んでいくと幾つもの死体が足場にくっつくように浮かんでいるのを見掛けた
浮かんでいる死体に関しては恐らく死んでから取り込まれたのでは無いだろうか
見る限りではよく判らないのだが、人も魔物も自害ではなさそうだし···ん?
進む先で岩に隠れているが背を預けもたれ掛かるように倒れているのだろう人の
兜が見えた、流石に兜だけあると言うわけではないと思うし、いやまてよ···
あれは人じゃなくて全身鎧の魔物かもしれない、どっちにせよ生きている···いや
鎧の魔物だと生きているとは言わないが、何にせよ進行先だから確認しておこう
魔物かもしれないから注意して近付こう、道なりにいくと少し迂回するのか
そうなると正面から行くことになるな、別に十分跳んでいける距離ではあるが
ここでは危険かもしれない、足場の移動は結構ゆっくりだからそこは問題ない
ただ跳んでから着くまでの途中に空間に捕まって何処かに流されるかもしれない
やはりあまり足場から離れない方がいいだろう、道なりに進むのが安全か
少ししてそれを正面から捉えた、全身鎧の騎士だろうか?首に剣を刺している
もう死んでいるだろう、ここでは時間の流れがないから時間経過がなく腐敗もない
この空間では飢えも渇きもなく眠気すら来ない、ここに来て自害したのだろう
ん?日記だろうか、足に乗っている小さめの紙が纏められた束を見つけた
手にとってみると穴を開けた木の板で挟み木の棒で紙を留めているようだ
中を見てみれば見たことのない字が書かれている、どことも時間が繋がっている
この場所では過去や未来に留まらず平行世界などの物も流れ着くようだし
この人物も今の時代の人間では無いのだろう、だからここは宝の山···違うか
どちらかと言えば発掘場所でもある、しくじれば破滅しか待ってないが···
さて何故か文字が読めるし読んでみるか、ページを捲れば半分位から白紙だ
大体20ページ程書かれている、殆どは任務や日常の事だろうか重要ではないな
身元確認する必要も意味も無いだろうし、そこは読み飛ばしていいだろう
軽くみると最後の4ページにこの空間に来てからの事が綴られているようだ
「どうやら時空の狭間に跳ばされたようだ、まずは落ち着け落ち着くんだ
ここでは足を一歩でも踏み外したら終わりと思った方がいい、出口を探すんだ」
「こんな揺れ動く地面を移動するのは慣れない···そして落ちた事を考えると···
落ちて永遠にさ迷う事になると思うと精神的にも負担が大きい、安全などない
敵性存在が存在せずともこの環境こそが一番危険な存在なんだ、それもあって
いつも以上に疲れるせいで足が進まない、こんな所から早く出たいのに」
「もうずいぶん歩いたが出口が見当たらない、流石にもう疲れた足が痛い」
「ここに来てからどれだけの時間が経ったんだ?数時間?いや数日?十数日?
ここでは時間が経過しないが、かなりの時間が経っているだろう···
もう疲れた誰か助けてくれ···クソッ···ここから出してくれ···」
「もう無理だ、ずっと同じところを回っているような気がしてきた、もう俺は···
出られない···道中死体を幾つか見掛けたが自害している者が幾人かいた
あぁはなりたくなかったがもうどうしようもない、俺はここで果てる
こんな所で永遠にさ迷い生きるなんて耐えられないし、何より出れたとしても
元の場所に帰れるとも限らないんだから、もう終わってもいいだろう?さらばだ」
終わりのようだ、ヒントになるだろうか?いや最後のページに何か書かれている
「もしこれをみた者がいるなら、俺のようにならないように祈ってるよ」
改めて鎧を見てみると恐らく国の記章だろう物があった、そして胸部のプレート
太陽をイメージした物だろう赤い点と放射状に広がる線、見たことが無い国旗だ
装備も結構いい物だし左肩から青い布を垂らしている、サーコートだったか?
彼は騎士なのだろうか、日記に日付は···見たところには流石に書かれてないか
日付なんぞ判らないし、ただここに入る前書かれたページの最後に
DC205/7/12と書かれている、これが日付だとすると別世界の人物だろう
時代が違うだけかもしれないが···まぁいい、何か物色させてもらおう
所持品は武器以外、腰に着けている布袋しかないが結構大きいし期待できるか?
特に壊れ物は無いだろうしひっくり返してみる、一番上に来たのは···服か
薄めで少しほつれた普段着だろう服の上下、袋の緩衝材でもあるんだろう
その次は本?うーむ何かの小説か経典だろうか、題名は[星ぼしの願い]
よくわからないが結構擦りきれている、大事にされていたのだろう袋に戻す
まだあった[生活に使える魔法の知恵]軽く見ると基本的な魔法が書かれている
次は絵か?女性と子供が書かれている、これも袋に戻しておこう
最後に紐?ロープか、細いが結構頑丈そうだ貰っていこう、結果
服上下と本とロープが手に入った、倉庫に···ん?開けない、転移も使えないし
最初に確かめておけばよかったか、空間と時間魔法はどれも使えないか
空間そのものに妨害されるのは知っていたが使えなくなる程だとは···
仕方ない丁度ロープも有るし背中に縛り付けておこう···ロープが長すぎる···
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