Re:ゼロ 魔人が行く異世界伝説(伝説では無い)

6.運命の交差

百八話 救出

108話　救出依頼ってそうないよ

血痕を辿れば少しは捜索の短縮が出来るだろう、人であろうと魔物であろうと
何らかの意味はある、魔物だとしてもダンジョンならば死んでいれば血も消える
まだ生きているなら生存者を狙って移動している訳だからな
周囲には少し魔物もいるが···別に関係いだろうから関わる必要は無い
現状無視してもいいだろう、床に垂れている血を辿って急いで向かわないと
帰りになれば魔物が邪魔になるだろうが、今は時間を掛けている暇もない
看病の事もあり既に結構な時間が経っている、一先ず乾いた血の続く右へ行く
道中垂れている血も乾いている、横道にも血の跡があるが回っていたのか?
真っ直ぐ行くと左右の分かれ道になっているが両方に血の跡がある
血の形状から最初に右に向かって次に左へ向かったか?恐らくそうだと思うが
乾いていて判断がつき難い、予想の左へ一直線に進んでいくと突き当たり左へ
ここの床の血は先程の血より乾いていない事から近付けているようだ
途中でまた左に移動すると、その通路の途中に様子のおかしい魔物がいた
トカゲの魔物が何やら扉を睨み付けウロウロしているし、怪我もしている
追っていた床の血は扉の前で途切れており、あの部屋に逃げ込んだようだ
こっちを警戒していない様なので、直ぐ様近付いて首を斬り落とし蹴飛ばす
これでもし死んでいないくても少しは時間を稼ぐことは出来るだろう
扉を少し開けて中を見る、全滅していたら確認だけで撤退だ、がどうやら
生き残って居たようだ、人数に関しては3人か、1人倒れていて出血が酷い
胸部から血を垂れ流している、この出血量だともう死んでいるだろう軽装の少年
もう2人は簡易な鎧を着けた少年が所々破損した服装の少女を押し倒している
桃色の髪の少女···扉をあけて部屋にはいる、魔物が集ってきても困るし
近くで見ればどっちも弱っているようだ、少女の方は軽度の毒と麻痺か?
少年は軽度の毒位かな?どっちも顔色が悪いが男の方は異様に興奮している
そして男の近くに転がっている剣には赤い血と亡骸と繋がる赤い軌跡
ふむ精神異常でも受けたか?このままでは彼女も危険だ早く助けないと
そして私が部屋に入っているのにようやく気付いたようで少年が顔を向けてくる
「あぁ!?テメェ何だ!なにしにきやがっ!?」
目も血走り少しだがヨダレをたらし、そして息も荒い正気ではなさそうだ
一先ず軽めに蹴り飛ばし壁にぶつけ動きを止めておく、気絶したようだ
それにしても下半身裸なのはどうかと思うぞ、と言うか何故脱いでるんだ?
まぁそれに関しては私が言えた義理ではないかもしれんが、それとは別に
場所も場所だし、挙げ句に異性の前で下半身を晒すのは普通ではないはずだが
っと、それより彼女の方は無事か?服を脱がされたのか肌を露出しているが
特に大きな怪我もない、服の破損に比べかなり小さい切り傷くらいしかないな
大きな傷は回復したんだろうか、血自体は服にそれなりに着いてるがそれだけだ
状態は···殆ど動けないか、意識はあるようだし一応ピクピク動いている
ただ麻痺が強いのかまともに動けず喋れないようだが、それでも十分体力に
余裕はありそうだ、彼女のポーチを漁って解毒薬を探す···が見付からない
回復薬はあるのだが使いきったのか?ポーチに空きがあるしそうなんだろう
死体の方はちょっと探しにくいな、気絶させた方のポーチを漁ってみる
3つもあった、しかし何故麻痺効果の飲み薬なんて物を持っているのか
よく見れば彼女の傍に同じ黄色がかった緑の液体の着いたビンが転がっている
弱っている所で飲ませたのか、どうやら麻痺の理由はこの男がやったようだ
なぜ態々危険のある場所で足手まといを増やすのか、あれか?心中ってやつか?
ニンゲンの考えることはよくわからんのが多いな、種の違いは大きいと言う事か
ん?一応自分もニンゲンの筈だが···魔に近くなってきているのか?
このままではいかんな、出来うる限りニンゲンの模倣はしておかないと
いやそんな事はいいんだ、さてとさっさと解毒薬を飲ませてしまおう
今飲ませたとしても、結構弱っているから回復に時間が掛かるし
外まで運ばなくてはならないのに変わりは無い、飲ませたが···
毒の状態は良くなっているのか顔色が良くなってきているようだが
麻痺は解けていないのか痙攣のように少し体が所々ピクピクしている
どうやって運ぶか···背負うのが一番いいか?それとも抱えるのがいいのか?
しかし背中に背負うと後ろから攻撃されると守れないのが難点だ
通路も狭いしもし敵の側を通ることになったとき攻撃から護れる自信はない
そもそもそこまで後ろに気を回す事自体今まで無かったし、これは無理だ
肩に担ぐ···彼女の負担が大きくなるから却下、同じく脇に抱えるのも却下
とすると前で抱えるしかないか、これはこれで前方が少々危険だが
別に視線は遮られないからまだましだろう、動きは制限されるがそれは仕方無い
抱えると言っても両腕を使うのか?まぁ戦闘せず敵を全てやり過ごせばいいのだが
ふーむ戦闘は放棄敵は全て無視していこう、慣れてないし安全重視の方がいい
男の方は悪いが放置だ、正気に戻ってなければこっちが危険に晒される
運ぼうと思えば2人だろうと問題無い、安全圏であれば助けれたが今は無理だ
まぁそれなりの実力があって、少し運があれば十分１人でも脱出出来るだろう
彼女を抱き抱え扉を開ける、敵は集ってはないが通路に湧いている
後は唯来た道を戻るだけだ、後ろの敵に見付かっても走って逃げる
前の敵に見付かったら飛び越えるなり脇を走り抜けるのもいいが
踏みつけるなり蹴り飛ばすで時間を稼ぐ、のだが足元が見辛いのが少し困る
通路を走り抜け1階へと降りる、魔物はそれなりにいるが無視して走る
蜘蛛の糸が飛んできて横を抜けていったり、行き先に引っ付いた位で被害は無い
遠距離攻撃がそれくらいしかないようで、逃げるのも難しくなかった
ダンジョンから出てテントへと向かう、こっちも休ませないといけない
テントでは彼女が起きて待っていた、その隣に降ろして寝かせる
麻痺状態が残っているが他は問題無さそうだ、意識もしっかりしている
暫くすれば麻痺も無くなるだろう、日も落ちかけているしここで野宿になるか?