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6.運命の交差

百十五話 実戦訓練

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115話 見た目以外の違いは特にない

「出てくる魔物はそこまで攻撃的ではないから訓練に適したダンジョンだ」
「急に何?何で説明口調?」
「いや説明だからな?一応確認しておかないとな、魔物の情報もいるだろ?」
「まぁそうね、大まかにしか見てないし」
「とは言え事前の説明通り攻撃的な魔物や危険性の高い魔物は居ない
ただ群れで活動する魔物はいるから集団戦には気を付けなければならない」
「そうそう基本的に動物系よね?兎とか鹿とか犬に羊、危険なので熊だっけ?
虫系でカブトムシとクワガタとカミキリだっけ?まぁまだマシな方よね」
「見た目的にね、ただ大きさがあれだけど···あとトカゲと蛇がいる蜂もね
誰も毒を持ってないし情報的には蜜蜂っぽいから大丈夫でしょ」
「よしじゃぁ行きましょうか、まずは軽く戦ってから連携訓練にしましょう」
「そうだな最初からぶっつけは中々難しいだろうからな」
「弓にも馴れておかないといけないしね、ちょっと訓練時間が欲しかったの」
「分かったただ、他にも人が来るかもしれないから移動しようか」
「流石に入ってからずっと入口で喋ってるのもどうかと思うけどね」
「まぁ···そうだな、だが邪魔になってないからいいじゃないか」
「んじゃぁ他に人が居ない場所にしようか、巻き込み兼ねないし」
「そうだなまず戦闘に集中したいしな、戦闘に馴れないと周りを気にしながら
戦うのは相手が格下であっても危険すぎるからな、同格以上ならなおさらだ」
「そうねぇ一先ず馴れる事から始めないとっとお出ましみたいね」
道から逸れて少し木々の多くなっている場所に行くだけで魔物を発見した
木も密集してないし高い草も無いからそこまで視認性も悪くない
出てきたのは危険度の低い兎と犬2体、やはりダンジョン特性であるためか
異種族と戦闘しないようだ、少し離れた場所から弓を手前の犬へ放ち胴へ当てる
反応し近付いてくる内に2射放ち1回目は手前に2回目は奥へと射ちこむ
射たれて怯んだ手前の犬にユノが近付き上段からの一撃を頭部に放ち仕留める
そこに2匹目が向かってくる中、移動したシノが斜めから矢を射つが外れた
牽制目的だったのかユノに近かったから躊躇ったのかは判らない
ただ矢には反応したようで顔をシノに向けた瞬間、ユノが横からの一撃を放つ
死角···ではないのだろうが意識が逸れていたからか反応出来なかったようで
首と胴を深く斬り裂かれた結果大量の血を流し行動不能になった
そこに遅れて兎がやってきたが、その飛び掛かりに返す刃の一撃が胴を斬り裂く
こっちは体格もあってか即死したようだ、最後に死にかけの犬にトドメを差し
周囲の警戒を行ってから戦闘終了、うん···やはり私よりも基本が出来ている
そもそも基本が出来てないどころか単独でしか戦闘していなかったし
今までの戦闘も訓練もなにもなく何となくの感覚でしか戦っていなかった
そういう意味では基本を学ぶのは私の方だろう、まぁ見よう見まねでしかないが
これから戦う時は彼女達に合わせて動くのがいいのかもしれない
彼女達は既に戦闘スタイルを確立出来ているようだが、私に決まった型は無い
その時の状況に合わせて動くため逆に効率が悪くなっている時もあった
「じゃぁ私達は見せたし···」
「今度はアンタの戦い方を見せて、敵の数によるだろうけど」
「あぁ分かっている、とは言え特別な事は何もない」
少し移動して開けた場所で敵を探す、のだがあんまり魔物が見当たらない
居ないのは先に来た冒険者達が既に倒してしまっているからか、それとも
開けた場所には元からあまり居ないのか、仕方ないので草むらに入っていく
「虫が居ないのがいいわよね」
「まぁ虫の魔物は居るんだけどね」
「でもほら小さくないしうっとおしくもないし」
「変わりにかなりおっきいけどね···」
「やめてよ···いやでもこっちの大きい方がまだマシだわ」
「そうなの?普通大きい方が駄目そうだけど」
「なんでかしらね?」
等後ろの話し声を聞いている内に木の密集する所に来て直ぐに見付けられた
犬と鹿が1体づつ、2人を茂みの陰で待たせ少し離れてから近付いていく
2体がこっちに反応すると同時に長刀を構える、型などないから適当な下段に
やはり犬は鹿より好戦的なようで軽く吠えると同時に向かってくる
鹿はこっちを見ているだけだが後ろ足が地面を掻いている、戦闘体制に入ったか?
距離が縮むと口を開き飛び掛かってきた犬の開いた口へと刃を入れる
流石に弱く簡単に頭部がアゴから上下に別たれた、そして鹿が向かってきた
角を前にだして近付く中、足に寄り掛かっていた犬の死体が消えていく
その角は確かに大きく厄介そうだがリーチはこっちの方がある
突っ込んでくるその頭部に刃を振り上げて角の間をくぐり抜け斬り裂く
当然吹き出した血が掛かるが死体の消滅とともに消えるから問題ない
周囲を確認し戦闘終了···!ヒュッと風切り音が鳴り、眼前を矢が通っていく
場所からシノではないし、そもそも必要が無いのだから射つはずもない
今のは完全に敵対意思どころか殺しに来ていた、飛んできた方へ眼を向けると
3人の若い男が此方を見ており、1人は弓を向けている、間違いなく彼らだろう
装備からして初心者のようだが顔を見る限り、今の攻撃は意図的なものだろう
当然、獲物の横取り目的ではなく冒険者を対象とした攻撃だ
恐らく私が1人だけだと思って攻撃してきたのだろう、まぁ余り冒険者を狙う
意味など無い、別に大金を持っている訳でもないんだから無駄なリスクだ
「私に何か用でもありましたか?」
「あぁ大有りさ、テメェの持ってるもんを貰ってやろうってな」
「残念ながら大したものは持っていません、新人ですからねぇ」
弓使いが此方を狙いながら他の2人が近付いてきて左右を挟んできた
動きを見る限り新人に偽装しているわけでもない本物の新人のようだ
ユノとシノはまだ後ろに隠れているのか、こっちから確認出来ない
「なに大人しくしてくれりゃ痛い思いしなくてすむぜ?」
「おらとっとと出すもん出しな、このノロマ!」
「こっちの世界はバカしかいねぇのかちょろいもんだぜ」
囲んでいるからか既に優位を得たと思い慢心しているようだ
数的優位など大した意味は持たないと言うのに、結局の所数より質だ
勝つのは基本的に強い個体なのだから、それは人間も同じだ究極の個が勝つ
あぁ何故か分からないが怒りがわいてくる、その時視界の隅に矢を捉えた
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