初体験が5歳という伝説の「女使い」冒険者の物語 〜 スキル「優しい心」は心の傷ついた女性を虜にしてしまう極悪のモテスキルだった

もぐすけ

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第十一章 ベラ、ブラ、パラ

フライング

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アイシャが着替えて、部屋で正座して待っていると、ドアがノックされ、侍女がドアを開けた。

エリーゼが顔を出した。

「準備はいいわね」

「はい」

「では、侍女は下がらせて。リンリンサマをみたら、虜になってしまって、取り返しがつかなくなるから」

侍女たちは逃げるようにして部屋を出て行った。

「リンリンサマをお連れするね。リラックスしててよ」

「はい」

とはいうものの、顔が強張っているのをアイシャは自覚していた。

エリーゼが出て行って、子供を連れて戻ってきた。可愛らしい子供だ。

アイシャは子供を観察した。

(この子が神様?)

「アイシャさん、遠路はるばるありがとうございます。お疲れでしょうから、楽にしてください」

冷めた子供と言われてきたアイシャの心に感情の嵐が巻き起こる。

最初はそんなに感謝しないでくださいという強く恐縮してしまう感情、次に、私ごときにこんなにも優しくしてくれたという感動の感情だ。

「い、いえ、たいしたこと、、ないです」

こういうのがやっとだった。感情を抑え込むことができず、涙が溢れそうになる。

「エリーゼさん、アイシャさんにお飲み物などいかがでしょうか?」

「はい、そうですね。私が取ってまいります」

(こ、これがエリーゼさん!?)

アイシャは目を見張った。エリーゼは妖艶な笑みをリンリンに向け、輝くほどのオーラを放っている。あの愚痴をぐだぐだ言っていたエリーゼですらものすごく綺麗な人だとアイシャは思っていたが、ここにいる人は同じ人とは思えないぐらい、数段階美しさに磨きがかかっていて、まぶしいぐらいに美しい。

悪魔的な美しさ

とでもいうのだろう。

エリーゼが退室してしまって、アイシャとリンリンの2人きりになってしまった。さっきかけられた優しい言葉が、頭脳が明晰であるがゆえに頭でっかちになっていたアイシャの心に徐々に沁み込んできた。心が引っ掻き回されるような気分で、感情をうまくコントロールできない。

(そうだ、私は嬉しいんだ)

アイシャは優しくされて嬉しいのだと気づいた。すると、今まで我慢していた涙があふれだしてきた。もうだめだ。止められない。

リンリンがぎょっとしてアイシャを見ている。それはそうだろう。いきなり泣き始めたのだから。

「あれ? どうされました? 急に。 ご気分でも悪くなったのでしょうか?」

リンリンが小さい手でアイシャの背中をさすった。

(だめだ、これ以上優しくされると、私はどうかなってしまう)

アイシャがそう思ったとき、背中をさすっていたリンリンの小さな手が、アイシャのブラジャーのつなぎ目を偶然外してしまった。もうすぐ16歳という年齢の割に大きなアイシャの胸が、下着からポロリと落ちる。その振動が衣服を伝い、リンリンが何が起きたのかを察した。

その瞬間、アイシャの背中に置かれたリンリンの手から、アイシャの体に電撃のように快感がほとばしった。正座しているアイシャの太もも、ひざ、脛、足の指先、腕、肘、手の指先、腰、胸、首、口、鼻、目、耳、頭、といったすべての体の部位の隅々にまで快感が突き抜けた。

「ああああああああーん」

アイシャは自分でもびっくりするほど大きな声を発した後、正気が保てなくなった。次から次へとアイシャの全身に快感が襲ってくる。

気持ちよすぎて気持ち悪い。このままおかしくなってしまいそうで快感を止めてほしい、という冷静なアイシャはどこかに飛んでいってしまった。

服を脱ぎ棄て、アイシャが感じてしまっているところに手を当てる。感じすぎてしまうところを抑えたいが故の防衛本能だ。アイシャの心は野獣のように快楽を求めているが、体は危険信号を発して、快楽を抑えようとする。

そこには本能だけで動く人間が残っているだけだ。聡明なアイシャはもうどこにもいない。

これが死のダンス。

リンリンは慌てた。まさかこんなことになってしまうとは。仕方がない、数え年で16歳ということにしよう、と勝手な理由をつけ、すぐに神の使徒の儀式を始める。

「ぎやあああああああ」

という悲鳴が何度も何度も旅館にこだます。

何事かと従業員が駆けつけるが、それよりも早く駆けつけていたエリーゼたちに止められる。

耳をつんざく怒号が何度か聞こえたあと、それがだんだんと喘ぎ声に変わっていく。何が起きているのかを突き止める必要があるという使命感で粘っていた旅館の人達が、気まずそうにして帰っていく。

やがて声が聞こえなくなった。

なかからリンリンが出てきた。

「すいません。あとを頼みます。ちょっとした手違いでした」

エリーゼが答える。

「わかりました。客室に露天風呂がついていますので、そこで体を清めるよう侍女に伝えます。リンリンサマは予定時刻に大広間にいらしてください。アイシャちゃんは私がお連れします」
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