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5.帝国と言う国

七十七話 ガーディンハイト帝国

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77話 帝国という国

あぁそうだガーディンハイトだったか、さてこれ以上近付くのはマズイか
平原まで行くと隠せる場所が無いからな、近くの山の中に隠すか
木々と草の中にある壁になっている場所を背にして隠す
まぁ人が登ってこない限りはバレる事はないだろう
流石に此処まで登って来る人も居ないだろうし、特に痕跡も見当たら無いし
転移ポイントを設定し、またスリープモードにしておく
近くで軽く見ても分かりづらくなっている、遠くからでは判らないだろう
正面は特に切り立った崖になっている、飛び降りて街道に向かう
結構高かった、今までで一番高かったな、それにしても体に異常はない
最初に比べて随分丈夫になったものだ、やはり都市の門前に列が出来ている
とは言え行商人ばかりだな、時間的に冒険者は護衛のしか居なさそうだ
これならそう時間もかからずに入れるかな、思ったより進みも速いし
結構サクサク進むな、そう言えばこう言う時は冒険者のプレートを見せれば
通れるんだっけ、ん?後ろに新しく並んできたがこっちは冒険者だけか
日も落ちかけているから、そろそろ冒険者も帰る頃合いか
夜に活動する冒険者の殆どは、夜専属のチームが多いらしいからな
まぁ夜に慣れてない冒険者が夜に討伐とかに行くことは基本的に無いし
だからこれから増える頃合いか、早めに着いて良かったな
次がもう自分の番か、プレートは出入りの際に使う様だけど···
王国からは転移で出てきてしまったな···まぁ大丈夫だろ
[冒険者は基本的にプレート1つで出入り自由です
一般国民は出入りの際に許可証が必要になります(*)]
転移自体そう珍しい物でもないし、よくある事だろう
「身分証明か通行証を」
プレートを差し出す
「···登録は何処で?何処から何の用で此処に?」
「王国で登録し此方に来ました、理由は帝国は凄い所だと聞いたからです」
「ふむ···では念のために顔を確認させてくれ」
フードを捲るのか···まぁ仕方ないが大丈夫か?あの商人には見られたが
それでも細かい部分、問題の目は見られてなかったから別にいいが
「どうした見せれない理由でもあるのか?」
まずい流石に見せない、は無理だな変装するより変化覚えた方が良かったか?
仕方無い、どっちにしろ見せなくても目立つし、見せるしかないか
「おっおぉ···」
「どうかしましたか?」
「あっあぁ、っとその目は?」
「色が変化しただけですが、理由は不明です」
「そうか···ふむ、魔眼などでも無さそうだな、通ってよし」
案外あっさりいったが、流石に驚かれたな、顔も赤くなってたし
仕方無いとは言え少々悪い事をしたか、いや別に悪くはないか?
しかしこの目だと魔眼とも思われるのか、驚いたと言うより怖がってたのか?
だとすれば悪い事をしたか···流石にむやみに恐怖を与えるのはいけない
そうすると彼は兵士の鏡だな、鑑か?慌てず冷静に対処していたからな
まぁ途中で意識が飛んでいたようだったが、そこは減点されるだろうな
まぁ仕方が無い事でもあるから、今回の事で彼が減給されない事を祈っとこう
門を潜れば更に門、2重になっているようで、何やら魔道具で検査された
危険物と禁制品の検査と看板に書いてある、止まらず進むだけでいいようだ
そして門を潜れば、目の前にその広大な街並みが見える
区画はやはり王国と同じ様に整理されている、大きさは違えど似通ってるな
ただ王国と違って道幅や建物の間に余裕があり、奥には高層建築物も多い
5階位の建物が並んで、中にはまるで城壁とも見間違える程の物もある
どうやらあそこは居住区のようで、衣類やら何やら干されているのが見える
入り口の正面はやはり店が並んでいる商店街になっている
突き進んでいけば中央にはやはり広場がある···少々でかすぎる気もするが
地図を見ればやはり統一感がある、同じ構成だと分かりやすいから助かる
ふーむどうするか、冒険者ギルドに顔を出すのもいいが、まず宿か?
とは言え特に宿に泊まら無くても別に困る事は無さそうなんだよなぁ
冒険者にとっては野宿位当たり前だし、たまにそこら辺で寝ているのもいるし
まぁ大体が酔っぱらいだったりするが、貧乏でも無さそうな身なりのいい人も
真っ昼間からすでに広場やら人が通らないような脇道で寝てたりするんだよなぁ
まぁもうそろそろ夜の帳も降りる頃だが、当たり前の様に寝ている人達がいる
あぁ言う装飾を着けたり整った格好しているのは貴族って言うんだっけ?
それだけ街の中は安全である、と言うアピールをしているのか
それとも普通なんだろうか?多分誰も気にしてないからこれが普通なんだろう
金髪で顔立ちは整っている太りぎみのおじさんだ、白と青の服に
宝石や装飾の彫られた金で出来た装飾品を全身に身に付けている
金持ちと言うアピールなのか、貴族としては普通なのかは不明だが
しかし周りの人々の彼を見る目は生暖かいと言うべきもので嫌悪や隔意は無い
これだけ好まれている人物だからきっといい人であり優秀な人物なのだろう
確かにこの様な人物がいるなら、法国の卑劣な手段なんぞでは支配されはしない
とさえ思えてくる、うーむやはり帝国は人からして強いのだな
目を更に奥に向ければ両脇に工業区と生産区が見える
中央には貴族街になるのか装飾の施されたアーチが見える
更にその奥の両脇に貴族の邸宅があり中央には豪華な王城が見える
豪華と言ってもきらびやか、華美な物ではなく、大きく実用性重視であり
華やかな見た目ではない、荘厳さと頑強さが伝わってくる造りになっている
しかしなぜか···懐かしいような感覚が伝わってくると同時に
あの城から悲哀と憤怒、憎悪と後悔の念が伝わってくるような気がする
そうか王族が全員殺されたのだったか···街に余り活気が無いのもそのせいか?
あの念となって感じる感情の元は王族や貴族達の物なのだろうか
気になる···あとこの懐かしさは一先ず置いておいても···
(この惹き付けられる感覚は、呼ばれている気がするのは何でだ?)
しかし流石に只の冒険者が足を踏み入れる訳にもいかないし
潜入とか不法侵入とかダメだし、そうでなくても隠密低すぎて出来ないけど
うーん···とは言え呼ばれてるのに行かないのも失礼だよな?
流石に今は無理だよな、許してくれ呼び声さんよ
行けるようになったら行くから、今は待っててくれ
(いいよ、暫く待ってる、出来れば、早く来て~早く来て~)
(!?うっうむ、分かった···って誰に言ってるんだ?)



(*)冒険者が大きな問題を起こした場合ギルドから粛清者もしくは
賞金を出して他の冒険者や賞金稼ぎに狩らせる、扱いは野盗より下
市民は市民登録されている場合許可証で移動可能
非市民(市民登録されていない)は出入りが出来ない(許可証入手不可)
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