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ブルーノとフィリーネ
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「フィリーネ!婚約破棄されたんだって?」
「ブルーノ。いくら幼馴染とは言え、独身令嬢の部屋にノックも無しで入るなんて、非常識にもほどがあるわよ」
「ごめん、ごめん。気が急いちゃって。今度から気をつけるよ。
って、そんなことはどうでも良いんだよ!フィリーネ、本当に婚約破棄されたの?
ああ、なんで僕を呼んでくれなかったのさぁ。こんな面白い事、僕も目の前で見たかったのにー」
「ちょっと、落ち込んでいるであろう幼馴染を励ましに来たんじゃないの?
ほんと、あなた大概にしなさいよ」
「え?落ち込んでるの?フィリーネがそんなことあるわけないじゃん。だって、落ち込んでないでしょ?」
「ええ・・・まあ、そうね。落ち込んではいないわね」
「ほらね。だって、フィリーネはあいつの事なんか好きでもなんでもなかったじゃん。それはもう可哀そうなくらい、あいつのことなんか眼中になかったもんね」
「だって、親同士が決めた婚約ですもの。私達に選択肢なんてなかったし。
だからって『あいつ』呼ばわりはおよしなさい。あなたの従兄弟でもあるんだから。それに年上でしょ。少しは敬った方がいいわよ」
「ええ?僕の可愛い幼馴染のフィリーネを婚約破棄するくらいのヤツだよ。それに従兄弟って言っても一緒に遊んだのは子供の頃だもん。今は全然わかんない、むしろ他人より遠い存在」
「え?そうなの?あら、まあ、そうなのね?」
「もう、そんなことはどうでも良いんだよ。なんで婚約破棄になったの?
だって、そもそも浮気したのはあいつじゃん。それなのに、なんで向こうから婚約破棄なんて言ってくるの?」
「それは・・・メイナード様のお相手の男爵令嬢の方を私が虐めたらしいわ。もちろん、全く身に覚えはないけど」
「それはそうだろうね。だって君、話したこともないんだろう?」
「ええ、お会いしたことはないわね。王立学園内で遠くからお顔を見た事はあるけど。実は名前も知らないのよ」
「ははは。全くフィリーネらしいや。いいかい、名前はマリア・パルメ。パルメ男爵家の三女だってさ。パルメ男爵家と言えば、元は商売をして羽振りも良かったらしいけど、今じゃ落ちぶれ貴族の部類に入るだろうね。
そんな家の三女だもの。公爵家嫡男で第一王子の側近をしているメイナードに目を付けて、玉の輿でも狙ったってとこじゃない?」
「なんかやたら詳しいわね。まあ、いいわ。
でも、彼女にとっては思うように、うまくいって良かったんじゃない?学園に入学してすぐに近づいたみたいだし、あの行動力は大したものよ。
でも、メイナード様にとってはこれから大変になる事でしょうけど、ご自分で選んだお相手だもの頑張ってとしか言えないわね」
「メイナードも、もうすぐ卒業だしね。彼女も焦ったんじゃない?卒業してしまったらウヤムヤになる可能性が高いから」
「そうね、1年後に私が卒業したら挙式の予定だったから、二人とも焦ったんでしょうね」
「で?君のお父上は何て言っているの?まさか、そのまま婚約破棄を受けるつもりじゃないでしょ?もちろん、こっちから慰謝料請求するんだよね?」
「慰謝料は・・・どうかしらね?とりあえず文句は言ったみたいでね、メイナード様のお父様が謝りに来ていたみたいだけど。お相手の方はどうなのかしら?」
「相手って、たかが男爵家でしょう?もちろん叩き潰すんじゃない?君のお父上オルコット侯爵様なら絶対やるよ」
「そんな、うちの父を極悪人みたいに言わないでよ。貴族家を取り潰すほどの力なんてないわよ。それに、もう関係ないんだから。ただ、今後一切私の目に触れることがなければ、それで充分よ」
「フィリーネは優しいね。僕だったら地獄の底まで追いかけて、コテンパンに追い詰めてやるのに」
「ちょっと、やめてよね。余計な真似はしないで。あなたが言うと本当にやりそうで怖いわ」
「しかし、まったく何を考えているんだろうね、あいつは。もう少し頭の良いヤツかと思っていたけど、所詮僕のライバルにはなれなかったってことさ。あいつはもう終わりだね」
「そうねえ、メイナード様って弟様もいらしたから、その方が公爵家を継ぐことになるんじゃないかしらね?
ああ見えて御父上のスミス公爵様は厳しいお方だから、男爵家の令嬢を公爵夫人としては認めない気がするわ」
「ふふふ。いい気味だって思ってる?」
「わたしが?そんなこと思ってないわよ。だって、もう関係ないもの」
「あはは!さすがはフィリーネだ。そうそう、君には最初から関係無いヤツなんだよ」
「最初からってわけではないけど、仮にも元婚約者だし。でも、錘が取れたみたいでホッとしているの。それにこれからしばらくは忙しくなるだろうって、お父様が」
「忙しくなる?なんで?」
「私の婚約が無くなったから、たぶん候補者がたくさん来るだろうって。
こういう事は誠意を見せるためにも、一人ひとりに会った方が良いだろうって言うのよ」
「え?ほんとに?本当に一人ずつ会うつもり?そんなことしなくても簡単に済まされる方法があるじゃない?」
「簡単に済ます方法?そんなものがあるの?」
「うん、ある!ま、楽しみにしていてよ。
良い?どんなヤツが来ても絶対に信用したらダメだからね。みんな、この家の名前と財産、それに君を綺麗な人形かなんかと勘違いして手元に置きたいだけなんだから。上辺だけの言葉に惑わされちゃダメだからね?いいね?」
「え?ええ、わかったわ」
「よし。じゃあ、僕は簡単に済ます方法について準備してくるから。また来るね」
「ええ、また・・・」
「ブルーノ。いくら幼馴染とは言え、独身令嬢の部屋にノックも無しで入るなんて、非常識にもほどがあるわよ」
「ごめん、ごめん。気が急いちゃって。今度から気をつけるよ。
って、そんなことはどうでも良いんだよ!フィリーネ、本当に婚約破棄されたの?
ああ、なんで僕を呼んでくれなかったのさぁ。こんな面白い事、僕も目の前で見たかったのにー」
「ちょっと、落ち込んでいるであろう幼馴染を励ましに来たんじゃないの?
ほんと、あなた大概にしなさいよ」
「え?落ち込んでるの?フィリーネがそんなことあるわけないじゃん。だって、落ち込んでないでしょ?」
「ええ・・・まあ、そうね。落ち込んではいないわね」
「ほらね。だって、フィリーネはあいつの事なんか好きでもなんでもなかったじゃん。それはもう可哀そうなくらい、あいつのことなんか眼中になかったもんね」
「だって、親同士が決めた婚約ですもの。私達に選択肢なんてなかったし。
だからって『あいつ』呼ばわりはおよしなさい。あなたの従兄弟でもあるんだから。それに年上でしょ。少しは敬った方がいいわよ」
「ええ?僕の可愛い幼馴染のフィリーネを婚約破棄するくらいのヤツだよ。それに従兄弟って言っても一緒に遊んだのは子供の頃だもん。今は全然わかんない、むしろ他人より遠い存在」
「え?そうなの?あら、まあ、そうなのね?」
「もう、そんなことはどうでも良いんだよ。なんで婚約破棄になったの?
だって、そもそも浮気したのはあいつじゃん。それなのに、なんで向こうから婚約破棄なんて言ってくるの?」
「それは・・・メイナード様のお相手の男爵令嬢の方を私が虐めたらしいわ。もちろん、全く身に覚えはないけど」
「それはそうだろうね。だって君、話したこともないんだろう?」
「ええ、お会いしたことはないわね。王立学園内で遠くからお顔を見た事はあるけど。実は名前も知らないのよ」
「ははは。全くフィリーネらしいや。いいかい、名前はマリア・パルメ。パルメ男爵家の三女だってさ。パルメ男爵家と言えば、元は商売をして羽振りも良かったらしいけど、今じゃ落ちぶれ貴族の部類に入るだろうね。
そんな家の三女だもの。公爵家嫡男で第一王子の側近をしているメイナードに目を付けて、玉の輿でも狙ったってとこじゃない?」
「なんかやたら詳しいわね。まあ、いいわ。
でも、彼女にとっては思うように、うまくいって良かったんじゃない?学園に入学してすぐに近づいたみたいだし、あの行動力は大したものよ。
でも、メイナード様にとってはこれから大変になる事でしょうけど、ご自分で選んだお相手だもの頑張ってとしか言えないわね」
「メイナードも、もうすぐ卒業だしね。彼女も焦ったんじゃない?卒業してしまったらウヤムヤになる可能性が高いから」
「そうね、1年後に私が卒業したら挙式の予定だったから、二人とも焦ったんでしょうね」
「で?君のお父上は何て言っているの?まさか、そのまま婚約破棄を受けるつもりじゃないでしょ?もちろん、こっちから慰謝料請求するんだよね?」
「慰謝料は・・・どうかしらね?とりあえず文句は言ったみたいでね、メイナード様のお父様が謝りに来ていたみたいだけど。お相手の方はどうなのかしら?」
「相手って、たかが男爵家でしょう?もちろん叩き潰すんじゃない?君のお父上オルコット侯爵様なら絶対やるよ」
「そんな、うちの父を極悪人みたいに言わないでよ。貴族家を取り潰すほどの力なんてないわよ。それに、もう関係ないんだから。ただ、今後一切私の目に触れることがなければ、それで充分よ」
「フィリーネは優しいね。僕だったら地獄の底まで追いかけて、コテンパンに追い詰めてやるのに」
「ちょっと、やめてよね。余計な真似はしないで。あなたが言うと本当にやりそうで怖いわ」
「しかし、まったく何を考えているんだろうね、あいつは。もう少し頭の良いヤツかと思っていたけど、所詮僕のライバルにはなれなかったってことさ。あいつはもう終わりだね」
「そうねえ、メイナード様って弟様もいらしたから、その方が公爵家を継ぐことになるんじゃないかしらね?
ああ見えて御父上のスミス公爵様は厳しいお方だから、男爵家の令嬢を公爵夫人としては認めない気がするわ」
「ふふふ。いい気味だって思ってる?」
「わたしが?そんなこと思ってないわよ。だって、もう関係ないもの」
「あはは!さすがはフィリーネだ。そうそう、君には最初から関係無いヤツなんだよ」
「最初からってわけではないけど、仮にも元婚約者だし。でも、錘が取れたみたいでホッとしているの。それにこれからしばらくは忙しくなるだろうって、お父様が」
「忙しくなる?なんで?」
「私の婚約が無くなったから、たぶん候補者がたくさん来るだろうって。
こういう事は誠意を見せるためにも、一人ひとりに会った方が良いだろうって言うのよ」
「え?ほんとに?本当に一人ずつ会うつもり?そんなことしなくても簡単に済まされる方法があるじゃない?」
「簡単に済ます方法?そんなものがあるの?」
「うん、ある!ま、楽しみにしていてよ。
良い?どんなヤツが来ても絶対に信用したらダメだからね。みんな、この家の名前と財産、それに君を綺麗な人形かなんかと勘違いして手元に置きたいだけなんだから。上辺だけの言葉に惑わされちゃダメだからね?いいね?」
「え?ええ、わかったわ」
「よし。じゃあ、僕は簡単に済ます方法について準備してくるから。また来るね」
「ええ、また・・・」
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