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王国の衰退
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マルソー伯爵は自領をエイミーの姉二人と弟に提供し、妻と嫡男と一緒に帝国のエイミーの元に身を寄せると宣言した。
姉二人と弟の受け入れ貴族は喜色満面だった。
王も労なくマルソー家の所領を手に入れられるため、特に反対はしなかった。
マークはマルソー家のノウハウが国外に流出することを懸念したが、帝国が国力をつけたらそれはそれでいいと考えていた。
マークは王位を継いだとき、王国と帝国の国力にあまりにも差がある場合には、帝国の属国になろうと密かに考えていたのだ。
帝国の進歩的な考え方の方が国を富ませ、民にとっては一番いいことだと思っていたからだ。
マークは政務が終わった後、今日もフローラのところを訪れた。
いくつか家屋を増築して、王都のメイドや料理人も連れて来ていた。
「ソフィアは今日も元気だな」
ソフィアはトーマスとの間に出来たフローラの娘で、マークの姪にあたるが、今は義理の娘でもある。
「ええ、お腹の子も順調よ」
侍女がソフィアを抱っこして別室に連れていった。
「そうか。フローラはいつも綺麗で何よりだ」
「何なの、その挨拶は。エイミーやトーマスから何か言ってきたの?」
「いや、特に何も。ただ、フローラを側妃にしたことは伝わっているはずだから、エイミーは喜んでトーマスと愛し合うと思う。彼女はそんな性格だよ」
「確かにね。学園にも男をゲットするために来たって言ってたから。私も死にかけてから、小さいことが気にならなくなって、好きに生きるようになったけど、彼女は学園に入って来たときからそんな感じだったわね」
「何度か呼び戻そうとしたけど、エイミーはマルソー家の迫害がなくならない限りは、帰って来ないって言うんだ」
「あれはひどいわよ。マルソー家が地道に開墾した土地を国内の貴族全員がよってたかって取り上げたんでしょう? マルソー伯爵はよく何も言わないわね」
「何も言わないけど、マルソー家の嫡流は帝国に移民してしまったよ」
「エイミーのところ?」
「マルソー伯爵はそう言ってたけど、どうやらそうではないみたいだ。マルソー家は帝国では公爵らしい。それで、帝国本土の四分の一が与えられていて、すでにマルソー家全員で開墾を始めているらしい」
「あの一家は領地経営の鬼よね……」
「ああ。それと軍隊もハンパない。マルソー家が強くした王国が減退し、帝国をマルソー家が強くして行くと思う」
「あなた、次期国王でしょう? どうするのよ」
「エイミーに助けてもらう。僕が国王になったら、エイミーは王妃だからね」
「ねえ、私たち四人ってどんな関係?」
「夫婦同士で結婚した、みたいな……」
「あなたたち夫婦が私たち夫婦を側室にした、ってのが正確だと思うわよ」
「不思議な関係だ。しかし、僕は三人とも大好きだ」
「私はエイミーとトーマスから嫌われているわよ」
「いいや、今のフローラは、エイミーやトーマスからも愛されると思うよ」
「あら、念願のトーマスからの愛が貰えるのかしら」
「間違いないと思う」
「一度、四人で会ってみたいわね」
「必ずその日が来るさ」
姉二人と弟の受け入れ貴族は喜色満面だった。
王も労なくマルソー家の所領を手に入れられるため、特に反対はしなかった。
マークはマルソー家のノウハウが国外に流出することを懸念したが、帝国が国力をつけたらそれはそれでいいと考えていた。
マークは王位を継いだとき、王国と帝国の国力にあまりにも差がある場合には、帝国の属国になろうと密かに考えていたのだ。
帝国の進歩的な考え方の方が国を富ませ、民にとっては一番いいことだと思っていたからだ。
マークは政務が終わった後、今日もフローラのところを訪れた。
いくつか家屋を増築して、王都のメイドや料理人も連れて来ていた。
「ソフィアは今日も元気だな」
ソフィアはトーマスとの間に出来たフローラの娘で、マークの姪にあたるが、今は義理の娘でもある。
「ええ、お腹の子も順調よ」
侍女がソフィアを抱っこして別室に連れていった。
「そうか。フローラはいつも綺麗で何よりだ」
「何なの、その挨拶は。エイミーやトーマスから何か言ってきたの?」
「いや、特に何も。ただ、フローラを側妃にしたことは伝わっているはずだから、エイミーは喜んでトーマスと愛し合うと思う。彼女はそんな性格だよ」
「確かにね。学園にも男をゲットするために来たって言ってたから。私も死にかけてから、小さいことが気にならなくなって、好きに生きるようになったけど、彼女は学園に入って来たときからそんな感じだったわね」
「何度か呼び戻そうとしたけど、エイミーはマルソー家の迫害がなくならない限りは、帰って来ないって言うんだ」
「あれはひどいわよ。マルソー家が地道に開墾した土地を国内の貴族全員がよってたかって取り上げたんでしょう? マルソー伯爵はよく何も言わないわね」
「何も言わないけど、マルソー家の嫡流は帝国に移民してしまったよ」
「エイミーのところ?」
「マルソー伯爵はそう言ってたけど、どうやらそうではないみたいだ。マルソー家は帝国では公爵らしい。それで、帝国本土の四分の一が与えられていて、すでにマルソー家全員で開墾を始めているらしい」
「あの一家は領地経営の鬼よね……」
「ああ。それと軍隊もハンパない。マルソー家が強くした王国が減退し、帝国をマルソー家が強くして行くと思う」
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「私はエイミーとトーマスから嫌われているわよ」
「いいや、今のフローラは、エイミーやトーマスからも愛されると思うよ」
「あら、念願のトーマスからの愛が貰えるのかしら」
「間違いないと思う」
「一度、四人で会ってみたいわね」
「必ずその日が来るさ」
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