20 / 143
第二章 小屋
冒険者の職種
しおりを挟む
「よ、少年、元気してる?」
(ラクタさん。おはようございます)
「なんか困っていることある?」
(生まれ故郷に帰ろうと思うのですが、何キロぐらいありますかね?)
「次元の穴に入ればすぐだよ」
(死んじゃうじゃないですか)
「ははは、そうだった。あれで死ぬとはね。ラクタもびっくり」
(ここから帰れるんですかね)
「そうね、まっすぐ行けば1万キロぐらいかな。前の世界よりもこっちの世界は小さいね。ちょっと待ってね」
なんだろう。何かに集中しているような。
「わかったよ。行くよ」
(うわっ。なんですか、頭にイメージが)
「ここが、この国、ここが、あなたの国。わかった」
(これはわかりやすいです。どうやってやったんですか?
これも魔法ですか?)
「そうよ。マップの魔法。今のであなたも覚えたよ」
(なるほど。これ海ですか。)
「そうよ。まっすぐ行くと1万キロだけど、ずっと海だよ。飛行魔法ではせいぜい10キロだから無理よね」
(かなり大回りだけど、陸続きでこうやっていくしかないですかね)
「そうね。ざっと4万キロだね。魔物と戦いながらでも、3,4年でいけるんじゃない」
(なるほど、5年後に出ても大丈夫か)
(ラクタさん、俺って冒険者になったら、どんな職種があっていると思います?)
「女使いでしょ」
(は? そんな職種あるんすか?)
「あるよ、あなただけの職種だけどね。冒険者組合で登録するときに聞いてみなよ。神のお告げで聞いたって言ってね」
(俺にはそれが一番合ってるんでしょうか?)
「そうだよ。天職だよ」
(そうですか。でもなんか名前がよくないですね)
「そう? 名は体を表す、とはよくいったものよ。ぴったりじゃない」
(で、どんな職種なんですか)
「それをいっちゃ楽しくないでしょ。自分で体験してみなよ」
(あの、「女使い」に必要なトレーニングってなんでしょうか)
「トレーニングなんて必要ないわ。もうあなたは9999人前の女使いよ!」
(はあ、じゃあ僕は何をすればいいのでしょうか)
「そうね、ちょっとずるしてあげるから、今日、冒険者組合で登録できるようにしておくわよ。髪を赤いリボンで結っているポニーテールのお姉さんに登録申請するといいわよ」
(わかりました。ありがとうございます)
「いいって、いいって。こんなところで5年もトレーニングされたら、退屈で仕方ないからね。おっと5分だわ。またねー」
さて、今の話をどうやって、フローラさんに伝ええようか。
階段を下りていくと、いつものようにフローラさんが朝食の用意をしていた。
「フローラさん、おはようございます」
「おはよう、リンリン君」
フローラさんは今日もめちゃくちゃきれいだ。
「あのう、先ほど神のお告げがありまして、今日、冒険者組合に行くと5歳でも登録できるそうです」
フローラさんはきょとんとした顔をしていたが、にっこり笑って、
「わかったわ、今日、冒険者組合に行きましょう」
と言ってくれた。
(ラクタさん。おはようございます)
「なんか困っていることある?」
(生まれ故郷に帰ろうと思うのですが、何キロぐらいありますかね?)
「次元の穴に入ればすぐだよ」
(死んじゃうじゃないですか)
「ははは、そうだった。あれで死ぬとはね。ラクタもびっくり」
(ここから帰れるんですかね)
「そうね、まっすぐ行けば1万キロぐらいかな。前の世界よりもこっちの世界は小さいね。ちょっと待ってね」
なんだろう。何かに集中しているような。
「わかったよ。行くよ」
(うわっ。なんですか、頭にイメージが)
「ここが、この国、ここが、あなたの国。わかった」
(これはわかりやすいです。どうやってやったんですか?
これも魔法ですか?)
「そうよ。マップの魔法。今のであなたも覚えたよ」
(なるほど。これ海ですか。)
「そうよ。まっすぐ行くと1万キロだけど、ずっと海だよ。飛行魔法ではせいぜい10キロだから無理よね」
(かなり大回りだけど、陸続きでこうやっていくしかないですかね)
「そうね。ざっと4万キロだね。魔物と戦いながらでも、3,4年でいけるんじゃない」
(なるほど、5年後に出ても大丈夫か)
(ラクタさん、俺って冒険者になったら、どんな職種があっていると思います?)
「女使いでしょ」
(は? そんな職種あるんすか?)
「あるよ、あなただけの職種だけどね。冒険者組合で登録するときに聞いてみなよ。神のお告げで聞いたって言ってね」
(俺にはそれが一番合ってるんでしょうか?)
「そうだよ。天職だよ」
(そうですか。でもなんか名前がよくないですね)
「そう? 名は体を表す、とはよくいったものよ。ぴったりじゃない」
(で、どんな職種なんですか)
「それをいっちゃ楽しくないでしょ。自分で体験してみなよ」
(あの、「女使い」に必要なトレーニングってなんでしょうか)
「トレーニングなんて必要ないわ。もうあなたは9999人前の女使いよ!」
(はあ、じゃあ僕は何をすればいいのでしょうか)
「そうね、ちょっとずるしてあげるから、今日、冒険者組合で登録できるようにしておくわよ。髪を赤いリボンで結っているポニーテールのお姉さんに登録申請するといいわよ」
(わかりました。ありがとうございます)
「いいって、いいって。こんなところで5年もトレーニングされたら、退屈で仕方ないからね。おっと5分だわ。またねー」
さて、今の話をどうやって、フローラさんに伝ええようか。
階段を下りていくと、いつものようにフローラさんが朝食の用意をしていた。
「フローラさん、おはようございます」
「おはよう、リンリン君」
フローラさんは今日もめちゃくちゃきれいだ。
「あのう、先ほど神のお告げがありまして、今日、冒険者組合に行くと5歳でも登録できるそうです」
フローラさんはきょとんとした顔をしていたが、にっこり笑って、
「わかったわ、今日、冒険者組合に行きましょう」
と言ってくれた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
645
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる