上 下
103 / 326
5.帝国と言う国

百二話 亡霊と湖の調査5

しおりを挟む
102話 ブツを見付けよ

亡霊では来れないここに無くて、更に本来ならば繋がりがあるルシェラであれば
見付けやすい筈の思い入れある銀の指輪を見付けられないと言うのはどうか?
農園で1番最初に確認されたのが今から9日前だとすると、1週間は探した訳だ
それで尚且つそこまで広くも無い捜索範囲、確かに草や木が厄介ではあるものの
大体の見当を付ける事は出来るはず、これで見付けれないのは少し考え難い
アマネを見れば探してはいるがそこまで細かく確認していないように見える
もしかしたら彼女は既に気付いていたのかもしれない、アマネに近付いていく
「どうかした?何か見付けたの?」
「魔除けのある墓を見付けた位だ、そっちはどうだ?」
「こっちは特になにも、魔除けの墓ねぇ···やっぱり予想道理かもね」
「と言うのは遺体と共に湖に沈んでいるんだろう、と言うことか」
「そう、シンもそう思ってるでしょ?繋がりがあると霊の意識は引き寄せられる
そして時には魂ごとね、でももし遺体と共にあるなら見付けられない訳がない
でも見付けられない事に理由があるとしたら···」
「彼女は遺体に近付けない、これが理由か何故かは解らんが」
「死を受け入れたくないか、自分の体を見たくないか、んー他には···
もしかして湖の底にも魔除けの何かがあるとか?魔物が見えなかったし」
「あー確かにその可能性もあるな、近付けないと言うより弾かれているのか
あとは霊の本能として魔除けを無意識で恐れていると言う可能性もあるか」
「湖の中には多分魔物は居ないはず、居たとしたら水面近くに出てくるはずだし
1体も見えなかったからもし居たとしても奥の方、しかも怯えてるのだけでしょ」
一応探している振りはしておく、互いに地上には無いと判断しているが
近いものや生前持っていた物などから情報が見つかるかもしれないからだ
何も見付けられなくてもたいして困ることもないから探すのは適当でしかないが
それに見付けたとしても情報自体は報告用の追加情報位にしかならないからな
「まぁ夜になって湖から彼女が離れるまで待たなきゃならないからな···
とは言えずっと待ってる訳にもいかないし、少し湖から離れて行動しよう」
「そうね、見られたり感知されてる可能性もあるしもう少し移動しましょうか」
今は丁度昼くらいだろうか、細かい時間が判らないのはこう言うときも困るな
太陽は折り返し地点に差し掛かっている所だし、もう昼になっているだろう
結構森で時間を使っていたのだろう、丁度いいし周囲の確認もしておこう
調査依頼の情報になる魔物の巣やテリトリーを出来れば見付けておきたい
聞いた情報によると、この近くにあっても可笑しくないはずなんだが
魔物の足跡は沢山見付かるが、既に1週間は経っていると思われる
ウサギは大きめの岩の近くや木の根元に巣穴を掘ると書いてあったし
シカは草が多く周囲を木々で覆われた場所を棲みかにするようだし
特に見付けにくい訳でもないはずなんだが、一向に巣が見えない
たまに穴が見付かるが巣穴なのかただの窪みなのか判らないのが多い
埋まっているのも多く既に巣としては使われてないのだろう
森の中にシカの棲みからしき草が踏み固められた場所もあった
こっちは判断が付きにくいがそれでも暫くは使ってなさそうだ
どの魔物も巣を放棄して逃げたのか?何からと言えばあの亡霊だろうが
別の場所に巣を作ってると戻ってこない可能性もあるかもな
持ってきた依頼書に調査情報を書き込んでおく···どうやって?
そういえば書くものなんて持ってない···?いやそういえば手に入れてたか
でも宇宙ステーションで手に入れた物だし、この星に無かったら面倒だ
炭か何かで書いておくか···でその炭は何処だ?1個も持ってないぞ
仕方無い忘れないようにしておこう、忘れたらそこまでだが別にいいか
いつルシェラが動き出すか判らないから、暗くなったら気にしておかないと
草をかき分け捜索し木を見上げて枝を確認し、登って付近を確認する
たしか鳥の魔物も森と湖の両方にいるはずだ、なら巣はあると思うんだが
あまり重要じゃないのかそんなに情報はなかったけど、別の場所から来てるのか
それか木じゃなく別の場所に巣を作ってるのか?これは確認が難しいか
2人してだらだらと喋ったり周囲を回って捜索していると薄暗くなってきた
もう陽も沈んできたようだ、いや沈むって言うのも変か?見ていて気付いたが
別に太陽が沈んで夜が来る訳じゃないようだ、太陽が縦回転しているのではない
地面に沈む様に消えているが、恐らく太陽はこの星の周囲を回っている訳ではなく
消えている様に思う、夜に月が出ると入れ変わるように太陽が消えていくのだ
普通の宇宙の法則では有り得ないことだ、物質や質量あらゆる法則を無視している
気がする···いや別に可笑しくないのかもしれない、物質の変換とか量子化とか
そう言うのがあると言うし、よくわからんけどこれは普通の事かもしれない
宇宙の法則や摂理なんぞわかるはずもなし、解った所でと言うのもあるが
気にしても仕方無い、この世界においては普通の事で当たり前なのだから
と言うか地球だとどうだっけ?宇宙で星が動いて回ってるんだっけか
だとしたら···基本的には大体一緒じゃないか、大した差は無いようだな
太陽が沈んで日が落ち、夜が来て月が昇る···うん、なんだ一緒だな
一体自分は何を気にしていたのか···常識の欠如はやはり大きな問題か
これは知識を集めてあとは周囲に馴れていくしかないだろう
っともうずいぶん暗くなって来てるなアマネも空を見上げてボーッとしている
「そろそろ湖の方へ行ってみるか?位と探すのも難しいしな」
最後のは冗談と言うより、探せない言い訳としてルシェラに使うためだ
「そうね、流石に暗くなって来るとねぇ···帰る前に挨拶しておかないとね
でも隠れて近付けばいいんじゃないの?わざわざ真正面から行かなくても」
隠れて近付くのは考えたが無理だろうし、正面からいく理由か···
「隠れても恐らく感知されかねないからやめておく、正面から行くのは
簡単に言えば帰る事の意思表示だ、そうすれば此処に残るとは思わんだろう
もしさ迷っていて感知されず隠れていれれば、それはそれで良いからな」
「なるほど、ってことは木々影から近付いていこうって事ね」
それに頷き足を進める、話が早くて助かる丁度ここから真っ直ぐでいいし
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

処理中です...