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4.異世界生活の始まり

五十五話 対話の失敗 処罰

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55話 粛清執行

「森へ行っているようですが、彼らへの攻撃を止めてくれませんか?」
「はぁ?何でだよ、ゴブリンは間引きしないと増えすぎて困るだろ」
「そうそう、だから感謝されても文句言われる筋合いはねぇぞ」
「では誰かにゴブリンへの襲撃が感謝されたことはあるのですか?」
あるわけがない、と分かっているがコイツらはどうなのか···
「いやねぇけど、まぁ当たり前の事だろうしな、気にしねぇんだろうよ」
「受付の人も止めてくれと言っていた様でしたが、それは?」
「あれは俺達を心配してくれてるんだよ、でも誰かがやらないといけないだろ」
「誰もゴブリンの討伐なんて求めてはいないんですよ、村人もギルドの人もね」
「はぁ?奴等は間引かねぇと危険なんだぞ?危険性を分かってねぇのか!」
「なんでゴブリンを庇うんだ?もしかしてお前俺達と同じ転移者か?」
む···何故だかバレてしまった、いや正確には疑われているだけだが
まぁ別に転移者事態そこそこいるから隠す必要性は薄いが···
こいつらみたいな問題をおこす奴等も多いだろうからな···
「よくわかりましたね、私が転移者なのは事実ですが···」
「成る程だからゴブリンの危険性を知らねぇのか?ファンタジー系の小説とか
ゲームとかしなかったのかよ、物によるがどんだけ危険か書かれてるぜ」
···まさかコイツらは創作物を鵜呑みにしているのか···ありえないぞ黒髪···
「じゃぁしょうがないか、でもこれで分かったろ?奴等の危険性を」
金髪お前もか···後ろの奴も頷いている、頭のおかしい奴等だったか
「そうかじゃぁ聞くがゴブリンの種族は?」
「それも知らないのか?決まってんだろ、小鬼もしくは悪鬼と呼ばれるんだ」
「お前達こそ知らないようだから教えてやる、ゴブリンは妖精なんだよ」
「ゴブリンは妖精?ハハッお前バカなんじゃねぇのw」
「おいおいちゃんと調べてから言えよw頭悪いのバレんぞwあ、バレてるかw」
···駄目だなコイツらは、精神的に弱いというか精神年齢が幼すぎる
今の自分と同い年位だろうに、ここまで子供過ぎるのはありえないだろう
「あーアホらし、付き合ってられっか、んじゃゴブリン狩り行こうぜ」
「だな!こんなやつがいるなんてな、どうせハブられたんだろうぜw」
「だねw暗そうだし、置いてかれたんでしょ」
後ろにいたやつがようやく喋った、けど暗いのは自分もだろう
森に行くならちょうどいい、どうせもう会話は意味がないだろうし
改心も考えを改める事すら出来ない愚者であるならば、もう必要ない
着いていくとしよう、やることは既に決まっているのだから
後は森に着くまで隠密を使って着いていくだけ······
····
森の境まできたが、今更ここで装備確認に雑談か、隙だらけだな
今回はマガセビを取りだし···長刀のままでいいか、足音を立てないように
彼らの後ろで喋っていない奴に近づいて首を断ち切る、気付かれないようにな
そして跳んだ首と体が地面に倒れる迄にもう1人の黒髪の首を跳ねる
流石に隣に居たために気付いたようだが死んだ2人を見て震えている
「あっあっあー!おっお前なっ何をしてっしっして?!」
尻餅を着いて逃げるように必死に足を地面に擦って後ろへ下がっていく
「くっくるなっなぁ!いやいあ、だぶ··だず··だうげで!」
威圧するように少しゆっくり気味に近付いていく
「っなっなにもっもぉ、わっわるいっいぃことっとぉしっしてなっない!」
近付いて刃を突きつける、刃を引き下げ、振る構えに入る
「こっころ殺さないでっでぇ、おねがっがいじまっまず」
「別に恨みが有るわけでは無いんだがな、恨むなら自分達の愚かさを恨め」
「まっまってやめっぺ···」
一閃の本に首を跳ね、これでこの依頼も終わりだ
(なんだぁ結局殺すのかぁ?、まぁこれが1番手っ取り早くて良いだろうよ)
まぁそうだなそれにしてもなんなんだ、この脳内会話?念話?
(気にすんなどうせ近いうちに会うことになるんだからよぉ、待ってんぜぇ?)
まぁいいか、森も近いし報告しにいくか、その前に戦利品の回収っと
ふむふむ···たいした物は持ってないが、金は役に立つから貰っておくとして
装備品は···役に立ちそうな物じゃないな、安物のナイフとか鉄剣に槍
防具はただの布の服に皮を重ねただけの皮鎧とも言えぬ物、要らないか
結局回収出来たのは金だけか、大銅貨2枚と小銅貨8枚か、しけてるなぁ
回収も終わったしゴブリンに達成の報告をしに行くか、もう知ってるだろうけど
一応ルールというかマナーというか報告は義務みたいなものらしいし
······
そう遠くなかったな、えぇっとどこにいるのか分からない、複数いるし
ゴブリンなんて殆ど同じ姿だからなぁ、見分けが付かない、付きにくい
まぁ誰でもいいか、だいたいの情報は全員共有してるようだし
「すまないちょっといいか、依頼の報告をしに来たんだが」
「ん?あぁあんたかい分かったよ、あいつはいま忙しいから伝えておくよ」
「分かった、それじゃぁ迷惑かけてすまなかったな」
「じゃぁな人間、それと責任を取って贖罪もしたんだ、もう気にするな
たいして被害もないし、時間が経てば直る程度の事なんだからな」
どいやらあまり気にしてないようだ、彼らにとってはそういうものなんだろう
それにその時間というのも人間ではなく妖精での感覚なんだろうけどな
ここでの要ももうすんだ事だし、冒険者登録でもしに村に戻ってから
後の事はその時にでも考えよう、まぁ一先ずはダンジョンがいいかな
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