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第九章 アルデラルド
魔界の女王
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「レイラ様にご挨拶致します」
リリス達がすかさず膝をついて挨拶をする。フローラ達悪魔妻たちも慌てて挨拶をする。
(リン君まずいわ、天界に逃げるわよ!)
ラクタがリンリンに脳波で話しかけた。
レイラは逃走の気配を感じて、魔界結界Lv9999を急いで張る。
「ちっ、流石に女神どもは逃したかっ」
リンリンは逃走する前に考えた。
(俺は神だから天界には無条件に帰還できる。悪魔は天界に連れていけないし、置いて行っても大丈夫だ。メイリンも悪魔にされるだろう。神の使徒だけは天界に逃さないと)
「女使いの名において、我が神の使い達に命ずる。天界に転移せよ」
マリとロザンヌとホムンクルス11名の子宮から燃えるような力が湧き、全身を駆け巡る。トランスのレベルがMaxの9999まで上がり、神をも超えるトランス能力に達する。全員が天界への転移に成功した。
「あれ? 逃げられちゃった!? 私が本気で阻止しているのに! 何なのあいつら!? 面白いじゃないの!」
レイラが本当に驚いたという顔をした。そして、嬉しそうに独り言をつぶやく。
「私から逃げたのって、これまでに神以外でいたっけ? あのチビはどうやら神のようだから分かるけど、たかが使徒が何人も結界破って行ったわよ。えーと、1、2、3、あら、13人も逃げてるじゃない。私の結界はザルってこと?」
そのとき、レイラは1人だけ人間がいることに気づいた。
「あら? この子、人間よね。神と悪魔で楽しく遊んでいるところに、どうして? ねえ、リリス? どういうことかそろそろ説明してくれるかしら」
リリスは隠し立てするのは最悪の愚策と判断し、洗いざらいすべてをぶちまけた。
「神にもLv9999が現れたのね。しかも、女キラーのスキルばかりですって? なにっ、それ!? 面白過ぎるよ!」
レイラは気味の悪い笑顔になっている。
「え? ベルゼブブやっつけちゃったの? 人間がワンパンで? いや、それ、ウケる~」
レイラは悪魔がやられたというのに、心底楽しそうだ。
「アバドンはあなたたち4人で数時間かかったのに、アスタロトはあなたたち抜きで5分かからなかったの!? リリス、完全に負けてるじゃないっ」
レイラはリリスの報告をすべて聞いたあとで、メイリンをちらっと見てから、リリスの肩をバンバン叩いた。
「キャハハハハ。なんでそんな面白いことをさっさと報告しないのよっ。デウス追っかけ回す必要ないじゃない。地元でこんな面白いことになっているなんて!! デウスが足元をよく見ろって言ってたのはこのことね。よし、まずはそこの娘を私の従者にしてみるわよ。どっちに忠誠を誓うのか、楽しみねっ」
レイラの従者はリリス1人のみだ。悪魔全員が慌てた。
「レイラ様、それではメイリンが魔界の嫉妬の的になってしまいます」
リリスが諫言したが、レイラは聞く耳をもたない。
「そんなことは小さなことよ。お前だって耐えられたじゃない。さあ、メイリンとか言ったね、こちらに来なさい」
(メイリン、すぐに行くのよっ)
フローラに言われて、メイリンは跳び上がって、レイラのもとに走り寄った。
「ふむ。綺麗な子じゃない。そういえば、リリスの新しい眷属もルックスいいわね。リンリンってやつは相当な面くいだね」
レイラはそういって、メイリンに口づけをする。女王自らが1000年ぶりに行う従者の儀式だ。
(あれ? 強い女神の加護が2つもある。 しかも、この娘、リンリンとやらにすでに骨抜きになっているじゃない!)
さすがのレイラをしても、メイリンを従者にするのは苦労したようだ。たっぷり1分は口づけを続けて、ようやく従者にできたようだ。
「ぷはーっ、苦労したわよ。リリス、お前では無理だったかもしれないよ。さて、娘、お前が忠誠を誓うのはだれ?」
「はい、レイラ様です」
「うん。よしっ。で、誰に愛を捧げるの?」
「はい、リンリン様です♡」
「なにっ!? なんだそれは。 おい、そこのお前」
「はい、私でしょうか、レイラ様、フローラと申します」
「フローラか。いい乳してるわね。で、お前はだれに忠誠を誓っているのだ?」
「はい、リリス様です」
「ふむ。では、誰に愛を捧げている?」
「リンリン君です♡」
「なんじゃ、そりゃ!? おい、リリス、お前の眷属はみなこうなのか? イザベラはどうだ? だれに忠誠を誓っている?」
「もちろんリリス様です」
「では誰に愛を捧げている」
「エンポリス様です♡」
「そうだった、こいつは男神と恋仲だった。そうか、わかったぞ。よく考えたら私もそうだ。神であれば愛することができるのだなっ」
紆余曲折はあったが、メイリンはようやく悪魔になった。しかも、女王に1分以上も接吻されて従者となったため、数百年後、リリスをもしのぐ魔界No.2の悪魔に成長するのであった。
リリス達がすかさず膝をついて挨拶をする。フローラ達悪魔妻たちも慌てて挨拶をする。
(リン君まずいわ、天界に逃げるわよ!)
ラクタがリンリンに脳波で話しかけた。
レイラは逃走の気配を感じて、魔界結界Lv9999を急いで張る。
「ちっ、流石に女神どもは逃したかっ」
リンリンは逃走する前に考えた。
(俺は神だから天界には無条件に帰還できる。悪魔は天界に連れていけないし、置いて行っても大丈夫だ。メイリンも悪魔にされるだろう。神の使徒だけは天界に逃さないと)
「女使いの名において、我が神の使い達に命ずる。天界に転移せよ」
マリとロザンヌとホムンクルス11名の子宮から燃えるような力が湧き、全身を駆け巡る。トランスのレベルがMaxの9999まで上がり、神をも超えるトランス能力に達する。全員が天界への転移に成功した。
「あれ? 逃げられちゃった!? 私が本気で阻止しているのに! 何なのあいつら!? 面白いじゃないの!」
レイラが本当に驚いたという顔をした。そして、嬉しそうに独り言をつぶやく。
「私から逃げたのって、これまでに神以外でいたっけ? あのチビはどうやら神のようだから分かるけど、たかが使徒が何人も結界破って行ったわよ。えーと、1、2、3、あら、13人も逃げてるじゃない。私の結界はザルってこと?」
そのとき、レイラは1人だけ人間がいることに気づいた。
「あら? この子、人間よね。神と悪魔で楽しく遊んでいるところに、どうして? ねえ、リリス? どういうことかそろそろ説明してくれるかしら」
リリスは隠し立てするのは最悪の愚策と判断し、洗いざらいすべてをぶちまけた。
「神にもLv9999が現れたのね。しかも、女キラーのスキルばかりですって? なにっ、それ!? 面白過ぎるよ!」
レイラは気味の悪い笑顔になっている。
「え? ベルゼブブやっつけちゃったの? 人間がワンパンで? いや、それ、ウケる~」
レイラは悪魔がやられたというのに、心底楽しそうだ。
「アバドンはあなたたち4人で数時間かかったのに、アスタロトはあなたたち抜きで5分かからなかったの!? リリス、完全に負けてるじゃないっ」
レイラはリリスの報告をすべて聞いたあとで、メイリンをちらっと見てから、リリスの肩をバンバン叩いた。
「キャハハハハ。なんでそんな面白いことをさっさと報告しないのよっ。デウス追っかけ回す必要ないじゃない。地元でこんな面白いことになっているなんて!! デウスが足元をよく見ろって言ってたのはこのことね。よし、まずはそこの娘を私の従者にしてみるわよ。どっちに忠誠を誓うのか、楽しみねっ」
レイラの従者はリリス1人のみだ。悪魔全員が慌てた。
「レイラ様、それではメイリンが魔界の嫉妬の的になってしまいます」
リリスが諫言したが、レイラは聞く耳をもたない。
「そんなことは小さなことよ。お前だって耐えられたじゃない。さあ、メイリンとか言ったね、こちらに来なさい」
(メイリン、すぐに行くのよっ)
フローラに言われて、メイリンは跳び上がって、レイラのもとに走り寄った。
「ふむ。綺麗な子じゃない。そういえば、リリスの新しい眷属もルックスいいわね。リンリンってやつは相当な面くいだね」
レイラはそういって、メイリンに口づけをする。女王自らが1000年ぶりに行う従者の儀式だ。
(あれ? 強い女神の加護が2つもある。 しかも、この娘、リンリンとやらにすでに骨抜きになっているじゃない!)
さすがのレイラをしても、メイリンを従者にするのは苦労したようだ。たっぷり1分は口づけを続けて、ようやく従者にできたようだ。
「ぷはーっ、苦労したわよ。リリス、お前では無理だったかもしれないよ。さて、娘、お前が忠誠を誓うのはだれ?」
「はい、レイラ様です」
「うん。よしっ。で、誰に愛を捧げるの?」
「はい、リンリン様です♡」
「なにっ!? なんだそれは。 おい、そこのお前」
「はい、私でしょうか、レイラ様、フローラと申します」
「フローラか。いい乳してるわね。で、お前はだれに忠誠を誓っているのだ?」
「はい、リリス様です」
「ふむ。では、誰に愛を捧げている?」
「リンリン君です♡」
「なんじゃ、そりゃ!? おい、リリス、お前の眷属はみなこうなのか? イザベラはどうだ? だれに忠誠を誓っている?」
「もちろんリリス様です」
「では誰に愛を捧げている」
「エンポリス様です♡」
「そうだった、こいつは男神と恋仲だった。そうか、わかったぞ。よく考えたら私もそうだ。神であれば愛することができるのだなっ」
紆余曲折はあったが、メイリンはようやく悪魔になった。しかも、女王に1分以上も接吻されて従者となったため、数百年後、リリスをもしのぐ魔界No.2の悪魔に成長するのであった。
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