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4.異世界生活の始まり

六十話 管理ダンジョン 犬の通り道

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60話 犬系固定ダンジョン

螺旋階段···降りていこう、先には光が見えるし長くはないんだろう
2回ほど回ると1階層の通路に着いた、見えていた光は松明の明かりだった
そしてダンジョンの3メートルはない天井付近の壁に松明があった
松明といっても木に火を着けた物は階段に掛けてあったが
ダンジョン内の物は結晶の用な物も壁に突き刺さっている
松明ではなく光る結晶だが、明るさや範囲、色は松明と変わらない
明かりは十分確保されているようだ、床と壁の角になっている場所には
僅かに光を放つ苔の様な物もある、これだけだと暗くてまともに見えないだろう
幾つか横へ行く通路が見える、1番手前から順に確認していこう
1番手前の通路を曲がっていくと短めの1本道、その奥が小部屋になっている
小部屋を見渡してみるも何もない、次の道へ行くため戻って、次へ向かう
さっきより長い通路になっており道半ば程に2つの道に別れた
曲がり道は階段の横付近に向かっている、こっちから行ってみるか
少し進んでまた小部屋、犬が1匹いて唸り声を上げて威嚇している
小部屋に入ると飛び掛かって来た、走る速度はたいした事はないな
やはり初心者向けダンジョンらしく、十分新人でも対応出来る程度の物だ
噛みつく様に飛び掛かって来た犬の首を掴んで壁に投げつける
ドンッと言う響きとグシャッという音がまざって聞こえてくる
犬は即死したのかそのまま溶けるように地面に吸い込まれ消えてしまった
ドロップはなし、見渡してみても部屋には何も見当たら無い
正に新人が実戦訓練をする為に用意されたような部屋だ、戻ろう
この部屋があるからこそ新人へ推奨されているダンジョンなんだろうが
1階層目では基本的に1対1になるとこのダンジョンの項目に書いてあったし
次の階層に進んでしまってもいいかもしれないな、敵が強くなっていく程
ドロップや宝箱の中身が良くなっていくから、ここでは期待0だ
もう1つの道を進んでみると同じような、しかし少し小さい小部屋についた
だが目につくものは何も無いし魔物すらいない、ハズレ部屋かな
細かく調べたりすると意味があるのかもしれないが···まぁいいか
さっそく次の道をっと奥を見ると、どうやらここが丁度中央になるようだ
ダンジョンの中がこんな簡単で単調だとは思えないし、1階層だからなのか
それとも中の広さはダンジョン毎か階層の深さで決まっているのだろうか
中央の曲がった道の先は階段になっていた、今度は螺旋階段ではないようだ
下の階層部分は見えない位の長さになっている、そこまで長くはないが急だ
下りれば同じように通路へ続き、また横道がある構造になっている
さっきと余り変わらない、このダンジョンの基本型なんだろうか
ダンジョン名が通り道だから道が基本になっているんだろう
ダンジョン名がダンジョンを表しているのがほとんどのようだし
中にはあんまり関係無いのもあるようだが、それは少数だ
第1の曲がり道はさっきの階層と少し違い一本道だ、しかし小部屋になっている
今度はさっきと同じ犬が2匹いる、一応戦闘しておくかな
此方に気付いてないようだし聖弾と邪弾をそれぞれに撃ってみる
やはり邪弾の方が生物系に効くのか聖弾を受けた方よりも怯んでいる
しかし1発で殺れると思ったんだが、残念ながら殺れなかった
邪弾を受けた方はもう瀕死なのか動きが鈍くふらついている
結構レベル差もあるしその分のステータス差でも一撃で殺れないか
自分のステータスが低いのか、それとも魔法の威力が足りなかったのか?
聖弾を受けた方が此方に向かって走って来たため、もう1度聖弾を撃つ
そのまま直撃し消滅した、どうやら半分以上は削れていたようだ
2発で十分殺れるな、わざわざ近接戦のために近付く必要もなくなった
邪弾を撃ってもう1匹も殺しておく、皮をドロップしてくれた
魔法の威力が思ったよりも低いのが気になる、どうすればいいのだろうか
ガイドブックにはたしか魔法の欄もあったはずだ、帰ったら見ておくか
皮は借りた袋に回収し、戻って次の道を行くが何も無い空の小部屋
そして次の道は1階層目で階段があった場所だが···
階段ではなく小部屋になっている、やはり同じ場所には無かったか
犬が1匹いるだけか、見つけた時点で聖弾2発でさくっと仕留める
ドロップは無かったが犬の後ろに小さいが宝箱があったようだ
あるとは思っていなかったから少し驚きだ、とはいっても···
片手に乗るサイズでしかも木の箱ときた、期待は当然出来ない
開けてみると入っていたのはシンプルな彫りのある木製の指輪だった
効果が分からないため不用意には装備出来ない、鑑定とかはどうすればいいのか
取得可能条件が分からない、商人とかにとっては必須スキルのようだし
しかし商人系のアビリティも無いし、どうしたらいいか分からない
何か条件があるはずなんだが···仕方無いから異空間倉庫に放り込んでおく
大した物でもないだろうし、その分急ぐ意味も重要性も無い事だし
次の階層への階段を探してさっさと進んでしまいたい
次の横道を進むも小部屋も無い行き止まりになっており
最後の横道は道が小部屋の方に曲がって更に中央に向かって曲がった
何故こんな面倒な形状になっているんだ、さっさと進もう
今度の階段は結構緩やかな段差になっている、相も変わらず下の階層は見えない
3階層目について同じ様な通路が見えるが、今回は通路に犬がいる
聖弾2発を撃ち込みサッと終わらせると横の通路から新たに2匹きた
さっきの犬のあげた悲鳴に引かれてやってきたのだろうか
同じように撃ち込んで終わらせる、今回は皮が2枚ドロップした
後は階段探しだな、通路を行って階段を探す···何だか無心になったような
思考も無くしてただ階段を探すという脳死状態になったまま彷徨く
4つめの横道に階段があった、何故かこっちは上り階段になっている
間違ってはいないはずだしそのまま進んでみる事にする
今までの階段よりも少し階段が長くなっている、段差は変わらないのに
4階層目についた···目の前が直ぐに別れ道になっている
中央というか大通りと言える通路が2つになったようだ
ここからが本当のダンジョンと言えるんじゃないだろうか
最初に右を覗いて見ると4~6匹、それに結構犬が歩き回っている
左の方は3匹と少ないし歩き回っているのは1匹だけだ
左から行くべきか右から行くべきか···まぁまずは左から行くかな
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