10 / 55
ダンジョン篇
冒険者狩り
しおりを挟む
俺はリズと別れた後、地下二階で気になっていたマップの調査を数日してから、地下三階を拠点にして、冒険者狩りを始めた。
赤い首飾りの冒険者は全部で二十人ぐらいいるそうだ。リズたちがテントを張っていたところに冒険者が多く、そこを見張っていると、多くの冒険者に遭遇することができた。
子供の冒険者は二割ぐらいで、子供たちは薬草採取をすることが多い。魔物狩りは危険なため、出会っても、すぐに逃げるようにしているようだ。
俺には索敵というスキルがあり、自分よりもレベルの低い人間や魔物の位置が大体分かる。地下三階に俺よりもレベルの高い人間はいないはずで、全員の居場所が分かっている。
(あ、くっついたままだ。怪しいな)
別々に動いていた人間が、一緒になって動き出すのは、誘拐である可能性がある。
急いで駆けつけると、三人いるはずが、二人しかおらず、一人は袋に入れられて担がれていた。仕留めた魔物もああやって運び出すため、特に怪しまれない。
二人の首から下を見ると、赤い首飾りをしていた。
(確定だな。まだ、若いのに人生誤ったな)
高校生ぐらいの男二人組だが、いかにも自分だけ楽しければいい的な悪そうな顔をしている。
俺はイリュージョンの魔法を使い、若い女に化けて、二人に近づいた。
「あれ? お姉さん、こんなところに一人でどうしたの?」
すぐに袋を担いでない方が声をかけてきた。
人間に化けられるのはいいが、触られるとバレるし、そもそも俺は声を出せない。
黙っていると、近づいて来たので、剣を抜いて心臓を一突きした。
男は声も出せないまま即死して、俺に寄りかかって来た。
『レベルが101になりました』
もう一人の男がこちらの方を訝しげに見ている。連れが殺されたことに気づいていない。薄暗くて見えにくいのだろう。
「おい、どうした? お前、何やってんの?」
そう言って、男は袋をそっと下ろして、俺に近づいてくる。連れが俺に抱きついているように見えたのだろう。俺は死んでいる男を右側に放り投げ、向かってくる男においでおいでをした。
何をどう考えたのか、男が俺に抱きついて来たので、そのままナイフを男の胸に刺して殺した。
(ちっ、レベルが上がらなくなって来たな)
俺は遺体から赤の首飾りと冒険者カードを外して、バックパックにしまった。袋を開けて見ると十二、三歳の女の子が縛られていた。さるぐつわをはめられている。
俺はすぐに縄とさるぐつわを解いてやった。
「あ、ありがとう」
俺は気にしなくていいというように手をひらひらとして、リズから預かっていたカードを女の子に渡した。
女の子がライトの魔法で灯りをつけて、カードの文字を読み終わって、顔を上げた。
(はは、可愛いな。子供は)
「お姉さん、話せないのね。お姉さんについて行けばいいのね。私はアリサといいます」
俺は数日調査して発見した地下一階と地下二階にまたがる隠れ部屋にアリサを誘導した。
赤い首飾りの冒険者は全部で二十人ぐらいいるそうだ。リズたちがテントを張っていたところに冒険者が多く、そこを見張っていると、多くの冒険者に遭遇することができた。
子供の冒険者は二割ぐらいで、子供たちは薬草採取をすることが多い。魔物狩りは危険なため、出会っても、すぐに逃げるようにしているようだ。
俺には索敵というスキルがあり、自分よりもレベルの低い人間や魔物の位置が大体分かる。地下三階に俺よりもレベルの高い人間はいないはずで、全員の居場所が分かっている。
(あ、くっついたままだ。怪しいな)
別々に動いていた人間が、一緒になって動き出すのは、誘拐である可能性がある。
急いで駆けつけると、三人いるはずが、二人しかおらず、一人は袋に入れられて担がれていた。仕留めた魔物もああやって運び出すため、特に怪しまれない。
二人の首から下を見ると、赤い首飾りをしていた。
(確定だな。まだ、若いのに人生誤ったな)
高校生ぐらいの男二人組だが、いかにも自分だけ楽しければいい的な悪そうな顔をしている。
俺はイリュージョンの魔法を使い、若い女に化けて、二人に近づいた。
「あれ? お姉さん、こんなところに一人でどうしたの?」
すぐに袋を担いでない方が声をかけてきた。
人間に化けられるのはいいが、触られるとバレるし、そもそも俺は声を出せない。
黙っていると、近づいて来たので、剣を抜いて心臓を一突きした。
男は声も出せないまま即死して、俺に寄りかかって来た。
『レベルが101になりました』
もう一人の男がこちらの方を訝しげに見ている。連れが殺されたことに気づいていない。薄暗くて見えにくいのだろう。
「おい、どうした? お前、何やってんの?」
そう言って、男は袋をそっと下ろして、俺に近づいてくる。連れが俺に抱きついているように見えたのだろう。俺は死んでいる男を右側に放り投げ、向かってくる男においでおいでをした。
何をどう考えたのか、男が俺に抱きついて来たので、そのままナイフを男の胸に刺して殺した。
(ちっ、レベルが上がらなくなって来たな)
俺は遺体から赤の首飾りと冒険者カードを外して、バックパックにしまった。袋を開けて見ると十二、三歳の女の子が縛られていた。さるぐつわをはめられている。
俺はすぐに縄とさるぐつわを解いてやった。
「あ、ありがとう」
俺は気にしなくていいというように手をひらひらとして、リズから預かっていたカードを女の子に渡した。
女の子がライトの魔法で灯りをつけて、カードの文字を読み終わって、顔を上げた。
(はは、可愛いな。子供は)
「お姉さん、話せないのね。お姉さんについて行けばいいのね。私はアリサといいます」
俺は数日調査して発見した地下一階と地下二階にまたがる隠れ部屋にアリサを誘導した。
0
お気に入りに追加
801
あなたにおすすめの小説
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
俺のスキルが無だった件
しょうわな人
ファンタジー
会社から帰宅中に若者に親父狩りされていた俺、神城闘史(かみしろとうじ)。
攻撃してきたのを捌いて、逃れようとしていた時に眩しい光に包まれた。
気がつけば、見知らぬ部屋にいた俺と俺を狩ろうとしていた若者五人。
偉そうな爺さんにステータスオープンと言えと言われて素直に従った。
若者五人はどうやら爺さんを満足させたらしい。が、俺のステータスは爺さんからすればゴミカスと同じだったようだ。
いきなり金貨二枚を持たされて放り出された俺。しかし、スキルの真価を知り人助け(何でも屋)をしながら異世界で生活する事になった。
【お知らせ】
カクヨムで掲載、完結済の当作品を、微修正してこちらで再掲載させて貰います。よろしくお願いします。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
前世は悪神でしたので今世は商人として慎ましく生きたいと思います
八神 凪
ファンタジー
平凡な商人の息子として生まれたレオスは、無限収納できるカバンを持つという理由で、悪逆非道な大魔王を倒すべく旅をしている勇者パーティに半ば拉致されるように同行させられてしまう。
いよいよ大魔王との決戦。しかし大魔王の力は脅威で、勇者も苦戦しあわや全滅かというその時、レオスは前世が悪神であったことを思い出す――
そしてめでたく大魔王を倒したものの「商人が大魔王を倒したというのはちょっと……」という理由で、功績を与えられず、お金と骨董品をいくつか貰うことで決着する。だが、そのお金は勇者装備を押し付けられ巻き上げられる始末に……
「はあ……とりあえず家に帰ろう……この力がバレたらどうなるか分からないし、なるべく目立たず、ひっそりしないとね……」
悪神の力を取り戻した彼は無事、実家へ帰ることができるのか?
八神 凪、作家人生二周年記念作、始動!
※表紙絵は「茜328」様からいただいたファンアートを使用させていただきました! 素敵なイラストをありがとうございます!
公爵夫人のやけごはん〜旦那様が帰ってこない夜の秘密のお茶会〜
白琴音彩
ファンタジー
初夜をすっぽかされ続けている公爵夫人ヴィヴィアーナ。今日もベットにひとりの彼女は、仲間を集めて厨房へ向かう。
公爵夫人が公爵邸の使用人たちとおいしく夜食を食べているだけのほのぼのコメディです。
*1話完結型。
*リアルタイム投稿
*主人公かなり大雑把なので気になる人はUターン推奨です。
*食べ盛りの女子高校生が夜中にこっそりつくる夜食レベル
漆黒のブリュンヒルデQ
武者走走九郎or大橋むつお
ファンタジー
主神オーディンの娘にしてヴァルキリアの主将! 堕天使の宿命を背負いし漆黒の姫騎士!
我が名はブリュンヒルデなるぞ!
漆黒の姫騎士の蹉跌と復活の日々を異世界である東京で紡いでいく。
スローライフは仲間と森の中で(仮)
武蔵@龍
ファンタジー
神様の間違えで、殺された主人公は、異世界に転生し、仲間たちと共に開拓していく。
書くの初心者なので、温かく見守っていただければ幸いです(≧▽≦) よろしくお願いしますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる