初体験が5歳という伝説の「女使い」冒険者の物語 〜 スキル「優しい心」は心の傷ついた女性を虜にしてしまう極悪のモテスキルだった

もぐすけ

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第十一章 ベラ、ブラ、パラ

パラの美少女

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ベラ、ブラ、パラの3国は、元はラ教国という全能神デウスを崇める1つの国だった。

教義の解釈の違いで、合理的なベラ教義、禁欲的なブラ教義の二派に古くから分かれていたのだが、それがそのまま国が分離する原因となってしまった。

ではパラはなにか。禁欲的なブラ教義に我慢できなくなった若者を中心にブラから分離独立した国で、神は人間が何をしようが無関心である、という新たな教義を標榜している。

デウスに聞けば、パラが真実を突いていると答えるだろう。

メイリンが言及した美少女はこのパラの王女だ。名はアイシャという。非常に美しい少女で、国民から絶大な人気がある。そして、国民にはあまり知らされていないのだが、この少女には美貌のほかにもう1つの才能があった。異常なまでに聡明な頭脳を持っているのだ。

メイリンはパラの王室に自ら赴き、16歳の誕生日にアイシャをリンリンに献上してもよいとの神託を伝えた。献上しろではなく、献上してもいいよ、というところを強調しておいた。

メイリン王女がパラを訪れたことはすぐにベラ、ブラに伝わった。両国は次は自分たちの国だと待ち構えていたが、一向にメイリン王女は訪れない。

しびれを切らした両国は、メイリン王女に使者を遣わした。それに対するメイリン王女の答えは、リンリンはパラからしか妃を迎えないとのことだった。

リンリンはデウスの後継者、人界の統治神の現人神として、すでに3国に知られている。パラからしか妃を娶らないということは、ベラ、ブラの教義が否定されたということになる。

ベラ、ブラの両国は窮地に立たされた。

***

「ベラ、ブラから妃を娶らないというのであれば、パラからも娶られないようにするしかない、と恐らく両国は考え、私を密かに暗殺しようと企むはずです」

メイリンの前にはアイシャがいた。パラの宿に滞在中のメイリンたちをアイシャが訪問したのだった。

「でしょうね。で、守ってほしいわけ?」

「はい、お願いします。輿入れの旅に出ますので、お守り頂きたいのです。パラには私を守る力はないと分析しました」

「私は大量破壊は得意だけど、人の護衛は得意じゃないの。ルミ姉様にお願いしてみるわ。テレジア、ちょっと行ってきてくれる?」

呼ばれてテレジアがメイリンの部屋に姿を現した。

「了解しました」

テレジアはすぐにルミを連れて戻ってきた。ルミの登場にロザンヌも部屋に姿を現した。

「ルミ姉様」

メイリンとロザンヌがルミに挨拶をした後、ロザンヌとルミはアイシャにも挨拶した。

アイシャは当たり前にように次々と超ハイクラス美女が出てくる状況に苦笑していた。

(美貌を武器にいい地位をと考えていたけど、美貌は武器にはならないわね)

「話は分かったわ。誕生日までの3ヶ月間、私とエリーゼとキョウコの3人でローテーションしながら、アイシャをリマまで護送するわ」

アイシャはパラからリマに向かって、輿入れの旅を開始した。
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