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エルフが私に謁見しました
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兵士たちは礼儀正しく親切だった。我々を護衛してくれるらしい。王が人間の女性に見えるため、万一のための護衛だそうだ。
ダさんといい、兵士たちといい、私のエルフに対する印象はうなぎのぼりに良くなって行った。
「ねえ、エルフさんたち、いい人ばかりじゃない。あなたたち、なんてことしたのよ」
「すいません。私にもよく分からないのです」
エルフの聖地事件は不可解なことだらけらしい。事件を起こしたのは人間界では人気のあったS級冒険者チームの「月の雫」だ。年齢不詳の双子の美女二名と、五十代のおじさん三人で構成されていたが、事件はおじさん三名が起こした。
いつも五人で行動している「月の雫」が、なぜ事件のときだけ三名で行動したのか。
エルフの聖杯は人間には価値のないものなのに、なぜ命懸けで聖地に入ったのか。
聖杯を奪ってさっさと逃げればいいのに、なぜエルフの聖女を襲う必要があったのか。
残された美女二人は、事件の後、公の場には姿を見せず、沈黙を貫いた。
ちなみにおじさん三人は、逃走中にエルフの森の中で全員射殺されたのだが、簡単に殺されたことも釈然としないらしい。何も語らなかった美女はその後失踪してしまい、数ヶ月後に遺体で見つかっている。この二人もすご腕の魔法使いで、そう簡単にはやられないはずなのだ。
「悪魔に憑かれていたとかはないの?」
「S級冒険者ですので、憑かれる可能性はゼロです」
悪魔に憑かれるのは、子供かかなり程度の低い大人だそうで、人類最高峰と言われるS級冒険者が憑かれる可能性はないそうだ。
それと、エルフが十年も呪いをかけたまま、人間からの再三の面会要請に応じないのも解せないらしい。
「恐らくですが、龍族に脅されているのではないかと思います」
この世界の頂点はエルフや人間などの人族ではなく、龍族だ。いつもはドラゴンの形態ではなく、龍人という人型の形態で行動している。龍人は人族とよく似ているが、瞳孔が縦長なので、明るいところで目を見れば分かる。人族との交配は出来ない。
「根拠は?」
「龍族はドラゴンを狩ることを勲章にしている人間を嫌っています。冒険者は特に嫌われています。『月の雫』も人間に狼藉を働いていたドラゴンを退治していますので、標的にされたのではないでしょうか。それにエルフを脅せるのは龍族しかいません」
「推測の域を出ないけど、頭に留めておくわ」
「エリカ様の前では、エルフも本当のことを話してくれると思います」
「そう願うわ」
ゴンドラの木のすぐ近くにある巨大な建物が、エルフ王の宮殿だという。
ダさんの説明によると、私たちは謁見の間に通されるらしいのだが、私がエルフ王に謁見するのではなく、エルフ王が私に謁見するのだという。そのため、私は謁見の間の玉座に座らされ、人間の王とエルフの王が一緒に私に謁見する形となった。
(神人ってどれだけ偉いのよ)
しばらく玉座に座って待っていると、王ともう一人が入って来た。恐らくエルフ王だろう。
(あれ? 女の子?)
エルフ王はこれまた超ど綺麗な高校生ぐらいの女の子だった。
「神人様にご挨拶申し上げます。私はエルフ王の代理のミルシラと申します」
エルフ王の代理というところよりも、名前が長いところが気になって仕方がない。
「長い名前なのね」
「はい、王族は四文字、王妃は五文字、王は六文字を名乗ることを許されております」
「そうなのね。私はエリカ、三文字だけどよろしくね」
「神人様の三文字は畏れ多くて、この大陸では龍族以外は三文字の名前は使用しておりませんっ」
(神人は三文字なのか。そういえば、カイトも生意気にも三文字ね)
「なぜ代理なの?」
「王と王妃は竜王国に囚われており、この十年間、私が代理を務めて参りました」
「エリカ様、先ほどミルシラ王女と話をしました。やはり黒幕は龍族です」
エルフの聖杯事件は、龍族のでっち上げだそうだ。ミルシラは「月の雫」の女性二人と龍族の牢獄に監禁されていたらしい。
それを知らされた「月の雫」のおじさん三人が、仲間を助けるためにエルフの聖地に侵入したが、彼らは罠だと気付いてすぐに戻ろうとした。だが、森を抜けようとしたところで、エルフの警備隊に紛れ込んでいた龍族の精鋭に射殺されてしまった。
聖地に駆けつけたエルフたちは、龍族に殴る蹴るの暴行を加えられた瀕死の状態のミルシラを発見し、おじさん三人の仕業と誤解した。ちなみにミルシラは暴行を受けたが、貞操を奪われた訳ではなかった。
「月の雫」の女性は、いったんは解放されたが、ずっと龍族から見張られていたようで、その後、再びとらえられて、そのまま殺されてしまったと思われる。
エルフ王は激怒して大呪術を人間にかけた後、龍族にさらわれて、竜王国で氷漬けにされている。呪いを解かないように、また、死亡して呪いが解けてしまわないようにするためだ。あと二百年凍結すれば人間は滅びる。
王妃は人質だ。王妃はエルフ王が死なないように看病しているらしいが、エルフ王が万一目覚めたときに、呪いをすぐに解かせないための人質でもある。
「私が意識を取り戻したとき、すでに父と母は龍族に連れ去られた後でした。月の雫のお姉様方も亡くなったと聞いて心を痛めました。牢獄で一緒のときに随分と励まされたのです」
「その後、人間と接触しなかったのは何故なの? 龍族が禁止していたの?」
「いいえ、直接の圧力はありませんでした。エルフの禁忌に抵触してしまうからです。人間の女性を森に入れることはできません。エルフの保守派の抵抗は特に強いのです」
「人間からの招聘に応じなかったのは何故なの?」
「王の不在を知られたくなかったのです。知られたら、王が龍族に監禁されていることを知られ、追い詰められた人間たちは、龍族に向かって行くと思ったのです。そうなると、人間は間違いなく滅びてしまうでしょう。そうではなく、神人様の召喚に注力して欲しかったのです」
「人間が神人を召喚できることを知っていたのね」
「エルフの間では有名です。リッチーのときはエルフも助けられたのです。リッチーがエルフの森でアンデッド軍団を組成して、エルフの首都に攻撃して来たのを神人様たった一人に食い止めて頂きました。チヨメ様とおっしゃる女性の方で、素敵な方だったとお聞きしています」
「ミルシラさんはチヨメさんとは直接会っていないのね」
「はい、私はまだ百六十二歳ですので。私の両親は直接お会いしています」
(百六十二歳で高校生の外見か。詐欺だわ、これ)
「チヨメさんはどうされたのかしら?」
「龍族に騙されて殺されました」
「どうして龍族はそんなことをしたのかしら?」
「龍族は自分たちが世界秩序を守る使命があると思っています。リッチーは増えすぎた人族を減らすために神が遣わしたものなのに、退治するとはけしからんそうです。竜王国でもリッチーが発生したと虚偽報告でチヨメ様を呼び寄せて、竜王国の湖に沈めてしまったそうです」
(さっきから龍族、悪いことばっかりしてるじゃない!)
「龍族って悪いやつ?」
「少なくとも私に取っては許せない存在です。我々エルフは神人様に従います」
ミルシラは私たちに随行したいと申し出たが、とりあえずは待機してもらうようにした。
私と王はすぐにとんぼ返りすることにした。往きと同様にダさんに連れられて、帰りのゴンドラに乗った。
ダさんといい、兵士たちといい、私のエルフに対する印象はうなぎのぼりに良くなって行った。
「ねえ、エルフさんたち、いい人ばかりじゃない。あなたたち、なんてことしたのよ」
「すいません。私にもよく分からないのです」
エルフの聖地事件は不可解なことだらけらしい。事件を起こしたのは人間界では人気のあったS級冒険者チームの「月の雫」だ。年齢不詳の双子の美女二名と、五十代のおじさん三人で構成されていたが、事件はおじさん三名が起こした。
いつも五人で行動している「月の雫」が、なぜ事件のときだけ三名で行動したのか。
エルフの聖杯は人間には価値のないものなのに、なぜ命懸けで聖地に入ったのか。
聖杯を奪ってさっさと逃げればいいのに、なぜエルフの聖女を襲う必要があったのか。
残された美女二人は、事件の後、公の場には姿を見せず、沈黙を貫いた。
ちなみにおじさん三人は、逃走中にエルフの森の中で全員射殺されたのだが、簡単に殺されたことも釈然としないらしい。何も語らなかった美女はその後失踪してしまい、数ヶ月後に遺体で見つかっている。この二人もすご腕の魔法使いで、そう簡単にはやられないはずなのだ。
「悪魔に憑かれていたとかはないの?」
「S級冒険者ですので、憑かれる可能性はゼロです」
悪魔に憑かれるのは、子供かかなり程度の低い大人だそうで、人類最高峰と言われるS級冒険者が憑かれる可能性はないそうだ。
それと、エルフが十年も呪いをかけたまま、人間からの再三の面会要請に応じないのも解せないらしい。
「恐らくですが、龍族に脅されているのではないかと思います」
この世界の頂点はエルフや人間などの人族ではなく、龍族だ。いつもはドラゴンの形態ではなく、龍人という人型の形態で行動している。龍人は人族とよく似ているが、瞳孔が縦長なので、明るいところで目を見れば分かる。人族との交配は出来ない。
「根拠は?」
「龍族はドラゴンを狩ることを勲章にしている人間を嫌っています。冒険者は特に嫌われています。『月の雫』も人間に狼藉を働いていたドラゴンを退治していますので、標的にされたのではないでしょうか。それにエルフを脅せるのは龍族しかいません」
「推測の域を出ないけど、頭に留めておくわ」
「エリカ様の前では、エルフも本当のことを話してくれると思います」
「そう願うわ」
ゴンドラの木のすぐ近くにある巨大な建物が、エルフ王の宮殿だという。
ダさんの説明によると、私たちは謁見の間に通されるらしいのだが、私がエルフ王に謁見するのではなく、エルフ王が私に謁見するのだという。そのため、私は謁見の間の玉座に座らされ、人間の王とエルフの王が一緒に私に謁見する形となった。
(神人ってどれだけ偉いのよ)
しばらく玉座に座って待っていると、王ともう一人が入って来た。恐らくエルフ王だろう。
(あれ? 女の子?)
エルフ王はこれまた超ど綺麗な高校生ぐらいの女の子だった。
「神人様にご挨拶申し上げます。私はエルフ王の代理のミルシラと申します」
エルフ王の代理というところよりも、名前が長いところが気になって仕方がない。
「長い名前なのね」
「はい、王族は四文字、王妃は五文字、王は六文字を名乗ることを許されております」
「そうなのね。私はエリカ、三文字だけどよろしくね」
「神人様の三文字は畏れ多くて、この大陸では龍族以外は三文字の名前は使用しておりませんっ」
(神人は三文字なのか。そういえば、カイトも生意気にも三文字ね)
「なぜ代理なの?」
「王と王妃は竜王国に囚われており、この十年間、私が代理を務めて参りました」
「エリカ様、先ほどミルシラ王女と話をしました。やはり黒幕は龍族です」
エルフの聖杯事件は、龍族のでっち上げだそうだ。ミルシラは「月の雫」の女性二人と龍族の牢獄に監禁されていたらしい。
それを知らされた「月の雫」のおじさん三人が、仲間を助けるためにエルフの聖地に侵入したが、彼らは罠だと気付いてすぐに戻ろうとした。だが、森を抜けようとしたところで、エルフの警備隊に紛れ込んでいた龍族の精鋭に射殺されてしまった。
聖地に駆けつけたエルフたちは、龍族に殴る蹴るの暴行を加えられた瀕死の状態のミルシラを発見し、おじさん三人の仕業と誤解した。ちなみにミルシラは暴行を受けたが、貞操を奪われた訳ではなかった。
「月の雫」の女性は、いったんは解放されたが、ずっと龍族から見張られていたようで、その後、再びとらえられて、そのまま殺されてしまったと思われる。
エルフ王は激怒して大呪術を人間にかけた後、龍族にさらわれて、竜王国で氷漬けにされている。呪いを解かないように、また、死亡して呪いが解けてしまわないようにするためだ。あと二百年凍結すれば人間は滅びる。
王妃は人質だ。王妃はエルフ王が死なないように看病しているらしいが、エルフ王が万一目覚めたときに、呪いをすぐに解かせないための人質でもある。
「私が意識を取り戻したとき、すでに父と母は龍族に連れ去られた後でした。月の雫のお姉様方も亡くなったと聞いて心を痛めました。牢獄で一緒のときに随分と励まされたのです」
「その後、人間と接触しなかったのは何故なの? 龍族が禁止していたの?」
「いいえ、直接の圧力はありませんでした。エルフの禁忌に抵触してしまうからです。人間の女性を森に入れることはできません。エルフの保守派の抵抗は特に強いのです」
「人間からの招聘に応じなかったのは何故なの?」
「王の不在を知られたくなかったのです。知られたら、王が龍族に監禁されていることを知られ、追い詰められた人間たちは、龍族に向かって行くと思ったのです。そうなると、人間は間違いなく滅びてしまうでしょう。そうではなく、神人様の召喚に注力して欲しかったのです」
「人間が神人を召喚できることを知っていたのね」
「エルフの間では有名です。リッチーのときはエルフも助けられたのです。リッチーがエルフの森でアンデッド軍団を組成して、エルフの首都に攻撃して来たのを神人様たった一人に食い止めて頂きました。チヨメ様とおっしゃる女性の方で、素敵な方だったとお聞きしています」
「ミルシラさんはチヨメさんとは直接会っていないのね」
「はい、私はまだ百六十二歳ですので。私の両親は直接お会いしています」
(百六十二歳で高校生の外見か。詐欺だわ、これ)
「チヨメさんはどうされたのかしら?」
「龍族に騙されて殺されました」
「どうして龍族はそんなことをしたのかしら?」
「龍族は自分たちが世界秩序を守る使命があると思っています。リッチーは増えすぎた人族を減らすために神が遣わしたものなのに、退治するとはけしからんそうです。竜王国でもリッチーが発生したと虚偽報告でチヨメ様を呼び寄せて、竜王国の湖に沈めてしまったそうです」
(さっきから龍族、悪いことばっかりしてるじゃない!)
「龍族って悪いやつ?」
「少なくとも私に取っては許せない存在です。我々エルフは神人様に従います」
ミルシラは私たちに随行したいと申し出たが、とりあえずは待機してもらうようにした。
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