見知らぬ美女と一緒に異世界召喚され、お互い幽霊になりました。勇者たちよりも強い最強な俺たちですが、俺は彼女とラブコメしたいです

もぐすけ

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第三章 魔王城

魔王と魔王妃

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 魔王と魔王妃の謁見に参加した。メルサのドレスが可愛かった。

 魔王はイケメンという話だったが、何だかちょっと俺っぽかった。

「ねえ、なんとなく魔王ってゆうきに感じが似てるよね」

「俺もそう思った。俺ってこっちでは超イケメンなの? 自覚ないんですけど」

「容姿のいい男が自覚持ってるのは気持ち悪いだけだから、変に格好つけないでね」

「安心してくれ。やれと言っても出来ないから。ところで、魔王妃はとても十五歳には見えないな。セクシーダイナマイツって感じ」

「何でゆうきはいつもセリフがオヤジっぽいの? あなた本当に二十歳?」

「おかしいな、何でだろ」

「知らないわよっ」

 メルサの親父とゲンムの親父が魔王と季節の挨拶をしていた。その後、子供たちが次々に挨拶している。メルサとゲンムはちょっとまずいな。魔王から挑発されていた。

「俺たちが戦闘リーグで一般に上がって、未成年で一位になれてよかったな」

 魔王がクククと笑い、魔王妃がクスッと笑った。

「ありがとうございます」

 メルサはエレガントにお辞儀をした。ゲンムも貴族の礼をした。

 ほう、アイツら大人じゃないか。褒美に後で魔王と魔王妃に蹴りを入れておくか。

 謁見の式典は終わったようだ。じゃあ、蹴りを入れてくるか。

「ちょっと待ってよ。私にやらせてよ。後で、ゲンムくんに見せたいから、ビデオ撮影よろしくね」

「そ、そうか。じゃあ、どうぞ」

 ミサトがスーッと魔王の方に近づいていき、前蹴りを食らわした。魔王がくの字になって、その後、あわを吹いて前に倒れた。

(あ、あいつ、もっと手加減しろよ)

 魔王妃がビックリして魔王を見ている。その魔王妃のお尻をミサトは後ろから蹴飛ばした。魔王妃は前につんのめって魔王の上に覆いかぶさってしまった。

 会場は水を打ったようにシーンとなっている。

「へ、陛下とお妃様をお助けしろ」

 親衛隊が魔王と魔王妃に駆け寄った。魔王妃はお尻を押さえながらよろよろと立ち上がったが、うまく立っていられないようで、よろめいている。魔王は完全に失神している。

 俺は拡声器を手にした。

『魔王と魔王妃よ。後進にあのような嫌味を言う愚かものゆえ天罰を与えた。次は手加減せぬぞ』

 メルサとゲンムが唖然としている。

 その後、天の声だと会場は大騒ぎとなった。

「ちょっと何であんなこと言ったのよ」

 ミサトが俺のところまで移動してきた。怒った感じではない。

「ああいう嫌味ったらしいことを言うやつは大嫌いなんだよ。大した実力もないくせに。怖がらせてやりたかったのさ」

「まあ、いいかな」

「そうそう、悪い奴にはお仕置きすればいいんだ」

***

 会場の裏で見ていたレンは、後ろで座っているエリコに言った。

「あれは、前に俺をビンタして蹴った奴に違いない。お前もビンタされて、後ろから蹴られただろう」

「もうどうでもいいわよ。日本に帰れないなら、好き勝手やるだけよ」

「いや、こいつは無視出来ないぞ。勇者も魔王も一方的にボコられるんだぞ。好き勝手出来なくなるぞ」

「もう私はボコられないわよ」

「なぜだ?」

「さっきの魔王みたいに神の反感を買うことはないからよ」

「どうして分かる?」

「それが分からない人には説明出来ないわよ。魔王が失神してるから、今日の仕事はお終いよね。お疲れ様~」

エリコはさっさとと帰宅してしまった。

レンはエリコの言ったことを反芻していたが、何が神の反感を買うのかが、やはり彼には分からなかった。
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