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第三章 旅
加護持ちの悪魔
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「おーい、少年、今日は違う女が寝ているじゃないか。あれ? この子・・・」
(あ、ラクタさん、おはようございます。
この人、ルミさんです)
「少年はまだ5歳なのに、なぜ2人目がいるの?」
(いや、俺もよくわからないんですが、違う人が入ってきたのです)
「それで、やっちゃうわけ?」
(ええ、というか、普通は誰でもやると思いますよ。やらないのは相手に失礼ですよ)
「神罰、決定!」
(どわわっ、痛い、それ、本当に痛いんですって!)
「痛くなければ、罰にならんだろう。昨日言った通り、あなたのものを鍛えてあげているんだゾ」
(帯電して、女性に電気刺激を与えられるようになったりするんですか?)
「あなたはアホ? そんなことあると思う?」
(いや、少しだけそういうのもあるかなと。神様謹製ですし)
「なんで神がわざわざそんなものを作るのよ。本当にアホだね、あなたは。アホが移るからこの話はやめよう。ところで、この子さあ、私の加護持ちなのに、悪魔になっちゃってるじゃない」
(え? 悪魔?)
「そうよ、あなたとしてしまって、無事なヒトがいるはずないじゃないの。リリスめ~。どうやって私の加護をすり抜けたのよ。ていうか、女神の加護を持っている悪魔なんて初めてじゃないかしら!?」
(そうか、儀式を済ませたってのはそういう意味だったのか)
「フローラもこの子も不思議な悪魔なのよ。普通、悪魔は主人に絶対の忠誠を誓うのよ。でも、この子たちはあなたに忠誠を誓っているのよ。多分それで加護をすり抜けて悪魔になれたのよ。あなたは私の加護のレベルが9999で、ほとんど神だからね」
(え? 俺は神なんですか?)
「神じゃないわよ。名誉神ってところかな? 名前だけ神ってやつ。力は神には全然及ばないけど、神の名前は使っていい、みたいな感じよ。だから、悪魔と契約しても、悪魔よりも上位である名目上の神のあなたに忠誠を誓えるのだと思うわ」
(なんだかよくわかりませんが、このパーティには悪魔が2人いるんですね)
「いいえ、今、気づいたけど、全部で4人もいるわよ。昨日の朝は感じなかったから、昨日悪魔になったみたいね」
(え? 誰と誰ですか?)
「小さい女の子だけは悪魔ではないわね」
(マリ以外は悪魔ですか・・・)
「あなたは女ホイホイではなく、悪魔ホイホイだったのね! でも、この子、よかったね。優しいあなたに出会えて。この子ね、幼いときに両親を亡くしちゃってね。そんな逆境にもめげず、人に優しくて、お人好しで、いろんな人に騙されて、それでも人に親切にしてあげて。 だから、私の加護を与えて、危険な方に行かないようにしてあげたのよ。いや、しかし、リリスのやつ、ちょっと力つけすぎてんじゃないの。あっ、いけない5分だわ。ちょっとリリスに文句言っておくわ。じゃあ、また明日ね」
(はい、またよろしくお願いします)
そうか、ルミさん、悪魔になってまで、俺の妻になりたかったのか。
いじらしくて可愛いなあ。それに、こんなに美人だし。
さて、そろそろ起こそうかな。
「ルミさん、そろそろ起きて、自分のテントに移動してください」
ルミさんが、突然、目をばっちりと開けた。左右を見渡している。俺と目が合った。
ルミさんの顔が見る見るうちにピンク色に染まっていく。
「し、失礼いたしました・・・」
布団を体に巻いたまま、ルミさんは俺のテントを出て行った。
お、俺の布団・・・
(あ、ラクタさん、おはようございます。
この人、ルミさんです)
「少年はまだ5歳なのに、なぜ2人目がいるの?」
(いや、俺もよくわからないんですが、違う人が入ってきたのです)
「それで、やっちゃうわけ?」
(ええ、というか、普通は誰でもやると思いますよ。やらないのは相手に失礼ですよ)
「神罰、決定!」
(どわわっ、痛い、それ、本当に痛いんですって!)
「痛くなければ、罰にならんだろう。昨日言った通り、あなたのものを鍛えてあげているんだゾ」
(帯電して、女性に電気刺激を与えられるようになったりするんですか?)
「あなたはアホ? そんなことあると思う?」
(いや、少しだけそういうのもあるかなと。神様謹製ですし)
「なんで神がわざわざそんなものを作るのよ。本当にアホだね、あなたは。アホが移るからこの話はやめよう。ところで、この子さあ、私の加護持ちなのに、悪魔になっちゃってるじゃない」
(え? 悪魔?)
「そうよ、あなたとしてしまって、無事なヒトがいるはずないじゃないの。リリスめ~。どうやって私の加護をすり抜けたのよ。ていうか、女神の加護を持っている悪魔なんて初めてじゃないかしら!?」
(そうか、儀式を済ませたってのはそういう意味だったのか)
「フローラもこの子も不思議な悪魔なのよ。普通、悪魔は主人に絶対の忠誠を誓うのよ。でも、この子たちはあなたに忠誠を誓っているのよ。多分それで加護をすり抜けて悪魔になれたのよ。あなたは私の加護のレベルが9999で、ほとんど神だからね」
(え? 俺は神なんですか?)
「神じゃないわよ。名誉神ってところかな? 名前だけ神ってやつ。力は神には全然及ばないけど、神の名前は使っていい、みたいな感じよ。だから、悪魔と契約しても、悪魔よりも上位である名目上の神のあなたに忠誠を誓えるのだと思うわ」
(なんだかよくわかりませんが、このパーティには悪魔が2人いるんですね)
「いいえ、今、気づいたけど、全部で4人もいるわよ。昨日の朝は感じなかったから、昨日悪魔になったみたいね」
(え? 誰と誰ですか?)
「小さい女の子だけは悪魔ではないわね」
(マリ以外は悪魔ですか・・・)
「あなたは女ホイホイではなく、悪魔ホイホイだったのね! でも、この子、よかったね。優しいあなたに出会えて。この子ね、幼いときに両親を亡くしちゃってね。そんな逆境にもめげず、人に優しくて、お人好しで、いろんな人に騙されて、それでも人に親切にしてあげて。 だから、私の加護を与えて、危険な方に行かないようにしてあげたのよ。いや、しかし、リリスのやつ、ちょっと力つけすぎてんじゃないの。あっ、いけない5分だわ。ちょっとリリスに文句言っておくわ。じゃあ、また明日ね」
(はい、またよろしくお願いします)
そうか、ルミさん、悪魔になってまで、俺の妻になりたかったのか。
いじらしくて可愛いなあ。それに、こんなに美人だし。
さて、そろそろ起こそうかな。
「ルミさん、そろそろ起きて、自分のテントに移動してください」
ルミさんが、突然、目をばっちりと開けた。左右を見渡している。俺と目が合った。
ルミさんの顔が見る見るうちにピンク色に染まっていく。
「し、失礼いたしました・・・」
布団を体に巻いたまま、ルミさんは俺のテントを出て行った。
お、俺の布団・・・
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