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第二章 小屋
フローラの変化
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「おーい、少年、えらいことになってるぞ」
(あ、ラクタさん、おはようございます。今日は早いですね)
「あのさ、フローラっていうの? 悪魔になっちゃったよ」
(は? 何を言ってるんですか?)
「ほら、昨日リリスっていう悪魔の話したでしょう。あの女悪魔に頼んで、悪魔にしてもらったみたいよ」
(いやいやいや、どういうことです?)
「そういうのって、本人から聞いた方がいいんじゃない?」
(そういうんだったら、悪魔になった話も本人から聞くべきだったんでは?)
「おっ、痛いところ突くね。神としては悪魔があなたの側にいるのはあまり歓迎しないのよ。でもね、彼女はあなたを守ってくれそうなの。だから、あなたを彼女から遠ざけないでいてあげるわ。ただ、万一に備えて、悪魔であることだけは教えておきたかったのさ」
(へえ、なんかまともなこと言ってますね)
(うーん、どうしてそうしちゃったのかな。まあ、フローラさんが言いたくなったときに聞くようにしますよ)
「それから、リリスにフローラの姉と義兄を殺した理由を聞いたけど、あなたに教えるのはやめとくわね」
(え? 何でですか?)
「思った以上に不快だったから。少年も知るときが来ると思うよ」
(わかりました。そんなに本気で知りたいってわけはないので大丈夫です)
「ふーん、リリスのこと知らないからね、あなたは。ほかになにか困ったことない?」
(困っているわけではないんですが、私の家は今どんな感じなんですかね?)
「あなたの遺体が見つからないので、行方不明ってことになっているわよ」
(でしょうね。継母はどうしてます?)
「あなたがいなくなって憔悴しきっているという演技をしてるわよ。あの女にはタチの悪い悪魔がついていてね。悪知恵を貸しているのよ。あなたが15歳になるまでに帰ってこなかったら、後継ぎを自分の息子にする計画ね。今のところは、あなたの父親を害する気はないようね」
(なるほど、でもなんでそんなことわかるんですか?)
「企業秘密よ。これ教えたら、あなたを口封じしないといけなくなるから。それでも聞く?」
(いいえ、結構です)
「ほかになければ、帰るわよ」
(あ、今俺のいる国ってどういう国なんですか?)
「フローラに聞きなさいよ。彼女はもうあなたの言うことは何でも聞くと思うよ」
(え? 何でですか)
「もう5分よ。また、明日ねえ~」
ちょっと、ラクタさん。もう、どういう意味なんだよ。
今日はちょっと早いな。フローラさんに呼ばれる前に下りて行こうかな。
服を着替えて、階段を下りていくと、フローラさんが朝食を作っている後ろ姿が見えた。
俺が下りていく気配を感じて、フローラさんが振り返った。
「リンリン君、おはよう、今日は早いのね」
あ、フローラさんの雰囲気がちょっとちがう。前もきれいだったけど、セクシー度合いが増えて、美しさに凄みが加わった感じだ。キレイな人がメイクして美しさに磨きがかかったような感じといえばわかりやすい。って自分に解説してどうするんだよ。
あ、いかん、5歳なのにちょっと反応してしまう。
別のことを考えよう。そうだ、この国のことを聞こう。
「フローラさん、おはようございます。ちょっとお聞きしたいことがあるのですが」
「そう? じゃあ、朝食いただきながらにしましょうか。マリを起こして来てくれる?」
「はい、わかりました」
いやあ、本当にキレイでびっくりした。悪魔になるって、キレイになることなの?
(あ、ラクタさん、おはようございます。今日は早いですね)
「あのさ、フローラっていうの? 悪魔になっちゃったよ」
(は? 何を言ってるんですか?)
「ほら、昨日リリスっていう悪魔の話したでしょう。あの女悪魔に頼んで、悪魔にしてもらったみたいよ」
(いやいやいや、どういうことです?)
「そういうのって、本人から聞いた方がいいんじゃない?」
(そういうんだったら、悪魔になった話も本人から聞くべきだったんでは?)
「おっ、痛いところ突くね。神としては悪魔があなたの側にいるのはあまり歓迎しないのよ。でもね、彼女はあなたを守ってくれそうなの。だから、あなたを彼女から遠ざけないでいてあげるわ。ただ、万一に備えて、悪魔であることだけは教えておきたかったのさ」
(へえ、なんかまともなこと言ってますね)
(うーん、どうしてそうしちゃったのかな。まあ、フローラさんが言いたくなったときに聞くようにしますよ)
「それから、リリスにフローラの姉と義兄を殺した理由を聞いたけど、あなたに教えるのはやめとくわね」
(え? 何でですか?)
「思った以上に不快だったから。少年も知るときが来ると思うよ」
(わかりました。そんなに本気で知りたいってわけはないので大丈夫です)
「ふーん、リリスのこと知らないからね、あなたは。ほかになにか困ったことない?」
(困っているわけではないんですが、私の家は今どんな感じなんですかね?)
「あなたの遺体が見つからないので、行方不明ってことになっているわよ」
(でしょうね。継母はどうしてます?)
「あなたがいなくなって憔悴しきっているという演技をしてるわよ。あの女にはタチの悪い悪魔がついていてね。悪知恵を貸しているのよ。あなたが15歳になるまでに帰ってこなかったら、後継ぎを自分の息子にする計画ね。今のところは、あなたの父親を害する気はないようね」
(なるほど、でもなんでそんなことわかるんですか?)
「企業秘密よ。これ教えたら、あなたを口封じしないといけなくなるから。それでも聞く?」
(いいえ、結構です)
「ほかになければ、帰るわよ」
(あ、今俺のいる国ってどういう国なんですか?)
「フローラに聞きなさいよ。彼女はもうあなたの言うことは何でも聞くと思うよ」
(え? 何でですか)
「もう5分よ。また、明日ねえ~」
ちょっと、ラクタさん。もう、どういう意味なんだよ。
今日はちょっと早いな。フローラさんに呼ばれる前に下りて行こうかな。
服を着替えて、階段を下りていくと、フローラさんが朝食を作っている後ろ姿が見えた。
俺が下りていく気配を感じて、フローラさんが振り返った。
「リンリン君、おはよう、今日は早いのね」
あ、フローラさんの雰囲気がちょっとちがう。前もきれいだったけど、セクシー度合いが増えて、美しさに凄みが加わった感じだ。キレイな人がメイクして美しさに磨きがかかったような感じといえばわかりやすい。って自分に解説してどうするんだよ。
あ、いかん、5歳なのにちょっと反応してしまう。
別のことを考えよう。そうだ、この国のことを聞こう。
「フローラさん、おはようございます。ちょっとお聞きしたいことがあるのですが」
「そう? じゃあ、朝食いただきながらにしましょうか。マリを起こして来てくれる?」
「はい、わかりました」
いやあ、本当にキレイでびっくりした。悪魔になるって、キレイになることなの?
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