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第八章 ダルムンド
パレード
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ロザンヌ姫との婚礼の儀はダルムンドの王室に任せた。
婚礼の当日、王宮近くの郊外に24台の豪華な馬車が用意されていた。本来はアスタロト城から姫を迎えに行く馬車を出すのが正式なのだそうだが、少し距離があるのと、どのみち湖は渡れないので、思い切ってここから出そうということになったのだ。
先頭の11台には愛人がそれぞれ乗車する。続く12台には妻達が、そして最後の一際豪華な馬車にリンリンが乗り込んだ。
こういった冠婚葬祭の場では序列をはっきりさせる必要がある。そのため、今回の婚礼の儀にあたり、正妻を女たちで協議して決めた。その結果、正妻はマリに決定した。リンリンも一生懸命平等に振る舞ってはいるが、マリのことを一番愛していることは明らかで、誰からも異論はなかった。
正妻以外の序列は、妻や愛人になった順を序列とした。リンリンの前の馬車にはマリが、その前にはフローラが乗っている。その前にルミ、その前にカトリーヌといった具合だ。
妻や愛人達が参列するのは、リンリンに嫁ぐというのはこういうことだと知らしめるためである。リンリンが公式の場に出るのはこれが初めてだが、やがてリンリンの存在は世界中に知れ渡ることになるであろう。
事実、どこでどう入手したのか、ダルムンドとはこの星の反対側にあるアルデラルドが既に情報を入手し、シルビアを通じて、アルデラルドの姫を献上したいとの申し入れが来ている。フローラは人界のバランスを保つ上でも、この申し入れを受けざるを得ないと考えている。
フローラの頭の中では
正妻 マリ
悪魔の妻 11名
神の使徒の愛人 11名
天界魔界のお姉様 12名
王室のお姫様 2人 ダルムンド、アルデラルド ほか定員12名まで
の定員47名という案が既に描かれていた。
24台の馬車が王都のメインストリートを通過する。街道にはあの美しい姫を娶るという子供の姿を一目見ようと、沢山の人で埋め尽くされていた。
先頭の馬車が通過する。馬車の窓から見えるのは非常に美しい女性だ。美し過ぎて、作りものではないかと思われるほどの美貌が、群衆に微笑んだ。わぁっという喝采が先頭の馬車付近であがる。
まだ馬車の前側しか見られない位置の人々が前方で何が起きているのかと騒然となる。しかし、馬車が近づいてきて、中にいる美しい女性が自分たちに微笑みかけてきたのを見て、自分たちも同じように喝采をあげた。
最初の11人はそれぞれタイプこそ違うものの、神がかった清楚な美しさだった。12人目からは艶めかしい美しさに変わった。色気のある魅惑的な極上の美しさだ。12人目は銀髪が美しく、光の加減で目の色が虹色に変わる。その美しさに、女性たちがため息をついている。13人目は燃えるような赤毛の勝ち気な目をした女性だ。攻撃的な美しさで、若い男たちが大興奮状態になっている。
次の3人で、今度はおじさん達がパニック状態になった。もっと近くで見たいと前列に殺到し、ガード兵達が出動し、ラインを懸命に維持している。妻にはしたないと言われてビンタを食らっているお父さんもいる。そう爆乳3人娘が通過したのだ。
あどけない顔にも関わらず、浮かべる笑みは妖艶この上もなく、そして、トドメに殺人的な爆乳を引っ提げている。それが何と3人連続だ。1人目は何とか我慢して、2人目で我慢したら後悔するのではないかと逡巡し始め、3人目で本能に身を委ねてしまう。3人目のララのところで特にパニックがひどいのは、これが理由だ。
その後も色とりどりの美女が続き、各所で声援が湧き上がる。そして、最後から2人目の大人の色香を漂わせた極上美女に、お父さん達が指笛を鳴らしまくった後、最後の女性が通過すると、今までの騒然さが嘘のように鎮まりかえった。
その人は本当に美しかった。神がかり的に清楚で、悪魔のように妖艶で、慈悲深く、魅惑的で、この世の美が一点に集まったかのような美しさだ。あの子供の正妻だという声が聞こえる。確かにこの美女軍団の中でもひときわ輝く美しさだった。ほとんどの人が声を出さずにただただ黙って見惚れていた。
最後にロザンヌ姫を娶るという少年の馬車が通り過ぎる。意外にも少年は仮面を被っていた。どんな少年なのか期待していた群衆にがっかりとした空気が流れた。その様子を見て、少年が少し戸惑いつつも、軽く手を振ると、群衆の女性達に異変が生じた。多くの女性が突然泣き始めたのだ。ガード兵から怒鳴り声のような注意喚起が行われた。
女性の方は危険ですから馬車を見ないでください!!
女性の方は危険ですから馬車を見ないでください!!
慌てたように少年の馬車のカーテンが下された。後ろの方の群衆の人たちは前で何が起きたのか分からないが、かなりの人数の女性達が担架に乗せられて運ばれているのが見えた。一体何が起きたのだろうか。
結局、少年の馬車はカーテンを最後まで閉めたままだった。群衆は少しがっかりしたが、美女達を十分に堪能して、興奮冷めやらぬメインストリートから帰途についた。
婚礼の当日、王宮近くの郊外に24台の豪華な馬車が用意されていた。本来はアスタロト城から姫を迎えに行く馬車を出すのが正式なのだそうだが、少し距離があるのと、どのみち湖は渡れないので、思い切ってここから出そうということになったのだ。
先頭の11台には愛人がそれぞれ乗車する。続く12台には妻達が、そして最後の一際豪華な馬車にリンリンが乗り込んだ。
こういった冠婚葬祭の場では序列をはっきりさせる必要がある。そのため、今回の婚礼の儀にあたり、正妻を女たちで協議して決めた。その結果、正妻はマリに決定した。リンリンも一生懸命平等に振る舞ってはいるが、マリのことを一番愛していることは明らかで、誰からも異論はなかった。
正妻以外の序列は、妻や愛人になった順を序列とした。リンリンの前の馬車にはマリが、その前にはフローラが乗っている。その前にルミ、その前にカトリーヌといった具合だ。
妻や愛人達が参列するのは、リンリンに嫁ぐというのはこういうことだと知らしめるためである。リンリンが公式の場に出るのはこれが初めてだが、やがてリンリンの存在は世界中に知れ渡ることになるであろう。
事実、どこでどう入手したのか、ダルムンドとはこの星の反対側にあるアルデラルドが既に情報を入手し、シルビアを通じて、アルデラルドの姫を献上したいとの申し入れが来ている。フローラは人界のバランスを保つ上でも、この申し入れを受けざるを得ないと考えている。
フローラの頭の中では
正妻 マリ
悪魔の妻 11名
神の使徒の愛人 11名
天界魔界のお姉様 12名
王室のお姫様 2人 ダルムンド、アルデラルド ほか定員12名まで
の定員47名という案が既に描かれていた。
24台の馬車が王都のメインストリートを通過する。街道にはあの美しい姫を娶るという子供の姿を一目見ようと、沢山の人で埋め尽くされていた。
先頭の馬車が通過する。馬車の窓から見えるのは非常に美しい女性だ。美し過ぎて、作りものではないかと思われるほどの美貌が、群衆に微笑んだ。わぁっという喝采が先頭の馬車付近であがる。
まだ馬車の前側しか見られない位置の人々が前方で何が起きているのかと騒然となる。しかし、馬車が近づいてきて、中にいる美しい女性が自分たちに微笑みかけてきたのを見て、自分たちも同じように喝采をあげた。
最初の11人はそれぞれタイプこそ違うものの、神がかった清楚な美しさだった。12人目からは艶めかしい美しさに変わった。色気のある魅惑的な極上の美しさだ。12人目は銀髪が美しく、光の加減で目の色が虹色に変わる。その美しさに、女性たちがため息をついている。13人目は燃えるような赤毛の勝ち気な目をした女性だ。攻撃的な美しさで、若い男たちが大興奮状態になっている。
次の3人で、今度はおじさん達がパニック状態になった。もっと近くで見たいと前列に殺到し、ガード兵達が出動し、ラインを懸命に維持している。妻にはしたないと言われてビンタを食らっているお父さんもいる。そう爆乳3人娘が通過したのだ。
あどけない顔にも関わらず、浮かべる笑みは妖艶この上もなく、そして、トドメに殺人的な爆乳を引っ提げている。それが何と3人連続だ。1人目は何とか我慢して、2人目で我慢したら後悔するのではないかと逡巡し始め、3人目で本能に身を委ねてしまう。3人目のララのところで特にパニックがひどいのは、これが理由だ。
その後も色とりどりの美女が続き、各所で声援が湧き上がる。そして、最後から2人目の大人の色香を漂わせた極上美女に、お父さん達が指笛を鳴らしまくった後、最後の女性が通過すると、今までの騒然さが嘘のように鎮まりかえった。
その人は本当に美しかった。神がかり的に清楚で、悪魔のように妖艶で、慈悲深く、魅惑的で、この世の美が一点に集まったかのような美しさだ。あの子供の正妻だという声が聞こえる。確かにこの美女軍団の中でもひときわ輝く美しさだった。ほとんどの人が声を出さずにただただ黙って見惚れていた。
最後にロザンヌ姫を娶るという少年の馬車が通り過ぎる。意外にも少年は仮面を被っていた。どんな少年なのか期待していた群衆にがっかりとした空気が流れた。その様子を見て、少年が少し戸惑いつつも、軽く手を振ると、群衆の女性達に異変が生じた。多くの女性が突然泣き始めたのだ。ガード兵から怒鳴り声のような注意喚起が行われた。
女性の方は危険ですから馬車を見ないでください!!
女性の方は危険ですから馬車を見ないでください!!
慌てたように少年の馬車のカーテンが下された。後ろの方の群衆の人たちは前で何が起きたのか分からないが、かなりの人数の女性達が担架に乗せられて運ばれているのが見えた。一体何が起きたのだろうか。
結局、少年の馬車はカーテンを最後まで閉めたままだった。群衆は少しがっかりしたが、美女達を十分に堪能して、興奮冷めやらぬメインストリートから帰途についた。
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