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第十章 ダムール帝国
隣国の王女
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子どもなんかを好きになるはずがないと思っていたなんて、数日前の自分は、どれほど無知で愚かだったのだろう。
「リンリンちゃま、私の初めてです。よろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。たくさん妻がいて申し訳ないですが、平等に尽くします」
そして、テレジアは今度はベッドの上で失神することになった。
テレジアさん、よく失神するなあ。今のところ100%失神しちゃうけど、この人、こんなんでやっていけるのかなあ。
テレジアは26人中もっとも感度のいい女だった。
***
テレジアが失神している頃、マリとメイリンは隣国の3国の姫の対応について話し合っていた。帝国とは違って、リンリンたちが神と悪魔の集団であることを認知しているため、嫌になる程下手に出てきているという。
「で、王女たちの容姿はどうなの?」
「それが成人女子には普通の美人しかいないそうです」
「普通の美人ってことは、私よりは美人なのでしょう?」
「は?」
「メイリンは極上美人でいいわよね。私みたいな中の下からは憧れですよっ」
(いや、マリさん、本気でそう思ってます?)
「あの、誰が中の下などと?」
「亡くなった私の本当の母親よ。私は中の下なんだから、人一倍頑張らないとダメだって、小さい頃から何度も言われて育ったわよ」
「そんなことないです。私たちのなかでも誰よりも美しいです」
「ハイハイ、お世辞は結構よ。で、お兄ちゃんのお眼鏡にかなうのかしら?」
(本気でそう思っているのか。何だかマリさんらしいな)
「どうですかね。リンちゃま連れて行きます?」
「危険すぎるわよ。メイリンは隣国の王室に詳しいんでしょ?」
「はい、あの3カ国では1人だけハイレベルな美しさの美少女がいますが、まだ15歳です」
「16歳の誕生日を待つしかないわね。残りの2カ国にはいないの?」
「ええ、私の知る限りはいないです」
「じゃあ、あまり普通の美人を増やしても仕方ないから、3カ国からは1人だけにしましょう。他はあなたが黙らせてね」
「かしこまりました」
「ふう、これで4人かあ。案外、仲間が増えるのは楽しいわね」
「ええ。ところで最近妻の皆さんは日中どちらにいらっしゃるのでしょうか」
「リリス様のところで、スパーリングの相手をさせられてるわ。ご愁傷様。そう言えば、あなたには声かからないわね。リリスさんと同格だからかしら?」
「同格だなんて滅相もないです」
「あなた強いって噂よ」
「全然そんなことないです。皆さんの中で25番目の最下位です」
「姫軍団は人の頃の素地がいいので、使徒や悪魔になったときに化けるみたいよ。あなたたち3人のバトルロイヤルでの活躍が楽しみだわ」
「あまり買い被らないでください。それでは隣国に行って参ります。ロザンヌとテレジアを連れて行きます」
「はい、頑張ってね」
「リンリンちゃま、私の初めてです。よろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。たくさん妻がいて申し訳ないですが、平等に尽くします」
そして、テレジアは今度はベッドの上で失神することになった。
テレジアさん、よく失神するなあ。今のところ100%失神しちゃうけど、この人、こんなんでやっていけるのかなあ。
テレジアは26人中もっとも感度のいい女だった。
***
テレジアが失神している頃、マリとメイリンは隣国の3国の姫の対応について話し合っていた。帝国とは違って、リンリンたちが神と悪魔の集団であることを認知しているため、嫌になる程下手に出てきているという。
「で、王女たちの容姿はどうなの?」
「それが成人女子には普通の美人しかいないそうです」
「普通の美人ってことは、私よりは美人なのでしょう?」
「は?」
「メイリンは極上美人でいいわよね。私みたいな中の下からは憧れですよっ」
(いや、マリさん、本気でそう思ってます?)
「あの、誰が中の下などと?」
「亡くなった私の本当の母親よ。私は中の下なんだから、人一倍頑張らないとダメだって、小さい頃から何度も言われて育ったわよ」
「そんなことないです。私たちのなかでも誰よりも美しいです」
「ハイハイ、お世辞は結構よ。で、お兄ちゃんのお眼鏡にかなうのかしら?」
(本気でそう思っているのか。何だかマリさんらしいな)
「どうですかね。リンちゃま連れて行きます?」
「危険すぎるわよ。メイリンは隣国の王室に詳しいんでしょ?」
「はい、あの3カ国では1人だけハイレベルな美しさの美少女がいますが、まだ15歳です」
「16歳の誕生日を待つしかないわね。残りの2カ国にはいないの?」
「ええ、私の知る限りはいないです」
「じゃあ、あまり普通の美人を増やしても仕方ないから、3カ国からは1人だけにしましょう。他はあなたが黙らせてね」
「かしこまりました」
「ふう、これで4人かあ。案外、仲間が増えるのは楽しいわね」
「ええ。ところで最近妻の皆さんは日中どちらにいらっしゃるのでしょうか」
「リリス様のところで、スパーリングの相手をさせられてるわ。ご愁傷様。そう言えば、あなたには声かからないわね。リリスさんと同格だからかしら?」
「同格だなんて滅相もないです」
「あなた強いって噂よ」
「全然そんなことないです。皆さんの中で25番目の最下位です」
「姫軍団は人の頃の素地がいいので、使徒や悪魔になったときに化けるみたいよ。あなたたち3人のバトルロイヤルでの活躍が楽しみだわ」
「あまり買い被らないでください。それでは隣国に行って参ります。ロザンヌとテレジアを連れて行きます」
「はい、頑張ってね」
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