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第六章 悪魔討伐
エーデンリッヒ城の悪魔の正体
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俺は温泉宿に転移で戻った。
ララさんが腰を抜かして驚いて、俺を見上げている。いや、その角度で、なんでそんなに胸が大きいの?
「ララさん、驚かせてすいません。もうすぐ皆さんもできるようになると思います」
これ、エーデンリッヒ城にも行けるんじゃないのか? でもあの継母のところに1人で飛び込む勇気はないな。
今日はもう風呂入って寝るか。
「ララさん、お風呂行きませんか?」
「本当に驚いた。風呂はちょうどいいかも。ちょっとちびってしまったから」
「ちゃんと洗ってくださいよ」
「ふふ、洗ってもらおうかな」
今日も俺は元気な5歳児だった。
***
――― 翌朝
「おーい、少年、うっ、なぜ3人?」
(ララさんたちはやはり3人がいいそうなんです。ずっと一緒に育ったそうです)
「なんかいい話みたいにしているけど、あなたは4Pしてるのよ、4P! 5歳児のくせにね」
(そんなことより、トランの魔法ってすごいですね。もうどこにでも行けるじゃないですか」
「あ、それね、やはり始末書だったよ・・・」
(え? 使ってはいけないんですか?)
「教えるのがダメで、使うのはOKよ。まあ、便利よね。神も悪魔も普通に使ってるけど、人間で使えたのはわずかね。いないことはないわよ」
(これ、エーデンリッヒ城にも行けます?)
「もちろん行けるけど、あそこにはやっかいな悪魔がいるわよ」
(継母に知恵を貸している悪魔ですか?)
「そうよ。悪魔は魔界に住んでいるんだけど、もともとは魔王サタンが支配していたのよ。そこに異世界から転生してきたのが今の女王よ。魔界にも私みたいのがいて、転生を管理している悪魔がいるんだけど、何を間違えたのか、記憶をリセットせず、しかも、レベルの初期値を9999のままにして、そのうえ、自分たちの世界に転生させちゃったのよ」
(それ、ラクタさんと同じミスじゃないですか。まあ、俺の場合は人界に転生されましたけど)
「いいえ、私は被害者よ。ミスはしていないわ。でね、その女の子、ものすごく強くなっちゃって、魔王倒しちゃったのよ。しかも、瞬殺よ、瞬殺。じじ神が、まじかって顎外しそうになっていたわ。そういうことがあって、あなたも神界から警戒されているのよ。少し話がそれたわ。魔界には魔王と同格の悪魔が3人いてね、その3人は女王に頭を下げて許してもらったのよ。そのうちの1人が継母についているの。ベルゼブブという名の悪魔よ」
(あの、フェールセーフって知ってますか。人はミスをしますので、ミスをすることを前提として、ミスが出た場合でも被害が最小になるように設計するんです。あの白い機械の初期値を1にしてはどうですか?)
「神はミスはしないから、そのフェールセーフってのは要らないわよ」
(う、絶対にミスを認めないですね。欧米人みたいです)
「あと1分しかないから、急いで説明するわよ。ベルゼブブは旧魔王派の筆頭格よ。女王自身はどっちの味方もしないわ。配下の争いに無関心なのよ。リリスでも単騎ではベルゼブブを倒せないと言っていたわ。そのベルゼブブのほかにも何人かの上位悪魔がいるのよ。ベルゼブブが、女王と同じ状況で転生した人が人界にいることを嗅ぎつけたのは間違いないわ。リン君の動きも監視している感じがするのよ。フレアはベルゼブブのリン君の監視の監視が任務なの。ということで、城に行く場合は注意してね。じゃあ、また明日っ」
説明詰め込んで行ったなあ。フレアさんの任務は秘密で、ラクタさんは知らないんじゃなかったのだっけ?
神はミスをしないって、あの人、ミスだらけじゃないか。
でも、やはりエーデンリッヒ城に行くにはもう少し準備は必要だな。
そろそろ起きてもらおうかな。
「ララさん、起きてください。今日は冒険者組合に行く日ですよ。リリさん、ルルさんも」
肩をゆすって起こしているんだが、ハンドボールが2つプルンプルン揺れてるんですけど。
ララさんが腰を抜かして驚いて、俺を見上げている。いや、その角度で、なんでそんなに胸が大きいの?
「ララさん、驚かせてすいません。もうすぐ皆さんもできるようになると思います」
これ、エーデンリッヒ城にも行けるんじゃないのか? でもあの継母のところに1人で飛び込む勇気はないな。
今日はもう風呂入って寝るか。
「ララさん、お風呂行きませんか?」
「本当に驚いた。風呂はちょうどいいかも。ちょっとちびってしまったから」
「ちゃんと洗ってくださいよ」
「ふふ、洗ってもらおうかな」
今日も俺は元気な5歳児だった。
***
――― 翌朝
「おーい、少年、うっ、なぜ3人?」
(ララさんたちはやはり3人がいいそうなんです。ずっと一緒に育ったそうです)
「なんかいい話みたいにしているけど、あなたは4Pしてるのよ、4P! 5歳児のくせにね」
(そんなことより、トランの魔法ってすごいですね。もうどこにでも行けるじゃないですか」
「あ、それね、やはり始末書だったよ・・・」
(え? 使ってはいけないんですか?)
「教えるのがダメで、使うのはOKよ。まあ、便利よね。神も悪魔も普通に使ってるけど、人間で使えたのはわずかね。いないことはないわよ」
(これ、エーデンリッヒ城にも行けます?)
「もちろん行けるけど、あそこにはやっかいな悪魔がいるわよ」
(継母に知恵を貸している悪魔ですか?)
「そうよ。悪魔は魔界に住んでいるんだけど、もともとは魔王サタンが支配していたのよ。そこに異世界から転生してきたのが今の女王よ。魔界にも私みたいのがいて、転生を管理している悪魔がいるんだけど、何を間違えたのか、記憶をリセットせず、しかも、レベルの初期値を9999のままにして、そのうえ、自分たちの世界に転生させちゃったのよ」
(それ、ラクタさんと同じミスじゃないですか。まあ、俺の場合は人界に転生されましたけど)
「いいえ、私は被害者よ。ミスはしていないわ。でね、その女の子、ものすごく強くなっちゃって、魔王倒しちゃったのよ。しかも、瞬殺よ、瞬殺。じじ神が、まじかって顎外しそうになっていたわ。そういうことがあって、あなたも神界から警戒されているのよ。少し話がそれたわ。魔界には魔王と同格の悪魔が3人いてね、その3人は女王に頭を下げて許してもらったのよ。そのうちの1人が継母についているの。ベルゼブブという名の悪魔よ」
(あの、フェールセーフって知ってますか。人はミスをしますので、ミスをすることを前提として、ミスが出た場合でも被害が最小になるように設計するんです。あの白い機械の初期値を1にしてはどうですか?)
「神はミスはしないから、そのフェールセーフってのは要らないわよ」
(う、絶対にミスを認めないですね。欧米人みたいです)
「あと1分しかないから、急いで説明するわよ。ベルゼブブは旧魔王派の筆頭格よ。女王自身はどっちの味方もしないわ。配下の争いに無関心なのよ。リリスでも単騎ではベルゼブブを倒せないと言っていたわ。そのベルゼブブのほかにも何人かの上位悪魔がいるのよ。ベルゼブブが、女王と同じ状況で転生した人が人界にいることを嗅ぎつけたのは間違いないわ。リン君の動きも監視している感じがするのよ。フレアはベルゼブブのリン君の監視の監視が任務なの。ということで、城に行く場合は注意してね。じゃあ、また明日っ」
説明詰め込んで行ったなあ。フレアさんの任務は秘密で、ラクタさんは知らないんじゃなかったのだっけ?
神はミスをしないって、あの人、ミスだらけじゃないか。
でも、やはりエーデンリッヒ城に行くにはもう少し準備は必要だな。
そろそろ起きてもらおうかな。
「ララさん、起きてください。今日は冒険者組合に行く日ですよ。リリさん、ルルさんも」
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