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エルフの都に着きました
しおりを挟む「んっ...あ、れ。病室…?私ダンスしてて、それで、」
体に限界が来て…
あ、そうだ、息が出来なくて倒れたんだ。
それからの記憶がない...
誰がここまで運んでくれたんだろう。
記憶を失う前に誰かが声をかけてくれたんだ。
視界がぼやけて誰だったのか分からない。
「あ、起きたか」
「…えっ、」
ちょっと待って、
どうしてここに、
まさか、私をここまで運んでくれたのって...
そうだとしたら、私、とんでもない事しでかした。
「身体は大丈夫か?」
「あ、あの、ここまで運んでくれたのって...」
「俺だよ」
やっぱり...私のバカ、
大好きな大好きな天馬さんに運ばせるなんて
「す、すみません…!迷惑かけて本っ当にすみませんでした。ありがとうございます」
「別にいいけど…純怜だっけ?」
「は、はい!」
うわっ、天馬さんが私の名前を...
やばいやばい。
夢が現実になる日が来るとは思ってもいなかったのに
「純怜は俺のファン?...あ、いや、俺の曲を踊ってるの見て、そうなのかと思って」
まさか、見られてたなんて...
「そ、そうなんです...あ、あの握手してもらってもいいですか?」
「いいよ」
「ありがとうございます」
かっこいい。
舞台に立った時はそれはそれはもう、別人のように凄い。とにかくすごい。
ダンスの実力はスターライトの内でもトップクラスで、ダンスの振り付けを担当することも多い。
無口だけど、むしろそれがいい。
「俺の顔に何かついてる?」
かっこよすぎてつい凝視してしまっていた。
「い、いえ、滅相もございません…!」
なんか、焦りすぎて訳の分からないことを言ってしまった。
「ふっ。元気そうだしそろそろ行くか」
笑われてしまった…
「行くって…どこにですか?」
「俺たちの家だよ」
「どっど、ど、どうしてですか」
い、いえ!?家って、スターライトの皆さんが共同生活してるあの、家のこと?!
「落ち着いて。あの後、メンバーで話し合ったんだけど純怜をメンバーに追加することにした」
「え!?」
それって認めてくれたってこと?
だけど…
「ファンのみんなはどう思うかな....」
「初めは認めてくれないかもしれないけど、いつか分かってくれると思う。…俺たちみたいに」
「天馬さん、」
「俺達もできる限りの事はするし、純怜のことを支えるから、一緒に頑張って欲しい、」
「ありがとうございます。頑張ります」
「じゃあ。みんな待ってると思うし、今度こそ行くか」
私なんかで本当に大丈夫なのかな...
ダメダメ、せっかく認めてくれたんだもん、頑張らなくちゃ!
「はい!」
「メンバーは先に帰ってるから」
「そうなんですね」
車に乗ったのはいいんだけど横には天馬さんがいて、距離も近いから、肩に力が入っちゃう。
「何、緊張してんの?」
「は、はい…」
憧れの人が真横にいるのに、緊張しないわけがない。
「これからも一緒に過ごすのに。まあ、最初はしょうがないか、これから少しずつ慣れていけばいいから」
そうだ。
これから一緒に活動するんだ...
まだ実感わかないないけど、いつか慣れる日が来るのかな。
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